『最近流行りの『ぶろぐ』とやらになったのじゃ!
これで、色々便利になったはずだと、JUNが言っておったのじゃ!
のう、ルナ!』
『重畳。色々便利になるのは。とても良いこと』
『ねえねえルナっち、そろそろVBEの打ち上げに出かける頃じゃないのー?
ねえ、はやてー?』
『ああもう、いぶきねえさん、そんな催促するような真似を……。
はしたないと思わないの!?』
『む、かまいたち姉弟ではないか。
妹のめぐみはどうしたのじゃ?
打ち上げにこないのか?』
『あの子、お酒の席とかあんまり得意じゃないからねー。
ン百年も生きてるのに、いつまでもコドモなんだから』
あー、看板娘の皆様方や。
いい加減、予約してある店へ向かう頃合いなんで、ダベりもそのくらいにしてもらえませんかね?
『無粋。女性の身だしなみを急かすなんて。鬼影はだから駄目』
サラッと人格否定入ったァー!?
つか、身だしなみも何も、変化1発で……はい、すみません。
睨まないで下さい。爪もしまって下さい。尻尾を不機嫌そうにぱたぱたさせないで下さい。
『と、ともかく、早く準備しないと……!(わたわた)』
『うむ、そうじゃな!
では、変化を解いてJUNのかばんの中へ潜り込むのじゃ!』
お店の人に見つからんことを祈りつつ、そんじゃいきますかねー。
~移動中~
ということで、VBE完成&売り上げ好調を祝して、打ち上げと参りますー!
『うむ、祝賀会なのじゃああー!!
料理もたくさんなのじゃあー!!』
『飲むわよ食うわよー!!
いやぁんお刺身もお鍋も美味しそうー!!
お寿司まであるのね! じゅるり……!』
『か、楓様もねえさんも、今回の主賓はルナさんだよ!?
duaitailのマスコットはルナさんなんだから!』
『無礼。これだから妖怪食っちゃ寝と。胸にだけ栄養が回る女は困る』
『ルナっち非道い!?』
『む、しかし、はやての言うことももっともじゃ!
さあルナ、真っ先に祝杯を挙げるがよい!』
……いや、そこはモノを必死こいて作ったわしらを主に置こうぜ……?
いやまあ、地獄のマスターアップ中、邪気を祓い続けてくれたことには感謝してるけどさ。
まあいいや、ルナ、ほれ。
つーより、さっき店員さんにチラッと見られた気もするが、無言で立ち去っていったのが怖いです。
通報はされんだろうが。
『それなら、お刺身どうですか?
サーモンとか美味しそうですよ?』
へいへい、分かりましたよお嬢様。
というか、猫モードの時も醤油使うんか。
『うう、ルナ……。
わしらはいつになったら食えるのかのう?』
『お腹減ったようー、切ないようー』
芸風ゆうな。
『ということで、お願いするのじゃ!
わしらも参加させるのじゃ!』
『そうよー、独り占めよくない!』
『というかもう腹減ったんじゃあ!
足か!? 足を舐めれば食わせてもらえるのか!?』
『甘いわおにー! プライドじゃ腹は膨れないのよー!!』
『皆さん、ルナさん、ホントすみません……』
何故はやてが謝るかなあ。
妖怪代表での謝罪なのかねえ。
『第一。食べてはいけないなんて。一言も言ってないのだけど』
『は……ッ!?
そういえば確かに!
で、でもでも、あたしら肩身狭いし! 影薄いし!』
『ぶっちゃけ過ぎだよ、ねえさん……』
『……ということは、食ってもいいのかのう?』
『了承。というより。私じゃなくて。皆に聞いた方が』
そうですよー。
宴会の費用出してるのは会社ですよー?
『じゃあ……』
『食べてもいいのか?』
『どうしてルナさんを盾に……』
まあ、今回はduaitailの打ち上げだし、ルナを立てるのは悪くあるまい。
まあ、食い過ぎない程度に――、
『うおりゃー食うんじゃああああ!!!』
『飲むわよー!!』
『うわあああ!?』
『!? ……ッ!!』
あー、アナタたち?
ルナ様の尻尾がビキビキしてますよ?
『傾聴。そこの駄狐と駄鼬』
『ひわあああああ!?
る、ルナの周囲に変な模様が浮かんでおるのじゃあああ!?』
『ふぁ、ファンタジックー♪
なんて喜んでる場合じゃないわよね!?
アレって俗に言う魔方陣よね!?
はやて助けて!!』
『ボク知ーらないっと……』
『仕置。黒猫雷』
おお、魔方陣から黒い稲妻が。
流石はduaitailの看板娘。黒魔法もお手の物か。
『え、ええと……それはあんまり関係ないんじゃ……?』
とか何とか言ってる間に、黒い稲妻は逃げ惑う駄目動物2匹にヒット。
『ほんぎえわあああああぁぁあああ!?』
『ちょもぺふて――ッ!?』
脳天とケツからぷすぷすと煙上げて沈黙する2匹。
……まあうん、ちゃんと食う分は残しておいてやるから、しばらく反省しとけ。
『嘆息。せっかくの毛並みが。乱れてしまった』
機嫌も悪そうに、ぺろぺろと自慢の黒毛を毛繕いするルナ。
そんな騒ぎをモノともせず、飲むわ食うわのスタッフ連中。
まあ、ハイ。
『Venus Blood -EmpirE-』をお買い上げ下さった皆様、ありがとうございましたー。