「迷宮にはすべての真実が眠っている――」
世界でも指折りの魔法文明によって栄える都市国家カルナス。だがその地下には、かつて滅んだ機械文明の都市が遺跡となって眠っていた。ある時、遺跡の迷宮から機械を発掘、修復して使い始める勢力が現れた。その利便性ゆえ、機械は急速に広まり、魔法と機械という文明の対比構図は微妙な緊張を生んでいく。
精神の深奥に光を向け、奇跡を起こす魔法。
物質的な道具に、奇跡を宿す機械。
ひとつの都市で生まれた異なる価値観は交差し、今、運命の歯車が動き出す。迷宮遺跡の奥には、歴史の真実と、大いなる力が眠っているはず。育ての父の遺言と、持ち前の探究心を胸に、若き探索者(アンダーグランダー)である主人公は、迷宮遺跡の踏破に挑む。
探索者=アンダーグランダー
魔力を持ち、己の精神に術式を組んで魔法を操る者『マギウス』。導力を用い、物質の構成を読み取って機械を動かす者『マキナ』。人はいずれかの才能を持って生まれる。しかし機械文明が失われたこの時代では、遺跡の発掘が始まる近年まで、マキナは無能者も同然だった。マキナ達はやがて機械技術の復元に伴い、機械ギルド『アバランチ』を結成。それに追随してマギウスも魔法ギルド『ペンタクル』を創り、両者はライバル関係を成立させていく。
一方、どちらの組織にも属さず、中立の立場で地下遺跡、迷宮を探索する者が存在する。探索者(アンダーグランダー)と呼ばれる彼らは、主義や思想よりも危険とロマンを求めて、魔獣や暴走兵器のはびこる迷宮遺跡『ドラゴンズシャフト』に潜っていく。
魔法ギルド:ペンタクル
魔法奥義を探求するマギウスの組織。本来、マギウス達は秘密主義の者が多く、閉鎖的な体質を持っていたが、機械勢力の登場によって危機感を覚えた者達が結成した。
魔術に関する知識を蓄える一方で、忘れられた都市の歴史を秘匿しているとの噂がある。
機械ギルド:アバランチ
迷宮遺跡から機械を発掘し、機械技術を復元、発展しようとする者達の組織。魔法文明都市であるカルナスでは異端視されているが、機械の利便性が知れ渡り、普及していくにつれ、注目が高まっている新進の勢力。
発足間もないギルドの為、組織が成熟しておらず、一部の急進派が魔法ギルドとの間に緊張を生んでいる。
太古に竜が通ったと言われる大穴であり、未だ誰も踏破したことがない難攻不落のダンジョン。地下迷宮でありながら、多様な特徴を持った階層が存在し、探索者の行く手を阻む。ここでは、ドラゴンズシャフト内エリアの一部を紹介しよう。
表層鉱脈区 サーフェス・マイン
魔素を含んだ星雲石が採掘できるため、一稼ぎしようとする初級〜中級探索者に好まれるダンジョン。迷宮大門を潜ってすぐの浅い階層なので、危険度はそれほど高くないが、油断は禁物である。自然系の魔物と、地下水脈に住み着く水棲魔物の巣窟。
古代寺院 サイレント・テンプル
サーフェス・マインの先にある、古代の寺院を思わせる遺跡。石造りの人工的な迷宮で、崩れ落ちた柱や装飾が散乱する。中層以降は、不死系の魔物が徘徊する危険なダンジョンである。
機械遺構 メトロニア
古代寺院のさらに奥で発見された機械都市の遺構。機械ギルドは、この階層の発見とともに大きな勢力へと発展していくこととなる。暴走した機械系モンスターが跋扈している。
褪せた妖精郷エンタングル
自然系モンスターや精霊が生息する自然系ダンジョン。かつては地上にあったと思われる樹木が群生しているが、空間の歪みか、魔素の暴走か、色褪せながらも、枯れることなく林立している。魔法生物系モンスターが蔓延っている。