いきなりだが、今日でこのコラムは最終回だ。
なんじゃと!? ついこないだ『たかだか19回やそこらの講座で語りつくせるほど底の浅いゲームではないぞ』とかドヤ顔しておったではないか!?
講座。まだ。ご当地グルメの講座も。聞いていないというのに。
ああ。俺としても、お前たちにはこの講座でもっと色々と叩き込みたいところだったが……残念だが、時が満ちたようだ。
時が満ちたとかなんとか、なんかまた遠い目をして意味深な台詞を言い出したのじゃ。
残念。では。今日は。最後の講座ということか。一体。今日は。何を?
今日は、おそらく俺以上にこのゲームを把握している連中に話を聞いてきた。
え~と、なになに? 各スタッフの思い入れのあるユニット紹介……とあるのじゃ。
紹介。思い入れとは。どのようなものだろうか。さっそく。見てみよう。
まずは、原画のゲンタにトシぞ~、CGのトラじゃな。
クク……炎霊師団、蟲師団、死霊師団、それなりに考えて師団を作ってはいるようだな。
補足。どうやら。基本的には。1週目で。仲間にできる程度の。ユニットから。チョイスされているとの。こと。
制作の総合指揮のけ~まる、社長兼雑用係のおにーこと鬼影姚二、そしてプログラム担当のミスターNじゃな。
ふむ、なかなかのチョイスと言いたいところだが……。三人目のこれはどういうことだ。
煩悩。やはり。可愛いということは。何より重要。なのだろう。
本職はライターじゃが、VBRでは製作ヘルプだったオガタカとモセアギ、それとアートディレクターのツギノミヤじゃ。
標的後逸に女性特攻、各種結界か。なかなかの目の付け所と言えるな。
文章。見たところ。三名とも。見た目も込みで。思い入れがある様子。一部。理解に苦しむ。
三人とも、今回のVBRでシナリオを書いていたシナリオライターじゃ。イルカとみぃ。は最終的にはデータ作成の補佐もしておったが。
ほう、さすがにゲームの底まで知っているだけのことはあるな。なかなかの拘りようじゃないか。
石像。ストーンフォートレスの。エピソード。このような逸話が。脳内設定に。あったとは。なかなか。底が深い。
以上がスタッフの思い入れのあるユニットじゃな。どいつもこいつも、趣味がにじみ出ておったのう。
質問。ロキ先生ならば。思い入れがあるユニットとして。誰を。選ぶ?
もちろん自分……と言いたいところだが、やはり聖樹の巫女、ノルンだな。奴の張る結界には、何度救われたことかわからん。
ふ~ん。
推測。ロキ先生は。なにやら。ノルンに。思うところが。あるようだけれど。
ふん、くだらん詮索だ。底が知れるぞ。
いまさらわしらが底を見切られても何も困りゃせんのじゃが、まあよいか。しかし、もうロキ先生の授業も終ってしまうのう……。
残念。勉強は好きではなかったけれど。お別れは。さびしい。
お別れ? 何を言っているんだ。コラムのコーナーは終了だが、貴様らがアースガルズまで来ればよいだけの話だろう。そのときは、いくらでも授業を聞かせてやるぞ。
その手があったのじゃ!! ……とはいえ、せっかくアースガルズまで行くのなら、授業よりも観光が嬉しいのじゃが。
観光。ならば。今度こそ。アースガルズの。名産を。教えてもらいに行こう。
やれやれ……最後の最後まで食い物とは、本当に手のかかる教え子たちだな。
すごいのう、このコラムはとうとう20回目じゃ!
記念。せっかくだから。何か。記念写真でも撮っておこう。
たかだか20回で何を大騒ぎしているんだお前たちは。さっさと今日の講義を始めるぞ。
ロキ先生は相変わらずクールじゃのう。
講座。今日は。いったい。何を教えてくれるのか。
今日はこれだ。加護属性と、地形効果について。
相変わらずのコボルド族の兵法の書じゃな。
疑念。最近。少年軍師ロキが講義するコーナーではなく。少年軍師ロキがもってきた。兵法の書を眺めるコーナーに。なりつつある。
別に俺が講義しようが兵法の書で覚えようが、結果的にお前たちが把握できるのならどちらでも良い。
相変わらずクールじゃのう。では、さっそく見てみるのじゃ。
加護。私なら闇。楓なら火の。月が。得意な加護属性月ということになる。
ついでに言うと俺も火属性だ。火の月に一番力を発揮することができる。
ほほう、こんなところでロキ先生とお揃いとは、なんだか嬉しいのう。
計画。2人を一網打尽にするには。水の月が良い……。メモ。
くくく……マスコットとはいえさすがは魔族。抜け目がないな。
ルナは何故わしを亡き者にする計画をたてているんじゃ……。
さて、そして地形効果だ。これは実際のゲームで、各拠点を選んでみればわかるだろう。
ヴァルハラ宮殿といえば、その昔は主神オーディンが飛び回っていた場所じゃのう。
意外。オーディンが飛び回っていた場所なのに。飛行ユニットに。マイナスが大きいとは。
まあ、500年もたてば、同じ場所とて条件は変わってくるものだ。そもそもあの頃は空の上だったしな……。
おや、ロキ先生が遠い目をしておるのう。
終了。どうやら。物思いにふけっているようなので。今日の授業は。これまでと。しておこう。
さてお前ら、本日の講座をはじめるぞ。準備はいいか?
授業。今回は。何を教えて貰えるのだろうか。
のうロキ先生。そろそろ難しい話は終えて、アーガルズ皇国の美味しい食べ物とかの講座にならんのか?
残念だが、『VenusBlood -RAGNAROK-』はたかだか19回やそこらの講座で語りつくせるほど底の浅いゲームではないぞ。
授業。まだまだ。ロキ先生は。教える気満々。
いやはや、ロキ先生は元気じゃったのう。今日はいったい何なのじゃ?
以前の研究や称号の講座でも軽く触れていた『メダリオン』について説明しようと思う。
資料。もはやお馴染み。コボルド族の。兵法の書を。見てみよう。
ほっほー、メダリオンが六つも紹介されておるのう。緑色とか水色とか、カラフルで綺麗じゃな。
メダリオンはランクごとに色が違っているからな。ランクの高いメダリオンは、見た目もなかなか綺麗なものだぞ。
資源。ランクの高い。メダリオンは。作るのにも。相当な。霊素資源を消費するという噂が。
やはりランクが高いメダリオンは、作るのも大変なんじゃのう。
上の兵法の書にもあるが、メダリオンを製作するにはその素材となる『無のメダリオン』が必要だが、今作では金と鉱石さえあればそれを入手することができる。
勲章。銀鉱石と。金貨さえあれば。メダリオンがいくらでも。入手可能ということか。
そのうえ、霊素資源も一緒に使えば、黄金の勲章でメダリオンが8つも入手可能なわけじゃな!
ああ。しかし、金は霊素はともかく、銀鉱石はいくらでも沸いて出てくるわけではないがな。
知っておるぞ! コラムの第十五回で説明されていた『撃破金運』が重要になるのじゃろ!
金運。勲章に必要な。銀鉱石は。撃破金運3で。入手可能だったはず。
その通りだ。まあ、撃破金運3程度なら序盤のユニットにゴロゴロいるから、意図的に狙わなくても気づけば拾っているだろうがな。
ううむ、撃破金運は高ければいいというわけでもないんじゃのう……。複雑な気分じゃ。
さて、今週の授業をはじめるぞ。
お、いきなり授業開始とは、やる気満々じゃな!
授業。今日は。いったい。何について。教えてくれるというのか。
今日は『研究』について触れておこうと思う。今作では、ユニットを雇用するには研究が必要だ。研究と言っても、さほど難しいことはないがな。
ふむふむ……。では、まずは資料を見てみるのじゃ。
画像。これが。研究画面? なにやら。ゴブリンの並んだ。窓が。1つあるだけ。
これはあくまで亜人・魔獣カテゴリの研究画面だが、他の種族も似たようなものだ。最初は1つめの枠だけが開いている。
ここで何をどうするのじゃ?
この枠をクリックすれば良いだけだ。そうすればゴブリンスミスを雇うことができる。
雇用。ゴブリンスミスの顔が明るくなっている。さらに。周囲の枠も。開かれているけれど。これは一体?
各枠の一人目を研究すれば、その周囲の枠もオープンされるという仕組みだ。これを繰り返し、二人目のゴブリンを雇うもよし、下のコボルド共や、右の獣共を雇うもよし。
なるほどのう。じゃあ、精霊カテゴリとか、悪魔カテゴリでも同じような感じで枠が広がっていくわけじゃな!
もちろん、ユニットを雇用するためには、メダリオンや設定された素材が必要になる。好き放題雇っていくというわけにもいかんがな。
把握。研究は。クリックするだけ。実に簡単。
じゃあ、簡単ついでに、最初はどのユニットをクリックしたら強いんじゃ?
選択。確かに。好きなユニットと言われても。最初は。強いユニットを。選びたい。
やれやれ……マスコット共の底が知れるな。仕方ない、適当に見繕ってやるか。
簡単に、2クリック程度で雇用できる連中から選んでやったぞ。
ふむふむ、こいつらが最初の頼りになる仲間というわけじゃな。
説明。どこら辺が。おすすめなのか。教えてほしい。
そうだな。まず造魔からガーゴイル。最序盤に雇えるガーダーとしては、なかなかの能力だ。ヴァーリの近衛兵には夜種族が多く、そいつらと合わせられる夜種族のガーダーというのもポイントだな。
何やらガーダー向けのスキルも揃っていて、安定しておるな。
蟲族からランドクロウラー。序盤から、扇形攻撃や複数異常など、敵師団に多くの被害を撒き散らす能力が備わっている。
成程。よくみたら。女に対する特攻も。ついている。頼りになるかもしれない。
そして同じく、蟲族から触手だ。例のごとく、この世界の女どもは触手に弱い。敵軍の女ユニットは、触手に蹂躙される運命からは逃れられん。
特攻に女が二つもあるのう……。
次はこいつらだ。悪魔種族のレプラコーンは、強さ的にはたいしたことはないのだが、こいつが一人師団にいるだけで様々な鉱石が手に入るのは大きな利点だ。
確かに、撃破金運をたくさん持っておるな。
シーア。人間もなかなか侮れん。こいつの師団弱体や師団活性は、両軍勢ともか弱い再序盤にこそ輝くといっても良いだろう。
数値。確かに。最序盤に。14の弱体や。活性は。大きい。
そしてソードマン。特別光るものがあるわけではないが、多段攻撃や夜戦適応、低レベルとはいえ撃破金運など、基本的なポイントは揃っているため、ゴブリンや剣兵などとは違い、安定したアタッカーとして使える。
なるほど! 確かに、ちょい地味ではあるが、言われてみれば普通に便利そうじゃな。
と、まあ。あくまでクリック2回で雇える程度のユニットではあるが、そんなところだな。
種類。ユニットは。総数。数百も。あるのだったか。
最初の数体でこれだけいるのに、数百も居たら組み合わせ無限大というやつじゃな。
くく……見た目で選ぶもよし、自分だけの組み合わせを見つけるもよし。どのユニットを選ぶかも腕の見せ所だな。
コラムもすでに17回目じゃな。
長期。さすがに。もう。新鮮味が。なくなってきた。
……。
たまにはロキ先生以外の、もちっと華のある講師にも来て欲しいのう。
女性。リンデとか。ヒルデとか。いっそ。ナンナでもいい。
華のない講師で悪かったな。
ぎゃっ
気配。いつのまに。来ていたのか
くはは……。お前たちもまだまだだな、この程度の気配も読めんとは。まあいい、さっそくだが今日の資料だ。
ふむ、コボルドフェンサーじゃな。レベルが12に育っておるのじゃ。
戦績。撃破数7と。それなりに。修羅場を。くぐってきた形跡がある。士気330。武勲28。よく分からないけれど。強いのだろうか。
いいところに目をつけたな。その戦績にある『武勲』というものを説明しようと思う。
ふむ、武勲とは一体どんなものなのじゃ?
