蒼穹の雷神トール

トールは宙吊りにされていた。

強靭でありながら軟体を極める触手の拘束からは、
彼女をもってしても逃れることが出来ない。

それでもトールは悪あがきを繰り返し、
必死で縛めから逃れようとしていた。

それというのも彼女の下には――。

【トール】
「や、やめろっ! 何をする気だ!」

【ロキ】
「ふん、それだけ暴れるということは、
お前も察しがついているんじゃないのか?」

トールの詰問に、ロキは酷薄な声で答えた。

少し離れた場所で観客を決め込んで、
ロキは繁々とトールの様子を見つめる。

彼女の身体は、ロキが触手に送った指令によって、
少しずつ下がりつつあった。

その真下には、淫獄の中にあって一際大きい肉突起――肉柱と
呼んだ方がふさわしいオブジェがそそり立っている。

トールの降下は、その先端に狙いをつけられているのだから、
彼女が青ざめるのも無理はなかった。

【トール】
「な、なんなんだよ、あれは……っ!
いやだ、やめろぉ!!」

【ロキ】
「駄々を捏ねるものじゃないぞ、トール。
お前は自分の運命を受け入れるべきだ」

【トール】
「運命だって!? 冗談じゃない!
こんなっ、醜悪なモノに……っ、くぅっ、くそぉっ!!」

【ロキ】
「ふふっ、巨大な男根に貫かれる女神の姿……。
これほどトルドハイムの革命を的確に表している構図はないだろう?」

【トール】
「黙れ、この陰湿野郎!!
こんなことしてダタで済むと……、うああっ、やめろ!
ふざけるなぁっ!!」

【ロキ】
「さて……、あまりもったいぶっても、
敗者のさえずりがうるさいだけだな」

ロキは右手を掲げ、トールに見えるようにさっと振り下ろす。

彼女を拘束する触手は、それを合図にゆっくりした動作をやめ、
トールの身体を一息に肉柱へと沈ませた。

蒼穹の雷神トール

グジュッ! グボォオオオ!

