あけおめ2024じゃ!

楓「新年あけましておめでとうなのじゃ!」
ルナ「謹賀。新年」
「さてルナよ、年明けといえば初詣にお節、お雑煮、お汁粉、いろいろあるが、もう一つ重要な要素があるのを知っておるか?」
「当然。それは。ズバリ。『お年玉』
「そのとおり! ってなわけで、久しぶりにどこかの世界へとお年玉を貰いに行ってみようかと思うのじゃがどうじゃ?」
「提案。それならば。先日。重要な告知があった。『VenusBLood RAGNAROK』の世界は。どうだろうか」
「重要な告知というと、あれじゃな! 『VenusBlood RAGNAROK international』のキックスターターの告知じゃな!!」

「紹介。キックスターターに備えて。久しぶりに。VBRの舞台。アースガルズを。見ておくのも。悪くはない」
「そうじゃな。では今回はインターナショナル版成功祈願もかねて、ヴァーリたちの顔を拝んでみるとするかの」
「座標。アースガルズは。過去に遊びに行ったので。転移は問題ないはず。では魔導式をアーカイヴから喚び出し。補正及び魔力充填完了。ぽぽいのぽい」
「ルナの転移が雑でなんか心配じゃが、アースガルズへひとっとびじゃー!!」

 

「お、ここは見覚えがある気がするのじゃ」
「風景。どうやら。ヴァーリの所有する。飛翔船に。転移できた模様」
ヴァーリ「ああ? 急に何か現れたと思ったら、お前らか。ずいぶん久しぶりじゃねえか」
ヒルデ「兄上、今の物音は?! ……あら? あなた方は、いつぞやの」
リンデ「あら、確かマスコットの楓さまとルナさまでしたわね」
「相対。神魔統一を目指す。逆境の麒麟児こと。ヴァーリに。その妹の。ブリュンヒルデと。ヴァーリに付き従う近衛隊長。リンデの三名」
「おう、三人ともわしらを覚えてくれていて嬉しいのじゃ」
「異世界から菓子を強請りにくる二人組なんて滅多にいないからな。んで、なんだ? またハロウィンか?」
「否定。今回は。ハロウィンではなく。お年玉を貰いに来た」
「オトシダマ……とはいったい何でしょうか? 聞いたことがありませんわね」
「オトシダマ……? もしや、何か魂を落としたのですか? ならば、またニーベルングで魂の召喚を……」
「待て待て待て! 魂なんか落としてないし、厄介な英霊を呼ばれても困るのじゃ!!」
「説明。単刀直入に言うと。お小遣いが。欲しい」
「お小遣い……つまり、お金が必要、ということですわね」
「菓子の次は金をよこせと来たか。マスコットってのはどんだけ神経が図太いんだ」
「兄上。思い起こせば以前もかなり飢えた様子でしたし、お二人ともかなり生活に苦しんでいるのかもしれません」
「働き口を紹介してあげては……?」
「困惑。何か。ものすごく。勘違いをされている気がする」
「さすがにここで働く気はないが、お年玉がもらえるなら多少の勘違いは許容するかのう」
「兄上。何か彼女らに恵んであげましょう」
「そうですヴァーリ様。王たるもの、目の前の飢えた子供たちを救う度量が必要です。ほら、こんなに痩せてしまって」
「体格。私たちは。そんなに痩せ細って。いたのか」
「俺には、連休中にうまいものを食いまくったガキの肉付きにしか見えないんだがな。まあいい、ほれ、ヒルデとリンデに感謝しろよ」
「おお、お小遣いじゃ! 現ナマじゃあ!!」
「感謝。これは実に。幸先が良い。さっそく次に。移動しよう」
「きちんと食事はとってくださいね?」
「変な人について行ってはダメですよ」
「お、おう……。なんかやりにくいのう」

 

「どこじゃ? ここは。なんか変な場所に着てしまったのじゃ」
「転移。何やら舞台の上に。来てしまった」

ファン「うぉぉぉおぉぉぉお!!! 飛び入りだああああああ!!!!」

ウルル「あれ、ウルルのライブに飛び入り参加? って、確かマスコット……だったかな?」
「想起。ここは。前にも訪れたことがある。確か。ヨーツンヘイムのライブ会場」
フローラ「まあ、ウルルちゃんのライヴを見に来てみれば、珍しい子たちが来ているのね」
ファナ「やれやれ、本当にマスコットはどこにでも現れるんだな」
「おお、女神の霊格を持つヒロイン、ウルル、フローラ、ファナの三名が揃っておるではないか」

