「さーて、今回はお待ちかね! 人竜リベリオについての解説よ!」
「おぉっ、気合が入っているのう。ずいぶん楽しそうじゃ」
「それはそうよ。私がカイルと出会ったのだって、元はと言えばリベリオ伝説の取材のためだったし。神話で語られる叛竜が実在しているなんてロマンティックだわ。しかもそれが新たな姿で蘇るなんて、この興奮をどう伝えたらいいのか……!」
「脱線。放っておくと長くなりそうなので。さっそく本題に行ってほしい」
「……残念、そうだったわね。神話の詳細はまたの機会に取っておくとして、まずは叛竜リベリオの基本的なおさらいからね」
「建国神話において、リベリオは皇国と偉大なα<アルファ>に挑み、激戦の末に敗れた、叛逆の竜とされているわ。カイルは氷漬けになったその竜の声を聴いて、力を受け継ぐことになった」
「それで人竜リベリオが新生したというわけじゃな」
「カイルの覚醒したリベリオは、以前とは異なり人に近い姿をしているわ。他の真竜と比べてパワーでは劣っても、人のように武器や装具を用い、成長していく。それこそが人竜リベリオの最大の特性と言えるわね」
「ふむ、先代のリベリオとは、その辺が大きく違うのじゃな」
「分析。上の画像のリベリオは。剣と盾を装備しているように見える」
「竜大剣アスカロンと、スケイルシールドね。アスカロンは人竜の基本装備と言えるわ。硬い竜のウロコをも断つ切れ味を誇っているの」
「ほほう、言うなれば竜の牙のようなものじゃな」
「ええ、その表現は適切だと思う。アスカロンが竜の牙なら、スケイルシールドはその名の通り竜のウロコを概念化した盾ね。周囲にバリアフィールドを張ることもできて、味方も守れる優れものよ」
「便利。状況に応じて。装備や技を使いこなすことが。きっと勝利の近道なのだろう」
「そうね、それこそが人竜リベリオの長所よ」
「ちなみにこっちはタロンドリルとスターウイングを装備した状態よ」
「おぉっ、槍と翼じゃな! カッコいいのじゃ! 目にも止まらぬ速さで突っ込んでいきそうじゃのう!」
「そうね、機動性と貫通力に優れた武装……入手して使いこなすことさえできれば、必ず活躍するはずよ」
「次に紹介するのはアーマード形態よ!」
「驚愕。さっきまでとは全然違う姿。これもリベリオなのか」
「ええ、アーマード形態は装甲とパワー重視。さっきも言ったけど、カイル自身の成長によって、リベリオも進化していく。ひとつの能力に制限されず、状況に応じて姿を変えていくのね」
「興味深いのう。アーマード形態とな。なにやら物騒な銃やら大砲をつけておるように見えるが……」
「利き手のライフルはブレスガンね。竜の息吹、破壊のブレスを銃として再現したもの。 両肩のバーストカノンも概念としては同じかしら。でも威力は段違いで、マナ粒子の消耗も大きいから、使いどころには注意が必要ね」
「アーマード形態の武装は他にもあるわよ。両腕の大きな爪はライジングクロー。爪ごと鞭のように飛ばして、敵を薙ぎ払うこともできるわ。それに機体各部に搭載されたミサイルは、抜群の殲滅力を誇るの!」
「脅威。これならどんな相手でも。互角に戦えるのではないか」
「うむ、前回は兵器庁やら竜奴達の真竜やら、強敵揃いで不安になったが、人竜がこれほど強力なら心配無用かもしれんのう」
「そうね、確かにリベリオは強力よ。何よりも頼りになる。でも決して無敵じゃないことは、肝に銘じておかなければいけないわね」
「むむっ、そうなのか? 今までの解説を聞くと敵なしに思えるのじゃが……」
「まずこれらの装備や武器は、すべてが最初から扱えるわけではないのよ。リベリオが能力を発揮するためには、カイル自身が成長して、真竜との戦いを勝ち抜いていかなければいけないわ」
「成長。真竜と戦わないと。新しい武器も入手できないということか」
「バーストカノンやライジングクローといった武装は、他の真竜のレガリアから得られるのよ。そうして少しずつ力をつけていかなければ、塔の攻略も難しいでしょうね」
「地道。最強に見えるリベリオにも。たくさん試練がある模様」
「それにリベリオに変身するのは消耗も大きいからね。ここぞという場面まで温存しておきたいし、そのためにも私やリム達がカイルを支えているってわけ」
「やはり何事もそう簡単にはいかんということじゃな。人竜リベリオの力をいつ発動するか、そんな駆け引きもありそうじゃ」
「カイルに頼りきりというわけにはいかないものね。だから私もやれることをやっていくわよ」
「張り切っておるのう。このコーナーの解説も引き続き頼むのじゃ」
「ええ、任せて!」