【トール】
「ひぎぃいっ! うああああ――っ!?」

○穴が抉られる音が聞こえてきそうな勢いの挿入だった。

肉柱の先端が奥へと埋没して、トールは悲鳴を上げる。
あまりの衝撃に、彼女はピクピクと震える身体を仰け反らせた。

【トール】
「あがぁあああっ! はぐぅっ、はっ、挿入ってるのか!?
あたしの○内、こんな大きいのが……挿入ったぁあ!?」

伝わる感覚に悶絶する。

時間と共に存在感を増す肉塊の圧迫感に、
トールは絶望的な呻き声を上げる。

【トール】
「う、ウソだろ……!? なんでっ、くそっ、くそぉお!
早く抜けっ! 抜きやがれーっ!」

トールは暴れるが、触手に拘束された不自由な姿勢では
抵抗できるものではなかった。

むしろ下手に動くと、挿入の角度が変わり、
自身をさらに苛むことになってしまう。

ズルッ……と、身体ごと下に滑った感覚に、
トールはさすがに怯えた表情を浮かべた。

【トール】
「あっ、あぁ……っ!?
なんでだ、まだ身体が下がって……っ、くぅああっ!?」

「ひっ!? や、やめろ、これ以上はあたしのおま○こ壊れちまう……!
挿入らないっ、ムリに決まってるだろ!?」

「あひぃいいっ!? んおおおお……っっ!?」

肉柱は先端から根元にいくに連れて、径が太くなっている。

先端はまだ人間サイズの性交の範疇だが、
6〜7cmも進めばたちまちそれを凌駕してしまう。

当然、トールの秘裂は悲鳴を上げるが、
その四肢を絡め取る肉紐は容赦なく体を引き下ろそうとしていた。

【トール】
「ダメだぁあっ! もう挿入らないっ! これ以上はムリぃ!!
かっはぁああっ、はぐぅ、んくぅううーっ!」

【ロキ】
「なんだ、それで限界なのか?
顔に似合わず慎ましい牝穴だな」

【トール】
「ふ、ふざけ……っ、くぅう……っ!!」

嘲弄するロキを、トールは恨みがましい顔で見下ろすが、
罵声を飛ばす余裕もないらしい。

歯を食いしばって睨むトールに冷笑を返し、
ロキは触手に新たな指令を与えることにした。

【ロキ】
「仕方ない。
お前の牝穴がほぐれるよう少し手伝ってやるとするか」

【トール】
「なにを……っ? んひぃいいっ!? くぁああーっ!?」

トールの身体が、今度は上下に揺れ始めた。

肉紐によって操り人形のように支配されて、
その○穴で肉柱を扱かされる。

見ようによっては騎乗位でまぐわっているように、
見えないこともなかった。

もっとも、自分の意志とは関係なく身体を使われ、
大きすぎる圧迫感に耐えているトールはたまったものではないだろうが……。

【トール】
「あううっ、んおおっ!? と、止めろ……!!
やめっ、はぐぅうっ、うぁあっ、ズボズボするなぁあーっ!!」

【ロキ】
「ふっ、これくらいで音を上げてもらっては困るぞ、トール」

続いてロキは、トールを貫く肉柱の方にも指令を送る。

人や魔族の暗い情念が流れ込むという淫獄で、
この肉柱はどのような欲望が形作ったものだろうか?