結論から言ってしまうと、戦闘に参加することで上昇していく数値だ。これを消費することによって、『称号』や『レベル上限解放』を行うことができる。
称号。いわゆる。『どっしりとした重い楓』とか。そういう二つ名のこと?
ああ。過去作にさわったことがあるならば分かるだろうが、VBシリーズではユニットに二つ名をつけることで能力を上昇させることが出来る。
ほほう、これがVBRの称号設定画面じゃな!?
VBRでは今までと違い、雇い直しや産みなおしという概念がないため、自軍のユニットにはいつでも称号をつけることが可能だ。しかし、それには先ほどの武勲が必要となる。
画像。接頭語に。技のメダリオンから。『素早い』。接尾に。邪鬼のメダリオンから。『ダイナミック』という。言葉が。選ばれている。
素早いダイナミックコボルドフェンサーじゃな!
これが素早いダイナミックコボルドフェンサーだ。称号によりパラメータが増減し、さらには『速度布陣』と『全力攻撃』のスキルが増えているのが解るな?
さっきよりも強くなっておるのじゃ。そして武勲は2、減っておるのう。
武勲。称号をつけるのに。2の消費があった模様。
ランクの低いメダリオンの称号ならば、その程度の消費で可能だ。が、高ランクの称号をつけたいのならば、それ相応の武勲が必要となるかもしれんな。
なるほどのう……。武勲は、称号をつけるのに必要、と。
質問。称号と別に。先ほど。『レベル上限解放』という言葉を。口走らなかったか。
ん? ああ、あれか。なに、たいしたことではない。レベルが上限に達したとき、武勲を消費することによってさらに高みに上ることが出来るだけだ。ランクCのユニットならC+、さらにはC++。
なんと?! となると、相当なパワーアップが見込めそうじゃのう。
質問。Cが。C++になると。レベル上限が。上がる以外に。変化とかは?
変化、か。ランクCではつけられないはずの高ランク称号も付与できるようになるそうだが、その程度だな。
さらっとすごいことを口走っておるぞ!?
重要。どうやら。武勲は。きっちりためていくと。良いことがありそう
いやはや、最近は寒くなってきたのう。
軟弱な。このくらいの気候で根をあげていては、アースガルズでの戦についていけないぞ。
いやいや、わしらは別に戦に参加したいわけではないのじゃが……。
授業。私たちが。戦に出るかどうかは。別として。今日は。いよいよ。『アシストスキル』について。聞きたいと思う。
やれやれ……。まあいい、では『アシストスキル』についての授業だが。まずはこれを見てもらおうか。
ふむふむ、何人かのユニットのパラメータじゃな?
一覧。所有している。スキルが。沢山ある。
今回注目すべきは、『アシストスキル』という項目だな。どんなものが書いてある?
ええと、『必殺増加A』とか『竜鱗守護C』とか……。お、『トレハンR』や『撃破金運R』もあるではないか!
そう。それが『アシストスキル』だ。各師団の、リーダーが持っている『アシストスキル』が、そのままその師団の持つ『アシストスキル』となる。
疑問。AとかCとか。アルファベットは一体。なんなのか。
あと、どこでどうやったらスキルを使えるんじゃ?
質問は順番にしろ。……まあ、そうだな。まずは、使い方を説明するか。
ここはSLGマップか? どうやらロキ先生率いる第2師団が、敵に戦闘を挑むところのようじゃ。
まずは右上を見てもらおうか。出撃となっている俺の師団のほかに、3つの師団があるだろう? 今回はそのうち第一師団にアシストしてもらう
表記。必殺増加Aが。明るく光っている。
明るく光っているのは『アシストスキル』の使用指示が出ているということだ。では。このまま戦闘に入るぞ。
おお! 第一師団の『アシストスキル』が発動したのじゃ!!
強力。他の師団が。協力してくれるならば。戦闘が。相当。楽になりそう。
じゃあ、常に必殺増加とか防御布陣とか、トレハンとか、撃破金運とか、色々アシストしてもらえば良いのではないか?!
残念だが、そういうわけにはいかない。
質問。残念とは。どういうこと?
これを見ろ。黄色い枠で示されているのは各師団の持つフォースゲージだが、先ほどの第一師団のゲージが減っているだろう?
ありゃ? 本当じゃ。もしかして、『アシストスキル』を使うにはフォースゲージが必要なのか?
そう。一度のアシストにフォースを100消費するために、どの戦闘もアシストをするというわけにはいかない。さらに……。
疑問。さらに。他にも何か?
先ほど、AとかCとかのアルファベットについて質問があったが、実は同じアルファベットのスキルは、同時発動はできなくなっている。
ふぇ~
思案。となると。防御布陣Bと攻撃布陣Bや。トレハンRと撃破金運Rは。同時には使用できない。ということ?
理解が早くて助かる。つまりは、アシストスキルはそこまで万能ではないということだ。
ほぇ~……まあしかし、使いようによっては強力なのは確かじゃな。
あと、これはコボルドフェンサーが持ってきてくれたものだが、どうやら最新の兵法の書のようだ。目を通しておくのも良いかもな。
必読。今回は。これを見て。終了ということにしよう。
いよいよ15回目じゃな。
驚愕。数回程度の。気軽なコーナーかと思ったら。まさか。これほどの。長期連載に。なろうとは。
ロキ先生も意外と暇なのかもしれんのう。
……わざわざ俺が時間を割いて色々と教えてやっているというのに、無礼な連中だ。
ぬおぉ!? ロキ先生、いつの間に来ていたのじゃ!?
背後。気配もなく。忍び寄る。さすが。ロキ先生。
くだらない話はそれくらいにして、今日も兵法の書を持ってきた。さっそく見ていくぞ。
ふむ、では一枚目からじゃ。
少し前に、ガードのシステムについて教えたが、この『奇襲攻撃』は、その相手のガードを総崩れさせることができるスキルだ。
隊列。ガーダーは。1番に配置していると。全ての味方を。ガードしてくれる。効果があったけれど。奇襲をうけると。その隊列が。ずらされてしまうということ?
この絵では1番に配置された辺境盾兵が、奇襲を受けて5番に移動してしまっておるのう。
そう。まずは敵軍を崩したければ、奇襲からだ。戦の基本だな。
質問。奇襲を受けたくない場合は。どのように対処をすれば。良い?
いい質問だ。『奇襲攻撃』への対策としては、『奇襲警戒』というスキルがある。これは単純に、警戒のスキル値分だけ、敵師団の奇襲のスキル値を打ち消す効果があるスキルだ。
右のページも見てみるのじゃ。ええと、継続ダメージと開幕ダメージ、とあるな。
説明の通りだが、継続ダメージスキルは毎ラウンドの終了時に敵にダメージを与えるスキルだ。
砲弾。こちらは。開幕時にダメージを与えるスキル。
どちらもなかなか強烈そうじゃのう。
トレジャーハントのスキルと、金運を授けるスキル、か。この2つは、俺よりお前たちのほうが詳しいんじゃないか……?
わはは、その通り。わしらは2人とも、なかなか高レベルのトレハンと撃破金運を持っておるのじゃ!
金運。私たちを師団に入れておけば。良いアイテムも入手できるし。お金も沢山入ってくる。さすがは。マスコット。
ガメツそうなユニット……か。成程な。
一応豆知識としては……そうじゃな。撃破金運は、あくまで鉱石を拾う可能性が増えるだけで、確定で鉱石を拾えるわけではないので注意じゃな。
鉱石。高ランクの石になればなるほど。確率も下がっていくので。そこは。気合。あるのみ。
トレハンに注意点はないのか?
トレハンの注意点のう。そうじゃな、トレハンは師団の合計値が高ければ高いほど効果があがるのじゃが、だからといってトレハンユニットばかり集めるのは考えものじゃ。
戦闘。戦闘力の低い。トレハンユニットばかり。そろえて。結果的に。敵に。勝てなくなってしまうというのは。よくある話。
そうなのじゃ。せめて、戦闘は強い連中に任せて、わしらは外からトレハンだけしていて良いというのなら楽なのじゃが……。
ククク……。
不穏。ロキ先生が。悪そうな。笑い方をしている。
いや、すまん。お前達のその願い、もしかしたら叶うかもしれんぞ。
なんと!? まさか、噂に聞いた、『アシストスキル』とか言うもののことじゃな!?
それはだな……と、言いたいところだが。時間が差し迫っている。今回の授業はここまでだ。
期待。次回あたりは。いよいよ。新しいシステムについて。教えてもらえる。予感。
さて、今日の授業を始めるぞ。
お、いきなり登場じゃな!
授業。今日は。どのような。内容の。授業を?
こないだはSLG戦闘での、ガードに関するスキルの話じゃったが、今日もSLG戦闘の話かのう?
その通り。前回がガードだったので、今回は攻撃のスキルについて書かれている兵法の書を持ってきた。
攻撃。具体的には。どのようなものだろうか。
さっそく最初のページを見てみようかのう。
状態異常を付与する攻撃だ。戦乱を生き抜くためにはただ殴るだけではなく、様々な絡めてを使いこなす必要がある。
異常。毒や。麻痺は。もとより。呪いとか。封印とか。改めてみると。色々とある。
呪いに、封印に、解除に……本当じゃな。結構バリエーション豊かなのじゃ。
これでも載っているのは基本的なものだけだぞ。強者のなかには、一撃で様々な状態異常を付与する奴もいる。そのような敵を相手にするとき、何の対策もしていなければ、敗北必至だ。
対策。ここには載っていないけれど。状態異常を防ぐ。スキルなども。いくつかあるのだったか。
確か、スキルのみならず、たとえば毒攻撃ならば『毒種族』や『死種族』には効果がないとか、『神種族』には呪いが効果がないとか、種族による耐性とかもあったはずじゃぞ。
逆に、そのような耐性を貫いて、強制的に状態異常を付与するスキルなどもある。ヴァーリも、状態異常には手を焼くことだろうな。
これは、どうやら攻撃の手数を増やしたりするスキルの紹介ページのようじゃな。
左頁。この二つは。過去作でも。活躍した。一度にたくさんの敵に。攻撃できるスキル。
『貫通攻撃』や『扇形攻撃』は、所持しているだけで殲滅力が大幅に上昇する。集団戦をする上では是非とも持っておきたいスキルだ。
右側の2つはどうなんじゃ? 『確率追撃』も『多段攻撃』も、前作までには無かったスキルのようじゃが。
追撃。見たところ。前作までにあった。『追加攻撃』に。似ている気がする。
『確率追撃』は、確率で追撃……すなわち、スキル値%で追加攻撃を発生させるというスキルだ。まあ、『追加攻撃』と同じようなものだと考えても構わんだろう。
ふ~ん。
質問。ならば。下の。多段攻撃は?