ファン「うぉぉぉおぉぉぉお!!! 女神だああああああ!!!!」

「説明。私たちは。ライブに来たわけではなく。お年玉をもらいに来ただけ」
「なーんだ、飛び入り参加も大歓迎だったのに。でも、お年玉って?」
「お年玉……聞いたことがあります」
「知っているのかフローラ」
「ええ、遥か昔の文献によると、過去にも絶対神オーディン、春風の戦女神ティルカ、蒼穹の雷神トール、秋月の豊穣神フレイヤ、凍雲の守護神リグレット。その五女神のもとにマスコットが現れ、お年玉なる恵みを授かった、という伝説があります」
「伝説が本当だったとはね……!」
「博識。さすがフローラ。恐ろしい女」
(なんじゃこの会話は)
「って、ミンメー書房ネタはおいといて! ウルルたちにも何か『恵み』を授かりに来たってことでいいのかな?」
「恵み、恵みか……。さすがにヘルグリンドならともかく、こんな場所まで物を持ってきてはいないぞ」
「そうじゃのう。ファナの家まで行けば可愛らしいグッズなんかが沢山あったじゃろうに」
「なっ?! どっ……!! まっ……!!」
「恵みという程ではありませんが、ギムレーの穀物の種モミでしたらここに」
「うわーい、種モミじゃ~! 種モミじゃ~!」
「急に喜びだしたな」
「じゃあ、ウルルが出せる恵みって言ったら、やっぱり当然歌だよね! みんな、聞いて♪ 『恋のルーン』

ファン「うぉぉぉおぉぉぉお!!! お恵みだああああああ!!!!」

「おおう、相変わらずウルルのファンは元気じゃのう」
「熱唱。せっかくなので。ライブを楽しんでから。次に向かうとしよう」

 

ヘルモーズ「――というわけで、最後に吾は言ったのだヨ。饅頭のあとは、濃いお茶が怖いヨ」
ナンナ「ふふふっ、ヘルモーズしゃんのおはなちは本当に面白いでちゅね」

「状況。広大な花畑で。落語をやっている」
「一体どういうことなんじゃ? って、あれは怪しげな予言者のヘルモーズと、絶対神の後継者である女神ナンナじゃな」
「あ、きたでちゅよ! いらっちゃーい」
「まったく、遅いヨ。時間つぶしに、吾のとっておきの体験談を披露してしまったではないか」
「落語ではなくて実話じゃったのか……」
「質問。もしかして。私たちが来るのを。知っていた?」
「もちろん、吾は予言者であるからして、マスコットがお年玉のためにやってくることくらい知っていたヨ」
「ナンナもマスコットしゃんたちに会えるの、楽しみにちてまちた」
「おお、ナンナはいい子じゃのう。頭をなでてやろう」
「えへへ」
「本題。話が早くて助かる。では。さっそく。お年玉を……」
「ありがとうでち! ナンナ、精一杯良い子にちてまちた!」
「ん?」
「お年玉は、目上のものが良い子にお小遣いを上げる風習だと知っているヨ。ちなみに、吾も頑張ってここまで旅してきたヨ」
「予感。もしかしてこの場合。私たちが。目上の者。ということ?」
「え……ナンナ、お小遣いもらえないんでちか? 良い子じゃありまちぇんでちたか?」
「い、いやいや、ナンナは良い子じゃぞ! ヘルモーズは……まあ、悪い子ではないな、年齢はいくつかわからんが」
「嘆息。まさか。こんな展開が。あるとは。思わなかったけれど。仕方ない」
「うぬぬ……ヴァーリからもらった現ナマを、こんな形で手放すことになろうとは。ほりゃ、ありがたく貰うのじゃぞ!」
「うわあい、これでしばらくしっかり御飯が食べられるヨ~!」
「ナンナも、ママにあたらちい手袋を買ってあげられまちゅ!」
「ぬおお、純真な姿が眩しすぎるのじゃ……」
「反省。私たちは。ちょっとだけ心が汚れてしまっていた。かもしれない」
「では、吾はまた流浪の旅に戻るヨ。予言では、また近いうちに再会できるはずだけれどね」
「……じゃ、わしらも次に行こうかの」
「ではナンナもおうちに帰りまちゅ! お日様が沈む前に帰らないと、ママに怒られちゃいまちゅ」
「うむ、気を付けて帰るのじゃぞー」

 