仰々しく屹立する肉柱は、生殖行為よりも女を責め苛む方に、
特化しているようだった。

【トール】
「んふぉおおおっ!? なっ、これっ、柱が動いてる……!?
うあああっ、どうしてっ、ひぃいいーっ!?」

【ロキ】
「ほう……? そう動くのか。面白いな……」

実際に見るのは初めてのロキも、感心した呟きを漏らした。

肉柱は螺旋状に切れ目が走った複層構造になっている。
傘が幾重にも連なった形状は、何か意味があるのか疑っていたのだが……。

【トール】
「あひぃいいいいっ!?
おま○この中、回転してるぅう……っ!?」

【ロキ】
「はははっ、これはすごい光景だな……!」

蒼穹の雷神トール

肉柱はかなりの速さで回転していた。

縦ではなく横への動きは普通の性器ではありえない、
女を責めるためだけの機能だ。

肉柱の傘で抉られながら、○内を掻き回される感覚にトールは悶え狂う。

あまりに強い刺激に、官能を強制的に目覚めさせられ、
苦痛と一緒くたになった肉感をひっきりなしに送り込まれる。

トールの声には、いつしか艶が混じっていた。
苦痛から逃れるためやむを得ず逃げ込んだ、悦楽の艶だ。

【トール】
「んはぁああっ、あうン、ふぁああっ、どうしちまったんだ、
あたし……っ! あっ、あんっ、んくぅうーっ!」

【ロキ】
「おや、感じてきたか、トール」

【トール】
「だ、誰が……っ、適当なこと言うなぁ……っ」

キュイイイイイイン――。

【トール】
「おほぉおおおーっ?! あふぅっ、やっ、あはぁあンン!?」

虚勢は、一瞬にして吹き飛ばされた。

○穴で生まれた快感に、
トールの食いしばった歯から絶えず嬌声がこぼれる。

回転する肉柱は、機械のような正確さでトールの性感を引き出し、
異質なまぐわいに溺れさせていた。

ぱっくりと開いた花弁を傘が固定して、
奥の○ヒダに回転による刺激を与える。

そうかと思えば肉紐と呼応した上下運動で、
巧みに○内を拡張しようとする。

その動きのひとつひとつにトールは劇的な反応を示し、
自由な首を振りたくったり、手足の指をかがませるのだった。

【トール】
「あぁああ、当たってるっ! そこだめぇーっ!
いやっ、あひぃいン、ふぁっ、お願い、もう、もう……っ!」

【ロキ】
「ふふっ、心なしか口調が女らしくなってるんじゃないか?!」

【トール】
「あぁっ、そんな……っ、やぁ……!
違うっ、ふざけるなぁ……、くそっ、あんたなんか、あんた
なん……かぁああアアアーっ!?」

クリ○リスが回転に晒された。

振動を伴う刺激に包皮は剥かれ、
顔を出したばかりの初々しい肉芽に容赦のない洗礼が与えられる。

次の瞬間、トールは潮を噴いて絶頂していた。

【トール】
「あひぃいいいンン――っ!!? イっぐぅぅうーっ!!」

ビクンビクンと震える肢体。悩ましく乱れた吐息。
意志とは無関係に絶頂させられてなお、彼女に休息の時は訪れない。

【トール】
「い……やぁあっ、今イったの! イったんだよぉ……!
だからもう止めてくれっ、身体敏感になっててあたし、ダメなんだ……っ」

「ふぁあああっ??! おっ、おかしくなるぅぅっ!
こんなの我慢できるわけないっ! またっ、また来ちゃう!」

「あはぁあああ――っ! イクイクイク――っ!!」

連続絶頂の悦感に、トールの身体が仰け反りかえる。

彼女の絶叫が響き渡る中、肉柱の螺旋は非情に動き続ける。

大量に分泌した愛蜜。
拡げられた牝穴。
涙で潤んで、哀れを誘う瞳。

さっきまでの反抗的な態度は、もう見る影もない。

トールのこの姿が見たかった。
嗜虐心を満たされ、ゾクゾクとしながら、ロキは相手の痴態を観察し続ける。

もう触手は、ロキが命令を与えずとも勝手に判断して、
トールの心を折るための最良の動作を選択していた。

【トール】
「はぁはぁっ、まだ続けるの……?
やぁっ、許して、これ以上は変に……いやぁああ〜……!」

肉紐がトールの身体を下に引っ張る。

満を持して……という表現は適当だろうか?

絶頂を繰り返したトールの○穴は、さらなる挿入も受け入れそうなほど、
ほぐれてしまっている。

愛蜜を潤滑油に、肉柱が侵食する。
螺旋は肉襞を掘削するように渦を巻いて、ついには子宮の奥まで到達した。

蒼穹の雷神トール

ボコォ……ッ!

【トール】
「うあああっ、あたしのお腹がっ、おま○こがぁ……っ!?」

トールが絶望の呻きを上げる。

がさつとも取れる態度の割りに、慎ましやかだった彼女の秘所は、
限界を超えて拡張されてしまっていた。

裂けそうなほど開ききった秘唇。
肉傘は相変わらず回転しながら、その粘膜をかき回す。

トールの下腹部は、肉柱の先端の形がはっきりと隆起して、
受け入れているモノの巨大さを如実に知らせていた。

【トール】
「あっぐっ、はぁっ、あぐぐ……っ、ひぃっ、ふひぃーっ!」

肩で息をして、衝撃に耐える。

見開いた瞳からは、大粒の涙が零れ落ちる。

肉柱に串刺しになった哀れな女神――。今や彼女自身が、
その地位の失墜を象徴する悪趣味なオブジェに成り果てていた。

【トール】
「ふぅっ……ふぐぅっ……よ、よくも……
あたしをこんな目に、遭わせやがって……
これがっ、力の限り戦った相手への、仕打ちなのかよぉ……!」

【ロキ】
「喧嘩の後は仲良く酒を酌み交わせ、とでも……?
残念だったな。そんな結末を望んでいる者など誰もいない。
魔族にも、人間にもな」

【トール】
「くぅう……っ、あんたなら、話せば分かるかも……って、
一瞬でも思ったあたしが馬鹿だったよ……!」

【ロキ】
「何か言ったか?」

わざと聞こえない振りをして、ロキは触手に指図する。

間を置かず、トールの四肢を緊縛する肉紐が、
その身体を宙へと引き上げにかかった。

【トール】
「はぁはぁっ、や、やっとか?
うぅっ、アソコがヒリヒリして……っ、でも……っ」

ようやく責め苦が終わると思ってか、
トールはほっと安堵の表情を浮かべる。

しかし次の瞬間――。

ボコォオッ!