こちらは、素早い剣さばきや特殊な攻撃技術により、一度の攻撃で幾つかの手傷を負わすことができるスキルだ。
なるほど。あくまでこちらは、攻撃回数としては1回なわけじゃな!
性能。ダメージが上昇する上に。敵に回避されにくくなる。このスキルも。確率追撃と同じく。頼りになりそう。
くくく……。その頼りになるスキルが、それぞれ組み合わさったとき、どうなると思う?
組み合わさったとき? ……そうか! 基本の多段攻撃だけでも強いのに、さらに追撃のも多段攻撃になるわけじゃな!? 実に強力ではないか!!
そうだ。この2つに限ったことではないが、スキルというものは1つで完結するものではない。様々な効果のスキルどうしが組み合わさったときにこそ、その真価が発揮されるようになっている。
成程。スキルは。組み合わせて。真の力を発揮する。奥が深い。
なんか、珍しくロキ先生からすごく良いことを教えられた気がするのじゃ。さすがは少年軍師じゃな!
やれやれ……調子のいいマスコットどもだ。
開始。今週も。ロキ先生の。授業の時間がきた。
コラムも気づけば13回目じゃな。今回は一体何の授業なんじゃろうか?
授業内容だが……前回まではキャラクターや近衛兵の紹介が主だったが、今回からは戦略SLG部分に焦点をあててみたいと思う。
SLG部分とな?! では、さっそく今回から新登場の『アシストスキル』やら『軍事研究』やらを教えてくれるのか?
落ち着け。何事も、まずは基礎からだ。今回は、『ガード』に関わるスキルの説明をしようと思う。
基礎。確かに。師団同士で戦うゲームは数あれど。VBシリーズの。ガードシステムは。やや癖が強い。
ああ。と、その前に。まずはVBの戦闘の簡単な説明からだ。
お馴染み戦闘画面じゃな。最大6人からなる師団同士の、6対6の戦闘画面じゃ。
攻撃。素早いキャラクターから順番に。標的にしている敵ユニットを。ボコスカと。攻撃していく流れ。
上出来だ。様々なスキル効果を抜きにすれば、構造はシンプル。素早い順に、標的を殴りあって、全滅したほうが負けだ。
なんか、それだけの説明だとただの殴り合いみたいじゃな。
標的。打たれ弱そうなユニットから。攻撃を集中させて。各個撃破していくのが。確実かと思われる。
考えることは敵も同じだ。戦闘では敵の弱点となるユニットを叩きつつ、自軍の弱点となるユニットは敵から守らなければならない。
そこで重要になるのが、『ガード』システムじゃな!
俺が説明するよりも、これを見たほうが早い。まずはこれに目を通してもらおうか。
これはコボルド族に伝わる兵法の書だ。ガード効果についてのページと、ガードをすり抜けるスキルの説明だ。
相変わらずコボルド族の兵法の書はイラストつきで解りやすいのう。
理解。これさえ見れば。ロキ先生の授業は。必要ないのでは?
甘く見るな。ここに載っているのはあくまで基本だけだ。実際には、自分の前番号の味方を庇う『前進防御』や、自分への攻撃を後番号の味方に押し付ける『標的後逸』など、ガードひとつとってもまだまだ奥は深い。
お、なんか次のページもあるぞ?
これは、防御を考える上で役に立つ、いくつかのスキルや種族の説明だな。
成程。ガーダーが仲間を庇う上で。防御スキルや。昼夜による防御力の変化は。とても重要。ゲーム中には。昼夜の属性に関する。スキルも。いくつかあったはず。
左ページは攻撃を無効化するスキルか。なんか似たような効果のもので『矮小体躯』だか『巨大体躯』だかというものもあったじゃろ。
『矮小体躯』は小柄な身体を活かし、通常攻撃・遠隔攻撃とも避けることが出来るスキルだな。ただし、攻撃を喰らった場合はダメージが大きくなってしまう。『巨大体躯』は、被ダメージや味方からの回復、全ての数値を減少させるスキルだ。
大変。覚えるものが。沢山ある。
他にも、『無形体躯』なんていうものもあるが……まあ、いい。こういうものは一度にたくさん覚えるものじゃないからな。今後、おいおい覚えていけば良いだろう。
それもそうじゃのう。今度また、おいおいロキ先生に教えて貰っていくとするかのう。
授業。本日は。ここまで。
お待たせなのじゃ! 今日の授業は、近衛ユニットの紹介の続きじゃったかの?
兵種。残るは。ガーダー。デストロイヤー。ヒーラーの。近衛ユニットと。各兵種の説明。
お前等にしてはちゃんと覚えていたか。よろしい。ではさっそく続きを説明していくか。
ドンと来いじゃ! 最初はどのユニットかのう?
ストーンフォートレス。ガーダーの近衛兵だ。
うぉう、こりゃまさに動く石像ではないか。むちゃくちゃ固くて重そうじゃな!
性能。やはり。この固そうな身体を活かして。壁役をさせられたり。するのだろうか。
ガーダーは、その丈夫な体躯や巨大な盾を駆使して、仲間を守るのが役目だ。具体的には、『防御布陣』というスキルが、まさにガーダーの役目そのものと言っても過言ではない。
知っておるぞ! それを持っているガーダーは、他のユニットに対する攻撃を代わりに受けてくれるのじゃろう?
守護。まさに。ガーダーとは。『防御布陣』を持った。固いユニット。という意味合い。
……まあ、その認識もあながち間違いとは言い切れん、な。『防御布陣』のほか、『パリング』や『特攻防御』のような守備に関わるスキルや、中には『反撃倍加』のような、攻撃をうけた際の反撃に重きをおいたスキルもガーダーの特色ではあるのだが。
それもこれも、全ては『防御布陣』ありきの話なのじゃ!
相性。なお。ガーダーが。殴った場合は。キャスターに。大きなダメージを与えられるという。話。
ボーングラップラー。兵種はデストロイヤーだ。
な、なんだか顔つきがヤバそうなユニットじゃのう。グラップラーというからには、格闘家なんじゃろうか。
記憶。過去作のユニットに。ボーンナイトという。ユニットがいたけれど。雰囲気的には。それと同じ種族なのだろうか。
どうやらこのボーングラップラーは、アンデッド種族のようだな。アンデッドはこのゲーム中においてはそれなりに特殊なんだが……まあ、今はいい。今日はあくまで近衛の顔見せと、兵種の説明だ。
兵種。デストロイヤーという。名前からして。とりあえず。破壊に重きをおいた。攻撃的ユニットということは。予想がつく。
いわれてみると、このボーングラップラーも、なんだか拳で全てを破壊したがっているように見えなくもないのう。
圧倒的な攻撃力とその頑丈な体躯に加えて、敵の横一列をなぎ倒す『扇形攻撃』や、敵の防御ごと叩き割る『カブト割』、必殺の一撃の確率をあげる『必殺増加』など。デストロイヤーは、敵へ大ダメージを与えることに特化した兵種、まさに破壊者と言ったところか。
相性。さらに。敵の守備の要である。ガーダーに大ダメージを。与えられるという。特典付き。
な、なんじゃ……。もう、勝つためにはデストロイヤーを揃えてしまうのが手っ取り速いではないか!?
こういうのもなんだが、確かにそれもまた1つの戦略かもしれんな。とはいえ、デストロイヤーの速度の遅さや、運用する上でのコストの高さもまた、無視できないものがある。
難解。破壊力だけでは。師団はうまく。回らないということか。
エンプーサ。今作より追加された兵種、ヒーラーだ。
ううむ、ヒーラーっていうと、文字通り回復役の兵種なのかと思っておったのじゃが……。
画像。血まみれの刃物を持った。どうみても。危ない人。癒すどころか。切り刻む気しか。無いようにも見える。
何を言っている。もう一度エンプーサの姿をよく見てみろ。身に纏っているのは白衣、その周囲には医療用のメス。どこからどう見ても医者そのものだぞ。
お、おう……。
医療。言われて見れば。彼女は。女医そのものだった。確かに。これならば。周囲の味方も。傷を癒して貰えるに違いない。
言うまでも無いが、ヒーラーの主な仕事は仲間の回復だ。HPの回復はもちろん、様々な状態異常からも師団を守ってくれるだろう。
前作まではキャスターにひとまとめになっておった役割じゃが、今作から区分けされたようじゃな。
特色。やはり。回復や。治療に。特化した兵種。ということ?
代表的な役割としてはその通りだが、回復のみならず、師団に実力以上の力を発揮させる、様々な増強効果もまた、ヒーラーの重要な能力となるだろうな。
ふむふむ、なるほどのう。まだどんな面子が揃っているのかは分からんが、ヒーラーもまた生き残る上では必須の兵種となるかもしれんな。
相性。どうやら。ヒーラーには。兵種特攻というものは。存在しないらしい。攻撃にまわらない。回復役だからだろう。
さて、今回のテーマは前後編と随分長くなってしまったが、兵種の説明としてはこんなところか。何か質問などはあるか?
質問。ロキ先生も。ユニットとして戦うことは。あるの?
お、そうじゃな。ロキ先生は兵種はどこに属するんじゃ?
俺か? 俺はもちろん……いや、それはまだ今語るべきではない、か。時が来れば、自ずと明らかになるだろうな……。
ありゃ、なんか格好よさげなことを呟きながら、そのまま帰っていってしまったぞ……。
先週までは、キャラクター紹介とか、女神の悪堕ちや凶堕ちについて教えてもらったわけじゃが、今回は何の話なんじゃろうな?
予想。そろそろ。アースガルズの。ご当地グルメなどを。教えてくれるのでは。ないか。
残念ながら、今日のテーマはご当地グルメではないぞ。今回は、ヴァーリの手足となり戦っていく、近衛ユニットたちを紹介していこうと思う。
近衛ユニット? というと、物語の開始段階から部下として存在する連中じゃったかな?
500年前の大戦では、覇王ロキの部下としては狼毒の狙撃手ガルムや忠義のメイドであるフェーナが有名だが、勝利の影にはファントムやガロードランサーなどの心強い近衛の力があったという。
言われて見れば、VBFに限らず、VBGやVBHでも初期から居る近衛ユニットというのは戦略の柱じゃったのう。
職業。毎回。1兵種につき1人の近衛ユニットが用意されていたはず。ということは。今回の近衛ユニットは。7キャラクターということ?
ふむ……丁度いい。今回は、近衛ユニットの紹介ついでに、各兵種の解説と洒落込むとするか。
まずはブレイダーの近衛。コボルドフェンサーだ。
毎度お馴染みコボルド族じゃな。語尾が『ワ』というのが特徴的な一族じゃのう。
特徴。見た目からして。いかにもな。コボルド。レイピアの先に。炎がついているけれど。炎の魔法かなにか。使用しているのだろうか。
いわゆる魔法剣士というやつかのう? まあしかし、主な武器はそのレイピアのようじゃな。剣士タイプじゃ!