「色々回った結果、種モミだけとはのう」
「残念。とはいえ。子供には優しくしなければ。ならない」
「子供といっても、あやつらはきちんと成人しておるのじゃがのう」

ノルン「お久しぶりです、楓様にルナ様」
ロキ「やれやれ、久しぶりに顔を見せたかと思えば、随分と暗い顔をしてるじゃないか」
「おお、ノルンにロキ先生じゃな! ロキ先生は相変わらずやれやれ系じゃな!」
「再会。ロキ先生は。相変わらず小さい」
「うるさいぞ、お前ら。それが数年ぶりに再会する相手への態度か」
「お二人とも。ロキ様は早い時間からここで待っていたんですよ? 『VBR講座』で受け持った教え子たちが来るのを予見して」
「黙れノルン、俺はただ外の空気を吸っていただけだ」
「わかっておるぞ、ロキ先生はツンデレなだけで、わしら教え子のことが大好きなのじゃろ?」
「当然。ロキ先生は。講座もそうだし。ハロウィンのお菓子も。お年玉も。いいものをくれた。とても感謝している」
「お前たちは口を開けばお菓子だお年玉だと、俺の教え子の中では断トツで問題児だな」
「ロキ様、そう言いながらも、今回も準備していらっしゃるんですよね? お年玉」
「おお、ロキ先生に後光が見えるのじゃ!」
「感動。会うたびにお小遣いをくれる。お爺ちゃんのような。やさしさ」
「お前らな……はぁ、まあいい。こいつらにいちいち説教していたら時間がいくらあっても足りない。ほら、手を出せ」
「ほい」
「右手」
「ぽち袋……というのだろう? きちんとお前らの国で使える金を入れてある。ここで開けるんじゃないぞ?」
「ロキ様はこのために、スサノオ様に依頼して準備していらしたんですよ」
「わしゃ嬉しさで涙が出てきそうじゃ」
「感動。VB世界は。倫理観が狂っている奇人しかいないと思っていたけれど。私は考えを改める」
「マスコットがそんな認識を持っていたのか……」
「あながち間違いではないですけれどね」

「さて、お前たちに一つ、話がある」
「お、なんじゃ? また新しいVBR講座か?」
「そこまでのものではない。が、この世界の真相に近づくならば、知っておいて損はない情報だ」
「真相。もしかして。重要な。お話?」
「この世界には、お前たちが知らない重要人物があと一人いる。そいつは……いや、俺が言うより直接会ったほうが早いかもしれんな」
「ほほう? わしはこれでもVBR講座を最後まで聞いておるから、この世界には詳しいと思うのじゃがのう」
「疑問。私たちが知らない人物とは。一体。誰の事?」
「それは自分の目で確かめてみろ。この地図の場所に行けば、そこに居るはずだ」
「うむ、ロキ先生がそこまで言うならば会ってみるとするか! さっそく行くぞ、ルナよ」
「了解。では。教えてくれた場所に。転移」

 

「さて、ロキ先生が言っていたのはこの辺りのはずじゃが」
ヴィザール「私に何か用かしら? その気配、ただの獣人じゃないわね。どちらかというと神に近いようだけど……」
「おぉ、さてはおぬしが目当ての人物じゃな」
「発見。左右で違う色の瞳。シンパシーを感じる」
「この瞳は生まれつきよ。おかげで普通の人とは違う運命に振り回される羽目になったし、あまりいい思い出はないけどね」
「運命。そういえば。オーディンも。似た瞳をしていた」
「あの人のことを知っているの? あなた達、何者? 一体どこから来たの?」
「そう警戒しないでほしいのじゃ。わしらはお年玉を貰いにはるばるアースガルズにやってきただけで、怪しい者ではないのじゃ」
「はぁ、それで信用すると思っているのかしら? まあ敵意は感じないけど、そのお年玉というのは?」
「祝儀。新年の挨拶代わりの。お小遣いのようなもの」
「それをわざわざ初対面である私にせびりに来たと?」
「うむ、そういう言い方じゃと、わしらががめついようでアレじゃが」
「祈願。お年玉をくれれば。ご利益マシマシ。お互いにとっていいこと」
「おお、珍しく良いことを言ったのう、ルナ。今なら特別サービスでありがたーいご利益と交換なのじゃ」
「ご利益……神の恩寵ということ? ますます変わっているのね。私の知っている神族は、私に流れる魔族の血を目の仇にしているのに」
「相違。私達は。アースガルズの神族とは違う」
「どうやらそのようね。いいわ、お年玉だったかしら? そこまで言うなら二人にあげるのもやぶさかではないわ」
「ほう、よいのか? さすがにダメ元だったんじゃが」
「えぇ、これも運命……巡り合わせだというなら、この出会いにも何か意味があるかもしれないもの」
「良縁。今後に期待」
「ええ、そういうわけでほら」
「むっ、この光る石……おぬしの瞳と同じ色じゃの。この宝石をくれるというのか?」
「宝石というより原石ね。まだ研磨もしていない、採掘してきたばかりの欠片……これがこれからどんな輝きを放つか、それで運命を占うのも一興でしょう」
「なにやら謎めいているのう。確かにおぬしとはまた会う気がしてきたのじゃ」
「私の名はヴィザールよ。今はまだ月に潜みし影。いつか表舞台に立つ日が来るといいのだけどね」
「期待。近い将来。きっと活躍している気がする」
「同感なのじゃ。それじゃお年玉を貰ったことだし、わしらは退散するかのう。また逢う日まで達者での、ヴィザール」
「ええ、それではね」