【トール】
「うぐぁあっ!? あぁあっ、なっ、どうして……!?
んぐひぎぃいいい〜〜っ!!」

触手は力を緩め、再びトールの子宮を肉柱で串刺しにした。

自重によってずり下がり、トールはさっき以上に深く肉柱を呑み込んでしまう。

その間も回転して挿入を助ける傘の動きに、
トールは苦痛と快感の混じり合った嬌声を上げていた。

【トール】
「やっ、やめてくれ……! 子宮の奥まで来てる……っ!
あぁっ、かはっ、あうっ、ひぃいーっ!」

「ど、どうしてだよ! もう充分だろ!?
たっぷりあたしを辱めて、無様な姿にしたじゃないかっ!」

【ロキ】
「本当にそう思っているのか? 甘いな」

トールの訴えを、ロキは冷たく一蹴する。

【ロキ】
「お前の心はまだ折れていない。
お前が何度もイキ狂い、泣いて許しを乞うまで、
俺はこの責めをやめる気はない」

【トール】
「そ、そんな……、ウソ……だろ……?」

さぁ……っとトールの顔色が一気に青ざめる。

ロキは自分の本気を分からせるために、さっと手を挙げた。
それを合図に、緊縛触手が先程と同じ動きを再開した。

【トール】
「い、いやっ、もうやだ!
これ以上されたら、あたしのあそこ広がっちゃうよぉ……!」

「う、ぁぁ……! 広がっちゃうのいやぁああああ――っ!!」

痛ましい叫びが尾を引く。
トールの肢体が持ち上げられては落とされる、
残酷なピストン運動が繰り返される。

【トール】
「はぁあっ、んはぁああンン……、こ、こんな、ダメぇっ!
こんなので感じちゃダメだぁ……っ! あはぁあっ!?」

蒼穹の雷神トール

【トール】
「んひぃいいっ、○内抉られてっ、
気持ちよくなっちゃうなんて、惨め過ぎる……!
それなのに、ちくしょうっ、なんで……っ!」

「うぁあっ、あうっ、あぁあン、ふあああ〜〜っ!!」

旋回は止まない。
ピストン中も性感帯を暴いて、機械的に牝の器官を追い詰める。

自身は身動きさえままならない状態で、
これほど無力な女の性を痛感する責め苦もないだろう。

トールは泣いていた。
泣きながら、大きくなる性感に慄き、悦んでいた。

その複雑な胸の内を、ぐしゃぐしゃになった表情が物語っているようだった。

【トール】
「あっあっあっあっ! 子宮の中まで揉みくちゃにされてる!
こんなの知らないっ、お腹の中、引っくり返されるぅっ!」

「んひぃいいっ! あふっ、んはぁーっ、あぐっ、はぁあ!?」

螺旋の回転する低音が、トールの矜持を粉々にする音響だった。
愛液は噴水のようにしぶいて、まるで失禁したように潮を噴く。

その度に彼女は喉を反らして、絶頂した。
宙吊りにされた状態で、肉悦をダイレクトに感じさせられる。

【トール】
「ほぎぃ!? おっほぉおおーっ?! も、もう許してぇっ!?
何も考えられないっ! 苦しいのが全部気持ちイイのに摩り替わって……
こ、怖いいぃぃ……っ!!!」