その通り。ブレイダーは剣や爪などの、近接戦闘を得意とする兵種だ。特徴としては、敵に連続攻撃を叩き込む『追加攻撃』や、敵の攻撃を武器で受け流す『パリング』など、近接武器を活かしたスキルが多い傾向にある。
遠隔攻撃とか範囲の攻撃とかには乏しいが、満遍なく普通に戦えるユニットが揃っているイメージじゃな。
特色。どちらかというと。普通ということ以外に。何か。特徴はないのだろうか?
兵種特攻というものがある。各兵種には、戦う上での得意な相性というものが決まっていて、このブレイダーの場合は、デストロイヤーに対して大きなダメージを与えることができる。
ふーん。
次はルークセントール。槍などを主装とする、ランサーの近衛だ。
馬じゃな。
人馬。過去作に。ケンタウルスという。ユニットがいるけれど。その。類似種族なのだろう。
その通り。セントールとは、ケンタウルスの別名でもある。
脚も速そうじゃ。こやつに槍で突進されたりしたら、槍が体を貫通してしまいそうじゃな。
ランサーの特徴といえば、やはりその貫通力だ。『貫通攻撃』というスキルは、前後2体の敵を同時に貫くことができる。
脅威。後ろのユニットまで。貫かれてしまっては。守りを固めるのが。難しくなってしまう。
他に、ランサーの特徴としては、攻撃力や速度の高さだろうか。ブレイダーほどの手数はないものの、その突進力と機動力で先手を打たれたら、相手師団にとっては相当な痛手になるだろうな。
騎兵に属するユニットも他より多いようじゃな。騎兵隊とか、超格好いいのじゃ!
兵種特攻としては、先ほど紹介したブレイダーに対して大きなダメージを与えることができる。
ブレイダー涙目じゃな。
次はシューターの近衛。ダンピールという。
なにやら色素の薄い顔しておるのう。ダンピールというのは、どういうユニットなんじゃろうな。
名称。ダンピールとは。吸血鬼と。人とのハーフを指す。彼女も。そのような。複雑な身の上なのだろうか?
さあな。ダンピール個人のことは知らんが、その手に持つ銀の矢こそがこのユニットがシューターたる所以なのはわかるな?
さすがに分かるのじゃ。いわゆる、弓矢とか、鉄砲とか、とにかく飛び道具で攻撃するのがシューターじゃな!
射撃。スキル的には。『遠隔攻撃』だろうか。
その通りだ。敵の守りを無視して、直接標的に大して攻撃を飛ばすことができるのが『遠隔攻撃』だ。もちろん、遠隔射撃なので反撃を食らうこともない。また、全体的に速度も高い傾向があるようだな。
なんじゃ、ならばブレイダーやランサーが居なくとも問題ないではないか!
そうとも限らん。攻撃力も近接戦闘ユニットほど高くなく、防御力に至ってはむしろ低い。また、『遠隔攻撃』ならではのデメリットというものもある。過信は禁物だ。
相性。確か。シューターは。ランサーに対して。大ダメージを与えられるのだったか。
ほーん。
こいつはカアスマドモアゼル。キャスターという兵種だ。
外見。なにやら。錫杖を持った。可愛らしい。少女の姿。背後の大蛇は。チャームポイントだろうか。
チャームポイントというには、やや物騒すぎるのじゃが……。見たところ、蛇の眷属の術師といったところかのう?
過去作に、カアスという蛇の眷属のユニットがいただろう。あれの雌だと思えばいい。カアスマドモアゼルは、カアスと同じく、魔術を得意とするユニットのようだな。
雄と雌で外見違いすぎるじゃろ……。
魔術。キャスターは。色々な効果を発揮する。魔法使いの。職業だったか。全体的に。知力も高いユニットが。揃っている。
上で紹介してきた戦闘系兵種と違い、キャスターはその中にも色々なタイプが居る。魔術によるターンエンドダメージがキャスターの代表的な能力ではあるが、他にも敵を特殊な状態異常に陥れるのが得意なもの、戦闘の場に特殊な効果を及ぼし戦闘を有利にするもの等、様々だ。
名言。キャスターを制するものは。VBを制す。
ルナはそういえばキャスターじゃったか……。で、兵種の相性としては、シューターに大ダメージを与えられるという話じゃ。
さて、残るユニットはガーダー、デストロイヤー、ヒーラーの3兵種だが……。今日のところはここまでにするか。
授業。後半の3ユニットは。来週に持ち越し。ということ?
確かに、7キャラ全部語りだしたら今日の授業が相当な長さになってしまうしの。では、今日のところはおひらきじゃな?
いいかお前たち、今回教えたブレイダー、ランサー、シューター、キャスター。それぞれの特色をしっかり頭にたたき込んでおけよ。テストに出すからな。
驚愕。ロキ先生は。私たちにテストを出すつもりだったのか。
追試は嫌なのじゃ! あとでこのコラムをもう一度読み直しておくとするかのう。
講義。突発的に。始まった。このコラムも。いつの間にか。もう10回。
前回は悪堕ちと従属神についてじゃったな。今日は何を教えてくれるんじゃろうか。
そう慌てるな。今日は『凶堕ち』について触れていく。
『凶堕ち』? それは悪堕ちとは違うのか?
似て非なるものだな。従属神となり、主の影響を受けて魂が堕落する悪堕ちとは違い、『凶堕ち』は病といってもいいものだ。
病気。『凶堕ち』とは。女神がかかる。病気なのか。
厳密には女神に限った話ではないが、な。
ふむ? というと?
これを知っている者は限られているが、この世界には神魔ともども食い尽くしかねない、とある病が存在している
症状。それはいったい。どのようなもの?
神族や魔族が力を使うほどに霊格が汚染されてしまい。そして魔力(スートラ)や神力(エスピリト)を枯渇させ、最終的には凶化に至る。この症状は、極秘裏に『フィンブルヴェト症候群』と呼ばれるようになった
凶化。具体的には。どうなってしまうの?
禍々しく歪められた霊格により、心も姿も変貌していき、敵味方の区別なく災いをもたらすようになる。としか、今は言えん
ふむう。ひんぶるべと症候群……、読みにくいが恐ろしい病気じゃのう。
疑問。VBFで語られている。過去の。神魔の戦いでは。そんな症状は。なかったはず。
ああ、実はこの病魔は500年前、浮遊樹大乱以降に発症が確認された奇病でな。最近まで神魔の霊格が封じられていたこともあり、ほとんど研究が進んでいないんだ。一度、罹患してしまえば、できるだけ力を使わないという対処療法しかないのが実情だ。
霊格が封じられているのはこの病気が関係ありそうじゃのう
確認。ブリュンヒルデや。ファナ達。アースガルズの女神達も。発症して。しまうのだろうか。
今のところその兆候はない。が、予断は禁物だろうな。『凶堕ち』した女神はもう取り返しがつかない。
これは裏ルートから入手した、凶女神の姿だ。
むぅ、顔を隠しているのでどこの誰だかわからんが、不吉な気配は伝わってくるのぅ……。
ヴァーリは神魔統一の事業を進める過程で、各地方を攻略していくことになる。だが後回しにした地方の女神は、病魔に冒される可能性が否応なしに上がってしまうだろう。
発病。アースガルズの女神は。ブリュンヒルデ。ファナ。フローラ。ウルル。ナンナの5人。この中の誰かに。発症の危険がある?
もちろん、こちらでも対策は考えている。しかし女神を倒すことばかりに夢中になっているようでは……覚悟した方がいいだろうな。
発症。『凶堕ち』の回避。は進め方次第ということか
ロキ先生の対策を信じるしかないようじゃ……。異変が発生した地方は、話の展開も変わるだろうから、怖いもの見たさの気持ちはあるがのぅ。
凶化。ヴァーリが。変貌した女神を。従えることは。できないのか。
本来の従属神の契約は難しいだろう。しかしヤツの覇道が、混沌へ逸脱した時、もしかしたらその道が示されるかもしれん。そんな事態は避けたいところだが……。
忌避。ロキ先生は。ヴァーリが凶女神を。従えるのに。気が進まない?
当然だ。神魔を束ねるという覇道すら外れてしまうからな。
ふむぅ、ロキ先生がそんな顔をするほど、『凶堕ち』とは危ないものなんじゃな。
最後に、これも裏ルートで入手した凶女神のシルエットを見せてやろう。
画像。何がなんだか。わからないけれど。ただならぬ。禍々しさを。感じる
いいか、女神の変わり果てた姿を拝みたくなければ、進み方には気を付けることだ。変わり果てた姿を拝みたくなければ、な。
微妙に振りのように聞こえるが、きっと気のせいなのじゃ。
再見。今日は。ここまで。
来たな、お前達。今日は趣向を変えて、『従属神』について解説してやるぞ。今作VBRでは、ヴァーリが女神たちを『従属神』にすることが鍵になるからな。
唐突。相変わらず。ロキ先生は。強引。
しかし、『従属神』とな? 人物紹介は前回で終わったから何をやるのかと思ったら、またなんぞ難しいことを言い出したのう。
名称。要するに。ゲームジャンルにもある。『悪堕ち』の。ことなのでは?
『悪堕ち』か。確かに、その名称のほうがシリーズの要素としての通りは良いかもしれん。
要素。現行のVBシリーズには。『悪堕ち』と。『産卵』という。大きく分けて。ふたつの。特色が。ある。
作品によって押し出している要素が違うのじゃな。で、今回のVBRは『悪堕ち』のゲームなのじゃ!
内容。今回は。聖なる存在である女神を。調教で堕落させて。『悪堕ち』させてしまう。という王道コンセプト。
王道というより邪道な気がするのじゃが……。
おい、勝手に話を進めるな。解説しているのは俺だぞ。
おっと失敬。でも、『従属神』とはすなわち『悪堕ち』のことなんじゃろ?
当たらずとも遠からず、だな。『従属神』とは必ずしも、『悪堕ち』を指す言葉ではない。
ふむ? なんかよくわからんのう。結局のところどういうことなんじゃ。
まず、そうだな。百聞は一見に如かず。まずはこれを見てもらおうか。
まずは、お前等の言う、『悪堕ち』というものから説明してやろう
この娘は、確かティルカじゃったな。500年前の物語、VBFで覇王ロキが執心しておった女神じゃ。
比較。言うまでもなく。善のティルカと。悪ティルカ。清純そうな善と比べて。悪の方は。随分雰囲気が。変わっている。
そうじゃな。見た目黒くなって、露出度も増しておる。あだるてぃな微笑を浮かべおって、まさに悪の女幹部みたいじゃぞ。
それは、覇王ロキに魂を染められた結果だ。
魂を染める、とな?
そうだ。本来、女神とは信者から信仰の力を得て、奇跡の御業を振るう存在だ。だが特定の誰かに従属するとなれば、その在り方が変質する。主の支配を受け入れ、その影響と堕落した精神が形になって、姿そのものが変わってしまう。
変身。ティルカの場合。魂まで。覇王ロキに従属し。姿そのものまで。覇王ロキの影響で。変貌したということ?