 

「帰還」
「今日は最後に不思議な出会いがあったのう。はてさて、この光る石、どうするのが良いんじゃろ」
「原石。研磨すればきれいな宝石に。なるのではなかろうか」
「運命を占うなんて言っておったが、なんにせよ今日明日でできる感じではなさそうじゃな。いつかまた、ヴィザールに出会う日があれば問いただすとするか」
おにー「おう、お前ら居ないと思ったらどこをほっつき歩いてたんだよ。なんか面白そうな石持ってるじゃん、どこで拾ったのそれ?」
「驚愕。鏡開きも終わったというのに。まだ。鏡餅が残っていた様子」
「はて、割りそこねがあったのかのう? せっかくだし、ちょいと木槌で叩いて、割れたら雑煮の具にでもするかのう」
「誰が鏡餅だ誰が。こちとら泣く子も黙るおにーだよ? 木槌で割ったら普通にもしポリ案件だよ?」
「確認。いわれてみれば。お餅と見せかけただけの。九尾の代表。おにかげようじこと。おにーだった」
「なんじゃい、おにーは毎年毎年この時期は紛らわしいのう。もう少しでカチ割って鍋で煮込むところだったのじゃ」
「こえーよ! せめて本当に餅かどうか確認してから木槌を取り出せよ! もう何なのこのマスコットーズ。怖すぎだろガクブル……」
「交渉。木槌で叩かれたくなければ。おとなしく。お年玉を。出すとよい」
「普通に脅迫だよねそれ?!」
「冗談」
「マスコットジョークじゃ」
「笑えないからジョークの方向性は変えたほうがいいね、うん」
「質問。いつものパターンだと。ここでおにーが。何かしらのお知らせごとを。紹介する展開だけれど。今日は。どうするの?」
「そういう台本があるみたいな言い方はやめなさい。お知らせといえば、当然『VenusBlood RAGNAROK international』のKS開催決定っていうニュースがあるよ!」
「それは今日とっくに紹介してあるのじゃ」
「有能。私たちマスコットが。その大ニュースを。忘れるわけがない」
「そうかー。じゃあ、そのVBRIで追加されたキャラクター『ヴィザール』って子がいるんだが」
「会ったのじゃ」
「既知。私たちは。すでにヴィザールとは。また遊ぶ約束をしている。マブダチのようなもの。宝石も貰った」
「そうなの?! お前ら今日は有能すぎんだろ。じゃあ、キックスターター開始にあわせて、あんなグッズこんなグッズが……って言っても、さすがにこれは勝手にここで発表しちゃうわけにもいかんか」
「なんでじゃ? 情報があるならここで全て垂れ流すべきだと思うのじゃ!」
「いやいや、一応ね? 業者さんと話し合ったり、作業者のスケジュールを交渉したり、色々やって確定させないとマズイのよ。大人の都合なわけよ」
「残念。ならば。グッズを。勝手に妄想しておこう」
「わしとルナが華々しくポーズをとったタペストリーとか、わしの肖像画のキャンバスアートとか、色々あるに違いない」
「ん? お前らのもみまくら作る? おっぱいサイズ測るか?」
「拒否。健全なマスコットに。なんてことを言うのか」
「わしらほどぴゅあーなマスコットなど滅多におらんと言うのに、おにーは心が薄汚れておるのう」
「辛辣ぅ。お前らそんなに言うなら、もう雑煮作ってやらんぞ。今日はせっかくいいだし汁が作れたってのに」
「いやあ、やっぱりおにーは有能じゃのう! トイレ掃除もできるし、社長業もしっかりやっておるし、なにより料理が作れるのじゃ!」
「雑煮。おにーの料理は天下一品。やはり心がきれいな人は。料理がうまいのだろう」
「手のひらくるっくるじゃねえか! まあいいか、あっちで準備してっから、ちゃんとうがい手洗いしっかりやってから食卓に来るんだぞ」
「了解。帰宅直後の。うがいと。手洗いは。大切」
「しっかりと石鹸で指先から手首まで丹念に洗わねばな。では、空気が乾燥して風邪をひきやすい季節じゃから、ユーザー諸君もうがい手洗い、そして加湿で念入りに風邪予防をしておくのじゃぞ! でわの!!」