「あっ、あはぁっあっ、もうイキたくない……!
イキたくない、イキたくない、イキたくないぃ……っ!」

「イキたくないのに……っ、い、イクぅううぅぅ――っ!!」

下腹部が盛り上がったり、凹んだりを繰り返す。

○ヒダをかき回す振動が波及して、秘唇まで小刻みに痙攣している。

肉柱の傘の部分には、大量の愛液が伝い、滴っている。
それが回転の遠心力で周囲に飛び散って、
離れた場所に立つロキにまで届いた。

【トール】
「あううっ、ふごぁああっ、おほぉおおーっ!!
イキすぎっ! おま○こ拡げられてイキっぱなしぃ……っ!」

回転の刺激で新たな蜜が分泌されて、それがまた傘に伝う。

永久機関の如く続けられる快楽地獄に、
トールは惨めに隠語を吐き散らし、その理性は陥落寸前だ。

頃合を見計らって、ヒビの入った自尊心にトドメを刺す。

ロキの意志を受けて、肉柱がそれまでセーブしていた旋回の力を全開にした。

【トール】
「ふぇえっ!? まだ、これ、早く……おっ、んおおおぉーっ!?
んほぉおおおおーっ!! あひいいいンン〜〜っ!!」

獣のような絶叫が迸る。

肉柱の掘削によって、挿入がさらにもう一段階深くなる。

子宮の奥まで達した征服。
内臓全部が性器と化したような、渾然とした恍惚――。

トールは屈服のエクスタシーをその身に刻んでいた。

蒼穹の雷神トール

【トール】
「おおおおおンンっ、あうっ、あはぁあああンン――っ!!」

ビクビクッ、ビクン……ッ!

プッシャアアアア――――。

【トール】
「あっ、おおお……、はぁっ、あっ、あう……あ……っ」

オーガズムの反動から、トールの肢体がピクピクと痙攣する。
断続的に愛液が噴出している以外は、全く脱力しきっている。

肉柱はようやく動きを止めていたが、拡張された秘唇は
長年使い込まれたような哀れな様相を呈してしまっていた。

傘によって拡げられたままの花弁は、
自ら咥え込んでいるかのような印象を与え、淫靡に濡れ光る。

下腹部の膨らみはまるで妊娠しているようだ。
子供が入る隙間に、余すところなく男根を迎えた姿は、
女神というよりただの牝と呼ぶのがふさわしい。

そして、何よりその表情は――。

【トール】
「あひぃン……、くるひぃのきもひいい……よ……。
あはぁ……、あうっ、あはは……」

【ロキ】
「ふん、ゴリラ女もここまで痛めつければ、
少しはそれっぽい顔になるようだな」

呆けた笑みをこぼすトールを見て、ロキはまずます満足を覚えるのだった。

蒼穹の雷神トール

元の場所に戻ると、フェーナが待っていた。

気をやりすぎて気絶してしまったトールを無表情に見下ろして、
彼女は事務的に口を開く。

【フェーナ】
「後始末と女神の世話は私にお任せ下さい」

【ロキ】
「ああ、頼む」

興奮の余熱が、ロキの中に燻っていた。
自身は一度も欲望を吐き出していないのだから、
肉の疼きは堪えがたいほど膨らんでいる。

それと察したフェーナの表情に、初めて感情が浮かんだ。
それは獣の如き乱暴さを期待した女の顔だった。

【フェーナ】
「私が処理しましょうか?」

【ロキ】
「いや、それよりやることがある」

抗いがたい誘惑だったが、ロキは何とか意志の力でその申し出を退けた。

トルドハイムを完璧に掌握し、トールを言い包めるには今は微妙な時期だ。

新たな支配体制の地盤を、早く固めてしまいたかった。
その目的を達成するまで、禁欲はロキに果断の実行力を与えてくれるだろう。

欲望に素直な魔族の中で、
ロキは稀に見るほど自身の衝動との付き合い方を心得ていた。

【ロキ】
「トールは必ず俺の手駒とする。
ヤツが自らそれを選ぶ筋道を、作っておかなければな」

【フェーナ】
「道を作る……?
それ以外の選択肢を潰す――の間違いではありませんか?」

【ロキ】
「同じことだ」

肩をすくめ、フェーナとトールに背を向ける。

去り際、フェーナが艶かしく舌を見せたのはわざとだろう。
後ろ髪引かれる思いを隠して、ロキは調教部屋の出口に急いだ
のだった。





制作 dualtail
販売 ninetail