つまり、この悪の女幹部みたいな姿は、覇王ロキの望んだ姿といえるわけじゃな
高潔な女神を望みのまま蹂躙し、激しい調教の末に屈服、従属させる。ククク……、『悪堕ち』とはよくいったものだ。この魂まで堕ちる過程こそ、まさに調教の醍醐味と言えるだろうな。そして堕ち切った女神は、自ら望んで『従属神』となり、主に尽くすようになる。
圧倒。内容は。褒められたものじゃ。ないのに。少年軍師の。情熱と。こだわりが。伝わってくる。
ちっこくても魔族じゃのう……。しかしひとつ気になったのじゃが。
ん、質問か?
うむ、『従属神』は皆あの、あだるちっくな姿になってしまうんじゃろうか?
今作。VBRの。女神たちが。善悪に。分かれている
善性と悪性、どちらも甲乙つけがたいのじゃが……。
攻略。女神を従属させるために。必ず『悪堕ち』させなければ。ならないとしたら。元の姿が気に入っている場合。ガッカリするかも。しれない。
ああ、そのことか。そうだな、補足するのを忘れていた。いいか、先にも言ったが『従属神』とは必ずしも、『悪堕ち』を指す言葉ではないぞ。
えーと、どういうことじゃ?
簡単なことだ。魂を染めた主がそのままの姿を望めば良いだけのことだ。
選択。そうすれば。元の姿のまま。従属神にすることも。できるということ?
無論だ。悪に堕ちた姿は従属神の一側面に過ぎない。主である魔族の接し方によって、女神はどちらにも姿を変えるだろう。もっとも、一度悪堕ちした神格を元に戻すのは難しいだろうがな……。
なるほど、紳士に接するか、鬼畜を貫くか、女神の遇し方が重要になってくるのじゃな。
分かっているじゃないか。そしてその影響は女神の魂だけでなく、他ならぬ主……ヴァーリ自身の行く末にも関わってくるはずだ。
分岐。秩序と混沌。ヴァーリの覇道が。どちらへ向かうか。すべては選択次第。
まあ、そこまで難しく考えずとも、心の赴くままに進んでゆけばいいと思うがな。
ためになる話だったのじゃ!
おい、お前達、何をだらけている。講義の時間だぞ!
ぬぁ? なんじゃ、キャラ紹介は前回で終わったのではなかったか?
バカめ。キャラクターページをよく見ろ。まだ触れていない人物がいただろう。さっさと席につけ。誰のために講義していると思っている?
はわわ、ロキ先生がお怒りじゃぞ。ルナよ、急ぐんじゃ。
着席。先生の講義を。聞けて。とっても。嬉しい。
ふん、おべっかなどいらん。始めるぞ。まずはこの男からだ。
いきなり濃い顔が出てきおったな。
中年。ひげ面の登場は。今までの。ヒロインたちと比べて。ギャップが。すごい。
こいつの名はベルク・フリージ。魔族系貴族の名門で、神魔の戦いでは魔族側の巨頭と目されている大物だ。ヴァーリやジークも、当初、ベルク将軍の檄に応じて挙兵することになる。
開戦。アースガルズ皇国の。神族と魔族に分かれた戦いは。ベルクがきっかけだったとかいう。噂を聞いた。
ふむ……、それまでに神族側の弾圧や魔族廃滅思想があったとはいえ、そういう見方もあるかもしれんな。
神魔の開戦は、公開中のADV体験版でも触れているので、気になる人はやってみるといいのじゃ!
敗戦。魔族軍は。女神の反撃にあって。散々な目に。遭っているようだけど。
霊格を解放した女神が相手では致し方ないのぅ。ベルク将軍だけは一応、ほんのり見せ場があるようじゃが……。
それも全力ではないだろうな。食えない男だ。自分は力を温存して、敵方の戦力を測っている。
腹黒。魔族だから。女神に敵対するという。意味では。ヴァーリの味方のよう。だけど。今後は。どうなるか。
味方と呼ぶには、いまひとつ信頼できないのじゃ
それと。ついでに言うと、ベルクは浮遊樹大乱の時代、嵐の皇女と呼ばれたヘルの直系だ。
なぬっ!? 今さらりと衝撃の情報を……!
甘姉。ヘルといえば。VBFで。覇王ロキと。魔王後継を争った従姉。ツンデレの。デレ成分が多いことで。定評があった。
その子孫がこんなオッサンとは……、時の流れは残酷じゃのう。ロキよ、そなたもそう思わんか?
誰の子孫だろうが、男も女も歳をとり、更なる子孫を残す。それが世の常だろう。ヘルの子孫が年配だからといって、何を驚くことがある?
まあ、そりゃそうじゃがの。しかし、となると、ヘルと誰の間に生まれた子孫なんじゃろうな。
そういえば、当のヘル自身は300年前の冬幻郷事変に前後して姿を消したようだな。神族全盛の時世で、その一族がこれほど勢力を保っているのはさすがというところか。
……なんか話をはぐらかされた気がするのじゃ。
さぁ、次の人物にいくぞ。今度紹介するのはジークの副官、レギンだ。
美人じゃが、なんとなく冷たい感じのする娘じゃな。ジークといえば、ヴァーリの盟友で、リンデのお兄ちゃんじゃったな。
有能。勇士ジークの。副官なら。きっとできる女。なのだろう。
ふむ、役回り的にはヴァーリに対するリンデと同じようなものかのう。
そうだな。ジークもヴァーリと同様に己の勢力を広げていくが、そこには少なからずレギンの尽力がある。
忠節。主のために。一生懸命。頑張っていると。
それだけに、ヴァーリのことは警戒しているようだな。それにヴァーリに身を寄せたリンデのことは、苦々しく思っているとか。
不義。ジークの妹。なのに。ヴァーリに仕えるのは。けしからん。ということ?
むむ、これは女の戦いが見られるかもしれんぞ……!
まあ、この辺り、人間関係が絡みあってるのは確かだろうな。ところでもう一人、一癖ある女がいる。
ほう、それは誰じゃ。
こいつだ。アースガルズ皇国の聖樹に関する神事を取り仕切る巫女ノルン。
上品。見たところ。おしとやかで。清らかそうな。巫女に。ふさわしい。女性に。見える。
そうじゃな。しかし、こやつが一癖ある女とな?
何しろこの女は、聖樹の巫女として、方針を違える元老院とたった一人でやりあっていたからな。奴等に疎まれ幽閉されようとも、何らへこたれることもなく、いつも澄ました笑みを浮かべている。なかなか一筋縄ではいかない女だ。
放言。先生の口調が。なかなか。歯に衣着せない。物言い。
うむ……ノルン個人に何か含むところがあったりするのかのう。
……気のせいだ。俺はあくまで客観的評価を述べたまで。
それならそれでよいが……。おっ、どうやらノルンはヴァーリの味方のようじゃな。
救出。物語序盤。元老院に。幽閉されている。ところを。助けられて。軍に加わる。らしい。
ノルンは対象の過去と未来を暴く鏡、ウルザルブルンを持っている。今後、その力には助けを借りることもあるだろう。
活躍。今後の。ノルンの。働きに。注目しよう。
さて、紹介はこんなところか。一通り明かせる部分を語ってやったが、参考になったか?
ロキ先生、まとめに入っているところ悪いが、まだ触れていない者が残っておるぞ。
なんだと?
ふむ、ユミルか。今まで触れたどの勢力にも属しておらんようじゃが、一体何者なんじゃ?
教授。ロキ先生。早く。教えてほしい。
…………。
ロキ先生?
……聞こえている。しかしこの女に関しては、入ってきている情報が少なくてな。迂闊なことは話せないんだ。
意外。ロキ先生にも。知らないことが。あるとは。
ただ言えるのは、ユミルという名が、遥か昔の極夜大戦時代に存在したという女神と同じ名ということだ。
神話。極夜大戦といえば。大魔王スルトと。主神オーディンが戦ったという。いにしえの戦い。
その時代の女神と同じ名とは、何か関係があるんじゃろうか?
さてな。しかし、この女の素性はともかく、何かしら油断ならぬ相手であるのは間違いなさそうだ。
心配。ヴァーリに。ちょっかいを。出してきたり。するのだろうか。
近年、皇国の内乱に乗じて暗躍する謎の組織の存在を確認されている。謎の組織に、正体不明の女神……。今回の神魔の争いは、表に見えている以上に根の深いものなのかもしれん。
むむむ、気になる引きじゃのう。じゃが結局、これ以上は自分の眼で確かめてみるしかないということか。
そういうことだ。ヴァーリが皇国の戦いを勝ち進んでいけば、このユミルという女も尻尾を見せるだろう。今、俺に言えるのはここまでだな。
なるほどのう。分からんが、分かったのじゃ!
刮目。キャラ紹介は。終わったけど。今後も続報を期待。しつつ。発売を待とう。
恒例。新旧織り交ぜて。キャラクターを。紹介してきた。VBR講座も。今回で7回目。
しかしルナよ。前回までで主だった女神の紹介はもう終えてしまったぞ。今日は一体、誰のことを教えてくれるのじゃ?
紹介。今回は。ジークと。リンデという。兄妹のことを。教えてくれるらしい。
ふむふむ、たしか、キャラ紹介ページによれば美男美女の兄妹じゃったかな。どうやら、こやつらはそれなりに高位の魔族の血を引くようじゃぞ。
2人は魔界総督府の武門で名高い『ヴェズルング家』の生まれだからな。そこに魔竜種の血も混ざった、高位魔族のサラブレットというわけだ。
おっ、来おったな、ロキよ。では早速、2人のことを教えてもらおうかの。
ああ、だがその前に、ヴェズルング家のことについて触れておこう。2人の出自に触れることは、それはそれで意義のあることだからな。
ヴェズルング家……ヴェズルング……うむむ……どこかで聞いたことがあるような、ないような……。
前作。『ヴェズルング』とは。覇王ロキの。もうひとつの人格。のことでは。なかったか?
ほう、よく記憶していたな。その通り、ヴェズルングは覇王ロキの一側面。知勇に優れるロキが、もし戦闘力に特化していたら、という可能性の具現した存在だ。
あー、なんかロキがよくわからん理屈で変身したんじゃったか? 二重人格的なやつじゃな。
二重人格、か。厳密には違うのだがな……。とにかく500年前、覇王ロキは危機の際、運命を司るというユグドラシルの鍵を使い、その姿を変えた。
思い出したのじゃ! 誰かと思えば、『俺の中の地獄』ではないか。始めからそう言ってくれれば一発で分かったのに、まったく人が悪いのじゃ。
俺の中の地獄……自身の可能性を、覇王ロキはそう表現していたと言うな。
子孫。ロキが変身した。過去の話は良いとして。ジークとリンデは。ヴェズルング家というからには。ヴェズルングの子孫。つまりは。ロキのもう1つの人格の。子孫ということ?
過去の話が続いてしまうのだが、実は形式上、ヴェズルングは覇王ロキの影武者として伝わっている。だからヴェズルング家の血筋が、本当にヴェズルングの子孫なのか、影武者としてヴェズルングの名を与えられたものの子孫なのか、今となっては定かではないな
むぅ、真相をしってそうな連中はすでにいなくなっておるしのう、気になるのじゃ
外見。見た目だけならば。この兄妹は。どちらもヴェズルングに。似ているようには。思えない。どちらかと言えば。まだ。ヴァーリの方が。ヴェズルングに似ている。
……真偽はいずれにせよ、ヴェズルングの名を冠した武門だ。そこらの魔族では到底及ばない高位の血筋なのは確かだろう。覇王ロキの武の側面、ヴェズルング家は魔界の征伐任務を課せられ、総督府を成立させるに至った。
ふむ、そうじゃな。覇王の片腕として続いていた、由緒正しい家柄というのは分かったのじゃ。
さて、前置きが済んだところでジークとリンデの兄妹の紹介だ。
了解。では。まず。ジークから見てみよう。
魔族の追放を進める神族に対し、魔族側も無策だったわけではない。ジークは郎党を率いて、早くから魔族解放軍に参加した。解放軍は当初、ヴァーリが属している連合でもある。
盟友。ヴァーリと。ジークは。同じ陣営にいる。味方同士。ということ?
2人は互いに認め合っているようだな。ヴァーリは放浪中、ジークに出会って影響を受けたらしいし、ジークはヴァーリの強さと可能性を買っている。
じゃあ、2人で協力して、女神やらなにやらと戦っていくということじゃな!
ふむ……だったら話は簡単だが、ヴァーリもジークもその視線の先に覇王の座を見据えている。2人の道がどこまで交わっているか、まだ誰にも計り知れないことだな。
宿命。ロキ先生にも。分からないのか。
ところで妹のリンデはどんな役回りになるのじゃ?
そうだな、リンデも見てみるか
リンデは元々、兄ジークの陣営にいた。指揮官としても戦士としても優れたジークを誇りに思っていたようだな
兄妹。優れた兄がいるというのは。妹としても。誇らしいだろう
ああ。だが、ひょんなことからヴァーリと出会い、次第に惹かれていった。
ほう? ブラコンの妹が兄以外の男に興味を持つわけじゃな。
そして、最終的にリンデは押しかけるようにヴァーリの副官に収まった。
説明。実に。あっさり。兄から。ヴァーリへと。心が移り変わる過程こそ。一番。気になるというのに。
それは機会があれば本人から聞いてくれ。……そして、彼女の実務と作戦能力の高さは、すぐにヴァーリにとってなくてはならないものになった。俺としてもあの娘に抜けられるのは困るくらいにな。
内助。ゲーム中でも。頼りに。なりそう。
しかし共に覇王を目指す兄と想い人がおるとは複雑じゃのう。そういう意味でも、ヴァーリ達の先行きに目を離せぬぞ。
女神以外にも注目すべき者は多くいるということだな。せいぜい楽しみにしておけ。
うむ、参考になったのじゃ!
来ているな、お前達。よし、今日も講義を始めるぞ。
ロキ先生、前回、ヘイムダルという娘のことが気になっておったようじゃが、何か分かったのか?
……調査は進めている。いずれヴァーリにも報告を上げることになるだろう。今はそれよりもだ。
傾聴。今日は。一体誰の。紹介を。してくれるのか。
今回、紹介するのはこの2人だ。まずは幼光の主神ナンナ。
そして、祭祀長ヴェスラ
この2人は、共に元老院の関係者だな。
質問。元老院とは。一体?
まずはそこからか。……元老院はアースガルズ皇国の中枢に根を張る執政機関だ。当初は覇王ロキに代理統治を任された旧主神オーディンを補佐するために発足された。
理解。オーディンの。部下の集まり。ということ。
さすがのオーディンも、補佐する部下は必要じゃったか。しかし、ロキの口振りじゃと、今は違うようじゃな。
ああ、元はただの補佐機関でしかたなかったのが、ある時点で独自の権力を持ち始め、魔族を排斥する神族至上主義を掲げる組織となった。
なんと!? 神魔を共に統べようという、覇王ロキとはまったく逆の思想ではないか!?
敵対。VBRでは。魔族であり。神魔統一を目的とする。主人公のヴァーリとは。本質的に相容れない。組織ということになる。
そう。元老院の思想は、我ら魔族としては到底受け入れられない思想だからな
うーむ……。ブリュンヒルデもその思想に賛同しておるんじゃったか。これはまた、戦いは避けられそうにないのう。
ヤツらは最終的に、魔族を廃滅し、アースガルズ全土の民を女神の信徒にしようとしている。そしてそのために生み出されたのが、オーディンの霊格を移植された、新たな主神ナンナというわけだ。
新たな主神じゃと?! 補佐すべき主神がいなくなってしまったので、自分たちで次の主神を生み出したというわけか? なんだか凄い執念じゃな
主神。改めて。言っておくと。オーディンは。VBFでヒロインの。一人だった。女神。
小娘のような外見ながら、四季の女神達を統べるほど、強力な力を持った女神じゃったのう。
実力。物語中でも。主神の名に恥じない。桁違いの。強さを。見せていた。その強さと裏腹に。巷では。『おでん』と略され。ネタにされる。こともあったけれど。
ああ。そのオーディンも覇王ロキに敗れ、従属神として心から忠誠を誓うようになった。アースガルズ皇国の代理統治を任されてからも、可能な限り主の意向に添おうとしていたようだ。
ロキがいなくなってからも、ロキの理想を守っておったのか。いやはや、健気な主神なのじゃ。
ふっ、浮遊樹大乱では散々覇王ロキの手を焼かせたというがな……。もっともそういう彼女の献身が元老院の反発を招いたのかもしれん。
想像。元老院にとっては。オーディンこそ。忠誠の対象であり。覇王ロキは。むしろ。邪魔な存在だったのだろう。
覇王と言っても、国民全てが賞賛していたわけではないのじゃのう。
……だからこそ、祭祀長ヴェスラは、オーディンの崩御後、その代わりとも言うべきナンナを生み出す気になった。
今度は覇王ロキの理想とか関係ない、純粋な主神を、ということじゃな。
移植。主神の霊格を。秘めている。ということは。ナンナもきっと。物凄い力を。持っているに。違いない。
理屈の上では、な。だが、今はまだそのポテンシャルを活かしきれていないようだ……。
はて? 霊格の移植は成功だったのじゃろ? 一体何が原因なんじゃ?
オーディン並の力を発揮するには、まだナンナ自身の成長が追いついていない、ということだ。祭祀長ヴェスラは、あの娘が元老院にとってふさわしい主神になれるよう、躍起になって教育しているらしいが……。
女神の英才教育というわけか。難儀じゃな。
そうだな……。ナンナの精神性は未だ純粋無垢な少女と言っていい。洗礼の儀式で女神に転生した時点で齢を取らなくなったことにも起因するようだが、なにしろ遊びたい盛りの娘だ。机に向かわせるだけでも骨だろう。
ヴェスラは、見た目からしていかにも頭の固い教育ママっぽいしのう……。ナンナも大変じゃな。
教育。あまり詰め込みすぎて。勉強嫌いに。ならなければ。いいのだけど。
とはいえ、主神の霊格に見合う女神になるには、それだけの教育の必要があるのは事実だからな。
そうかあ、教育ママにもそれなりの苦労があるようじゃなぁ。
ククク……、ここはやはりヴァーリがさっさとあの娘を倒して、悪の道に引きずり込んでやるのがよさそうだな。
また悪い顔になったのじゃ!
葛藤。元老院の言いなりの。都合のいい主神に。なってもらうのは。困るけど。かといって。このロキのような。可愛くない。子供になるのは。困る。
どういう意味だ!
遅いぞ、お前達。さっさと席につけ。
ぬあー、先生が怒っておるぞ。ルナがかき氷なぞのんびり食っておるからじゃ。
抗議。かき氷をかき込んで。頭を押さえて。転がっていたのは。楓の方。
ちっ、いちいち騒ぐな。こっちまで頭が痛くなってくる。まあ最近の暑さだ、氷菓のひとつも食べたくなるのは分からなくはないがな。
確認。今日は。残暑の厳しい。日本とは違って。とても寒い地方に。いる人物の。紹介をするのでは。なかったか。
ああ、その通りだ。今回の講義では極寒の雪国ヨーツンヘイムに住む、希望の偶像神ウルルを紹介する。
なんだかきゃぴきゃぴした娘じゃのお。他の女神とどことなく毛色が違うのじゃ。
そうだな、ウルルは自ら偶像神……アイドルを名乗っている。女神の力をプロパガンダに使うという意味で、他の女神とは一風変わっているな。
謀略。プロバガンダなどと聞くと。腹黒いように。聞こえる。
どうかな。ウルルがアイドルとして信者を大切にしているのは本当だ。そしてそんなウルルのために、信者は進んで命を懸ける。
ウルルに限っては、信者というより、ファンと言ったほうが良さそうじゃな。
まあ、な。己をアイドルとして、ファンに命を懸けさせる。民を守護すべき女神の役割からは、それは逸脱した邪道なのだろうな。
邪道。真面目な女神が聞いたら。真っ赤になって。怒り出すかもしれない。
しかし、ウルルにはその邪道を進んででも成し遂げたい信念があるということだ。
信念とな?
彼女の拠点とするヨーツンヘイムはとても貧しい地域だ。常に雪で覆われた厳しい環境で、他の地方より発展が遅れている。ウルルはその状況を変えたいらしい。
極寒。確かに。これだけ寒く。雪に覆われていては。他の地方のようには。いかないのだろう
そのためにウルルがとった手段が、アイドル活動で文化を発展させ、古代の遺跡から復元した技術で国力の不足を補うこと。底抜けに明るい笑顔の裏で、色々と考えているのだろうな。
ふむぅ、すっとんきょうな娘かと思いきや、なかなか頑張り屋なのじゃのう。
質問。ウルルの始祖女神は。一体誰? 今までのパターンだと。四季の女神の。誰かの。子孫だったりする。ようだけれど。
ああ、彼女は凍雲の守護神リグレットの系譜と言われている。
リグレットは下が弱いことで有名な女神じゃったな。
伝承。リグレットの。おねしょシーツが。聖遺物に。なっていたりする。
まったく、そんなものをありがたがるとは、救いようのない変態がいたものだ。
変態。かの。覇王ロキも。リグレットに。お漏らしをさせて。喜んでいた。変態だったとか。なんとか。
……。
しかしウルルに関して言えば、あまりリグレットに似ておらんのう。肌は確かに白いが、全身真っ白だったリグレットと違って、ウルルは綺麗な黒髪じゃしな
放尿。やはり。ウルルにも。おねしょ癖があったり。するのだろうか?
おねしょ癖はさておき……実はリグレットの皇統は途絶えて久しい。ウルルはリグレットの子孫だと自称しているが、それもどこまで本当のことか……。案外、リグレットの名を出すことで、自身の女神としての正統性を強調したいのかもしれないな。
曖昧。2人が本当に。ご先祖で子孫かは。分からないということ。
ふむぅ、色々とあるのじゃのう……。しかしリグレットのこの姿、つい最近どこかで見た気がするのじゃが……。
なんだと? 女神リグレットは行方を眩ませて久しい。今さら姿を現すとは思えんが……。
想起。もしかして。キャラ被りが激しい。彼女のことでは?
おっ、そうじゃ。キャラクター紹介に載っておったのじゃな。この娘、ヘイムダルというのか。
外見。仮面で。顔こそわからないものの。色白の肌に。銀髪ツインテールというのは。リグレットと。キャラが被っている。
服装も微妙に似ておるのう。いかした仮面といい、うっすらおっぱいが見える全身タイツといい、ヘイムダルのほうがややファッションリーダーじゃが
ヨーツンヘイムの雪原で死者の軍団を率いる……まさかな。
なんじゃ、ロキ先生は知らんかったのか?
予習。講義するのに。怠っては。いけない。
ちっ、俺としたことが……。悪いが調べることができた。後はお前達で勝手にやっておけ。
退室。急に。血相を変えて。行ってしまった。
勝手にやれと言われても、どうするかのう。
自習。改めて。キャラクター紹介ページを。見てみるのも。いいのでは。
ルナは案外真面目じゃのう。どれ、よく見るとヘイムダルの他にも見覚えのあるようなないような者がおるぞ。
蛇姫。ヨルムは。VBFで。大魔王の。後継争いで。ロキと戦った。ロキの姉にあたる。魔族。
後継候補にはヘル、フェンリル、ヨルムの三姉妹がおったが、ヨルムは一番下の妹じゃったのう。アホの子呼ばわりで散々ネタにされておったが……。
戦場。リグレットとヨルムが。極寒の。地方で。争っていたところ。横入りしてきた。ロキに敗れた。
どうやらこのヨルムは、そのときのヨルムと同一人物のようじゃな。しかし昔とはすっかり見てくれが変わったのう、あの小娘がしっかり立派に成長しておるのじゃ。
成長。おっぱいの成長などは。著しい。今回。再登場するヨルムが。どんな風に暴れるか。気になるところ。
見たところ成長したのはおっぱいだけで、中身はそんなに変わってない印象があるのじゃ。きっとまた空気も読まず、暴れまくるに違いない。
慨嘆。ヨルムにも。私達のように。落ち着きをもって。新世代に。威厳を示して。ほしい。
全くじゃな。ロキ先生がおらずとも、立派に自習に励むワシらを見習ってほしいのじゃ。
発見。そういえば。ロキ先生の分の。かき氷が余っていた。
なんと!? ここは溶ける前に代わりに食べてあげるのじゃ!
拒否。ここは。見つけた私が。食べる。
こ、こりゃーッ!! わしも食うんじゃー!!
恒例。今日も。ロキ先生のVBR講座の時間がやってきた。
ロキ先生、よろしくお願いするのじゃ。
ふっ、お前達も少しは口の利き方が分かってきたようだな。今日は『中原ギムレー』で出会うことになる2人、恵みの慈母フローラと予言者ヘルモーズの紹介をしていくぞ。
疑問。『なかはらぎむれー』とは。一体何者なのか。VB世界には。そぐわない。名前に思える。
……マスコットの底が知れる。
ルナよ、これは『なかはら』ではなく『ちゅうげん』らしいのじゃ。決して芸名ではないという話じゃぞ!
……続けるぞ。中原ギムレー。アースガルズ皇国においては、広大な穀倉地帯を指す言葉だ。この地方には、覇権を巡って豪族達の熾烈な争いが繰り返されてきた歴史がある。そしてその争いに終止符を打ったのが、これから紹介する女神フローラだ。血統としては、秋月の豊穣神フレイヤの直系に当たる。
比較。上が今作ヒロインのフローラで。下がVBFヒロインのフレイヤ。
どちらも恵みや豊穣といったものを司っていて、ぐらまーなだいなまいとぼでぃをしておるのぅ。
フレイヤは覇王ロキに命じられ、ギムレーを統治していた。だが時が経ち、彼女が姿を消すと、やがて乱世が到来する。皇国でもっとも富める黄金の大地に、愚か者共は目が眩んだのだな。
覇権争いが始まったわけじゃな? でも、それをフレイヤの子孫であるフローラがまとめたのじゃろ?
結論を言えば確かにその通りだが、フローラのギムレー統一には特筆すべき事実がある。彼女がその偉業を成したのが、女神として覚醒する前ということだ。
な、なんと!? ということは、女神の力もないのに、中原を統一したということか……??
驚愕。力も持たずに。一体どうやって。熾烈な争いを。治めたというのか。
……当時、女神の血筋は奇跡の力を失い、ただ豪族どもに利用されるものに成り下がっていた。しかしフローラはそんな境遇を逆手に取った。
ほほう、どのようにしてじゃ?
有力豪族から子息や子女を迎え、養子としたんだ。女神の血筋と縁戚関係を結べると知って、豪族達はこぞって子を差し出した。そのおかげでフローラは、多くの豪族を身内に取り込み、短期間で強大な連合勢力を築くことができた。
なんと!? ならばフローラには血の繋がっていない子が大勢おるわけか!
驚愕。子沢山の女神ヒロイン。過去に。そのようなヒロインが。いただろうか。
それだけではないぞ。フローラはお飾りの神輿で満足する器じゃない。敵対関係にあった豪族同士の婚姻の差配も行い、できるかぎり戦いを避けながら中原を掌握していった。強かな女だ。
そしてそんな強かなフローラが、さらに女神に覚醒してしまったわけじゃな。
ああ。今、フローラに逆らえる者はもうギムレーにはいないだろうな。
策士。ただでさえ手強いのに。女神の力も手に入れて。まさに鬼に金棒。おっぱいにブラジャー。
むう、進軍先を選ぶ時は、慎重にせねばならんのう。大きなおっぱいに釣られてホイホイと進軍してしまっては、あっという間に策に嵌められてしまいそうじゃ。
質問。時に。女神フローラはいいとして。もう1人の。ヘルモーズとかいうのは。一体。何者なのだろうか。説明が欲しい。
分かっている。ヘルモーズは中原ギムレーを予言者として放浪している娘だ。
予言者? またなんか……このドヤ顔からして胡散臭いのじゃが、一体何を予言しておるんじゃ?
ヘルモーズは『バルドル帝国』とやらが建国される未来をしきりに説いている。神族系豪族の勢力が圧倒的な中原で、ヘルモーズの予言は魔族農奴達の支持を集めている。何しろバルドル帝国というのは、魔族の魔族による国家らしいからな。
既知。バルドル帝国……。気のせいか。VBEだか何かで。聞いたことがあるような。ないような。
予言の真偽は分からんが、ヤツが何らかの力を持っているのは確かだろう。特にヤツの腕輪ドラウプニルからは、妙な波動を感じる。
ドラウプニル? うーん、それもVBEだか何かでで聞いたことがあるのう。
?? 何を言っている? ……まあいい、続けるぞ。ヘルモーズは予言の担い手として、ヴァーリを見出す。だが中原に混乱をもたらす者の存在を、フローラが黙っているわけがない。
ほほう、ヘルモーズはヴァーリの敵というわけではないのじゃな? まあ、胡散臭いことこの上ないし、味方というわけでもなさそうじゃが……。
予感。ヴァーリの介入で。中原ギムレーに。波乱が起きるのは。間違いなさげ。中原は一体どうなってしまうか。乞う。ご期待。
まったく目が離せないのじゃ!。
ふ……、今言えるのはこれくらいだな。ギムレーに攻め込むなら、覚悟を決めておくことだ。
むむむ、重要そうなわーどばかりで気になるが仕方ない。次回を刮目して待つのじゃ!
皆、待たせたのじゃ! 少年軍師ロキのVBR講座の時間がやってきたぞ!
傾聴。引き続き今回も。キャラ紹介をしていく。
今日、紹介するのはこの2人だ。猛き天雷将ファナと、淫魔の令嬢シギュン。
観察。ファナは竜の血が流れる女神。ジャンルとしては。竜ロリというものに。なるのだろうか。
そして、シギュンじゃな。淫魔の令嬢と言うからには、淫魔枠なのかのう? しかし、淫魔というにはなにやら清楚な佇まいじゃが、はて……?
ファナとシギュンは、深い密林の大陸『ヘルグリンド』に勢力を広げている、大軍閥フレイズマルの関係者だ。皇国統一を目指すなら激突は避けられないだろうな。
大軍閥フレイ……?? よくわからんが、具体的にはどういう輩なんじゃ?
推察。軍閥とは。軍事的な派閥のこと。おそらく。ヘルグリンドという大陸に。大きな軍隊を。所持している派閥なのだろう。
おお、それはまた強そうじゃな。たしかロキは女神達に各大陸を統治させたという話じゃし、やはりその大軍閥フレイなんとかも女神に関係があるんじゃろうか?
ふっ、前回までの解説が役に立っているようだな。そう、軍閥フレイズマルは元を辿れば、蒼穹の雷神トールに突き当たる。女神トールとその子孫が、ヘルグリンドを征伐して、軍閥として根を張ったという背景がある。
脳筋。トールもVBFのヒロイン。四季の女神の一人。なにかと。力業の印象が強かった。
つまり、ファナはトールの子孫なんじゃな。なるほど、そう思って見ると、髪や瞳の色など似通っている部分も多いのう。利き手のでっかい籠手なんかもデザインが一緒じゃ。
とはいえ、ファナにはトールだけでなく、竜族の血も入ってるようだがな。どうやら彼女の母方の体質が、いくらか受け継がれているらしい。
発覚。ファナの母親は竜族だった?
そうだ。アースガルズ側の征伐に抗った竜人の末裔だ。長きに渡る戦いの末に鎮撫され、婚姻を結ぶほどの関係になった。
ふむ、地上にも色々な原住民がいたわけか。始めは敵同士じゃった征伐軍と現地民が和解して、ヘルグリンド大陸を治めるようになったのじゃな。
ファナの母親は弓の名手だったが、禁獣との戦いで故人となったらしい。その母親をファナは心から慕っていた。だからこそ、父オッテルの後妻に収まった義母シギュンの存在を、素直に受け入れることができなかった。
おっ!? ここでようやくシギュンの話が出てきおったな!
再婚。ファナの父親とシギュンが結ばれたけれど。前妻の娘としては。複雑な気持ちなのだろう。
しかも、このシギュンはよりによって淫魔の血を引いているらしいからのう。わしの知る限り、淫魔はろくでもない連中が多いのじゃ
ああ。シギュンも例に漏れず、自分の本性を巧みに隠しながら、フレイズマルの棟梁を骨抜きにしていたのさ
閉口。淫魔は。これだから。困る
ファナがそれをどこまで知っているのかは知らないが、シギュンを溺愛する父親と、受け入れられないファナとの間で、微妙な亀裂が生じているようだな
なかなか複雑な家庭環境のようじゃのう。ファナパパは淫魔のテクニックにやられてしまったかー。父親だって女神トールの子孫だろうに、情けない話じゃのう
シギュンがそれだけ上手だったということだろう。しかしそのシギュンは、良妻賢母のように振る舞いながら、親子の確執を愉しむ女なのだから始末に悪い。ファナは戦となれば無双の強さを誇るが、日常に戻れば少女らしい素顔がある。可愛らしいドレスに心を躍らせるような小娘に、シギュンのような牝狐の相手は重荷だろうな。
意外。ファナが。可愛いドレス……?
ま、まあ、ちょっと意外ではあるが、歳相応の少女ということじゃな。しかし、外からヴァーリ、内にはシギュンでは、ファナもドレスを眺めるどころではないのう。
ククク、こちらとしては、そこに策謀のし甲斐があるというものだが……。
なんぞ、また悪い顔になりおったのじゃ。
同情。ファナには受難の日々が続きそう。
シギュンはシギュンでこやつに負けないくらいの悪巧みしてそうだしのう。
あ、淫魔といえば、VBFでもロキLOVEのエロ姉がおった気がするぞ?
フェンリルのことか。アースガルズ勃興後も懲りずに遍歴を続けたというが、最期はどうなったのやら……。
淫狼。フェンリルは覇王ロキと。大魔王の座をかけて争った。候補者だったけれど。結局は。魔王の座よりも。ロキの身体に。執着していた気がする。
とにかくシギュンの狙いについては、俺もまだ読み切れていないところがある。したたかな女だ。油断するとこちらも足元をすくわれる。
では、不憫なファナの健闘を祈りつつ、今回のところはここまでにしようかの。
ふっ、次回を楽しみに待っておけ。
さて、今回からは皇国内乱で鍵となる人物の紹介をしてやろう。
期待。登場キャラの詳細は。誰しも知りたいところ。
うむ、キャラクターページで一通り紹介されておるが、そこでは触れていない耳寄りな情報にも期待したいのう。してロキよ、まず誰を紹介してくれるんじゃ?
そうだな、まずはこの2人が適当だろう。乱世の麒麟児ヴァーリ・ラウフェイと、戦女神ブリュンヒルデだ。
主役。紹介ページによると。ヴァーリは。神魔統一の志を持って。挙兵した主人公。と。ある。
ブリュンヒルデは、かつての浮遊樹大陸『ユグドラシル』を守護する戦女神で、どうやらヒルデという愛称があるようじゃな。白銀の鎧が凛々しいのじゃ。
血縁。この2人は。なんと。同じアースガルズの皇族に生まれた。義理の兄妹とのこと。
そう、2人の間には因縁がある。同じ皇族に生まれながら、片やヴァーリは魔族の血を疎まれ廃嫡され、ヒルデは選ばれしものとして女神に覚醒した。
明暗。生まれ持った血の違いが。そこまで2人の運命を分けるとは。
皮肉にも、ヒルデは神族至上主義を信じていて、魔族を争いをもたらすものだと敵視している。そんな彼女から見れば、義理の兄とはいえ魔族の武将であるヴァーリは倒すべき敵だ。
敵対。ならば。ヴァーリに。最初に立ちふさがる女神が。ヒルデということ?
当然、ヴァルハラで挙兵するヴァーリにとっては、女神ブリュンヒルデの存在が最初の試練となるだろうな……。
難儀な兄妹じゃのう。しかしそんな因縁があるなら、ヒルデを倒せたとしても、従属神として従えるのは無理ではないかの?
ヴァーリは生粋の女神バカだ。たとえ義妹ヒルデが殺す気で挑んできても、ヤツはヤツの流儀で立ち向かうだろう。女神が気高く美しくあるほど奮い立ち、手段はどうあれ服従させる。あれはそういう男だ。
女神バカという言葉の意味はよくわからんが、とにかく覇王の器というだけあるということかのう。
評価。ロキはヴァーリのことを、随分買っているように見える。
フン、勘違いするな。ヤツなど俺が軍師になってやらねば、あっという間に敗退していた未熟者だ。
……まあ、とはいえ、少しばかり光るモノを持っていることは認めてやらんこともないがな。
これはまた分かりやすいツンデレじゃのう……。
ほざけ。補足しておくと、2人は春風の戦女神と呼ばれた、女神ティルカの子孫だ。
確認。ティルカは。VBFのヒロインである。四季の女神の一人。だったか?
うむ。ユグドラシルに侵攻したロキと最初に戦ったのが、このティルカじゃったな。今回も最初に戦うのがこのティルカの子孫というのは、何か運命めいたものを感じるのじゃ。
ヴァーリはともかく、ヒルデはティルカのことを始祖として敬っている。彼女の携える神装、忠義槍ニーベルングも、ティルカの持っていた忠誠剣ニーベルングを鍛えなおしたものだ。
神装。女神の持つ。象徴的な奇跡の武具。
剣から槍に鍛えなおしてまで、始祖の神装を受け継いでおるとはのう。それだけティルカを尊敬しておるということなのじゃろうか。
何しろ彼女は、ティルカが自分の身を犠牲にして、ユグドラシルの民を救ったと信じ込んでいるからな。覇王ロキに穢されても耐え忍び、女神の使命に殉じたのだと、な。
真偽。あながち間違っていないような。
なんだかんだで、基本的には倒した女神を触手責めにする話じゃからな。
何を言っている。確かに初めは強引な手段もとったが、結果的にティルカを始め、ユグドラシルの女神達は自ら望んで覇王ロキの従属神となった。覇王と女神の子孫であることを、あの女はもっと誇りに思うべきだ。
基本。こういう。モラル的な。考え方になると。魔族と神族には。大きな差が。あるように思う。
むぅ、ヒルデが魔族を敵視する気持ちが、なんとなく分かった気がするのじゃ。
何を言っているんだ? まあ、今話せる情報はこの程度だ。次回は別な人物の話にしよう。
展開。ヴァーリとヒルデが。どのような邂逅を果たすのかは。ゲーム本編の。お楽しみということに。しておこう。
まったく……ヴァーリがさっさとヒルデを倒し、従属神となる悦びを教え込んでやればいいのだが……。そのための献策もしてやらねばならないか。まったく世話の焼ける……。
ロキめ、お子様とは思えぬ邪悪な笑みを浮かべて、ブツブツと色々呟きながら行ってしまったのじゃ。
潮時。今日のところはここまでらしい。次回に期待。
軍師の帰りを待つのじゃ!
ルナよ。『VenusBlood-RAGNAROK-』の特設ページを見ていて思ったのじゃが、世界観やあらすじが、なんとなく小難しいと思わんか?
同意。ユグドラシルや。オーディンなど。よくわからない。単語が。散見される。
今作の『VenusBlood-RAGNAROK-』、通称VBRは、シリーズ6作目に当たる『VenusBlood-FRONTIER-』、通称VBFの後の世界が舞台だからな。初見では戸惑うところがあるかもしれん。
おわっ、なんじゃ、おぬしは?
疑惑。この子供。どこかで。見たことがあるような。
俺はロキ。世話の焼ける貴様らに、今作VBRの世界観を解説してやろう。
ロキじゃと? うむむ……ますます知っている顔の気がするのう。
名称。確か。VBFの主人公が。ロキという名前だった。気がする。
貴様が言っているのは、覇王ロキのことだろう。女神達を従え、地上にアースガルズ皇国を興した伝説的な王……、さっき触れたVBFの主人公だった男だ。
想起。確かに。私たちの知っているロキは。もう少し大人だった。
思い出したのじゃ! ロキは浮遊樹大陸を守護していた四季の女神を悪堕ち……もとい従属神にして、浮遊樹大陸ユグドラシルの戦乱を戦い抜いたっていう話じゃったな!
ユグドラシル大陸……、VBFの舞台となった場所だな。ちょうどいい、かつての覇王ロキの活躍を大雑把に語っておこうか。
自慢。気のせいか。この子供。ドヤ顔をしているような。
……かつて覇王ロキは、祖父である大魔王スルトの後継者候補に名乗りを上げ、女神達の守護する天空の大陸ユグドラシルに乗り込んだ。
ユグドラシルでは秘宝『聖樹の鍵』を巡って、各地を守護する四季の女神や主神オーディン、それにライバル候補である従姉妹や従兄と激戦を繰り広げた。そして最後には大魔王スルトとも雌雄を決することになったのだ。詳しい話を知りたければ、VBFを実際にプレイしてみればいい。
VBFには『俺の中の地獄』とか『貴様の底は見切った』とか、色々な名言も多かったのじゃ。
推薦。女神悪堕ちSLG『VenusBlood-FRONTIER-』は。好評発売中。
で、今回のVBRはどうやらVBFから繋がる世界観という話じゃったか?
VBFにおいて、大魔王との最後の戦いで、ユグドラシル大陸は地上に墜ちた。覇王ロキはそこで女神や魔族達をまとめ、新たな国『アースガルズ皇国』を創ったというわけだ。
平和。魔族と。女神の争いが終わり。新たな国が。出来た。
とはいえ、一人で治めるには世界は広い。覇王は后とした女神にそれぞれ大陸の統治を任せ、連合制に近い体制を採った。以来、女神やその一族はその土地を守り続けてきた。
女神を従属神にしただけではなく、自分の子を産ませて土地を分けたわけか。まったく、バチあたりな男じゃのう。
種馬。一体どれくらい子作りしたのか。ものすごい精力。
いいから黙って聞け。VBRの時代はそれから500年後の世界だ。この時代に、覇王ロキと従属神の子孫達から、新たな女神や覇王が出現することになる。
疑問。魔族や神族の寿命なら、500年でも存命しているのでは?
ふっ、鋭い質問だな。実はVBRの時代から遡ること300年前のある事件で、神魔の霊格は封じられてしまっている。
霊格? それは一体?
神魔が超常の力を振るうための、魂の格といったところか。これがなければ、覇王の血を引いていても、力も寿命もほとんど人間と変わらなくなってしまう。
ということは、VBRの世界では、神族も魔族も力を封じられていて、人間とたいして変わらんというわけか。
……しかし、この霊格を解放し、新たな女神や魔王級の力を持った魔族が現れだした。
危険。皆が力を失っているのに。力を取り戻したものが。現れたとなると……。
ああ。そいつらの力によって、アースガルズ皇国の戦乱は加速していくことになるわけだ。
今回の登場人物たちも最初は力を封じられている状態なのかもしれんのう。
成長。主人公たちも。力をつけていかないと。力を持った魔族たちに。負けてしまうではないか。
ヴァーリたちの成長に期待するしかないな。
そういえば、主人公のヴァーリやヒロインのブリュンヒルデは、VBFとは何か関係あるのか?
戦女神ブリュンヒルデに、乱世の麒麟児ヴァーリ……、彼らはその多くがかつてのユグドラシル大乱で活躍した女神や魔族達の末裔だ。物語の筋に直接関係ないとはいえ、誰が誰の先祖で子孫かなど、知っておくと一層楽しめるかもしれんな。
興味。VBRのこのキャラが。VBFのあのキャラの子孫だったり。するのだろうか。
なんだ、興味があるのか? ……よし、次回以降は彼ら登場人物にスポットを当てていくことにするか。
ほう、楽しみじゃのう! ……いつの間にかなし崩し的にコーナー化しておるのが気になるが。
フン、俺がわざわざ解説してやるのだ。感謝するんだな。
感謝。では。また次の。講座を。楽しみに待つとしよう。