今年もはろうぃんの季節じゃ!

楓「ハッピーハロウィン! ルナよ、今年もハロウィンがやってきたのじゃ」
ル「回想。去年はパラストラ島で。巫女や太公からたくさんお菓子をもらった」
楓「うむ。わしらは元からお化けじゃから、仮装の必要もなくてとても良いイベントごとじゃった」
ル「目標。今年は。去年に負けないぐらい。たくさんのお菓子を。回収する」
楓「そのとおり! そして今年はヘルヴェティア大陸群という場所に行くのじゃ。それぞれの大陸を魔王達が治めているそうじゃぞ」
ル「魔王。なにやら恐ろしい響き。だけど。食べきれないほどのお菓子を。溜め込んでいるはず」
楓「では行くとしよう。VB世界への門を開くぞ! わしも尻尾を立てて神力を送り込むのじゃ!」
ル「転移。魔術回路展開準備。領域確保。神力・魔力の供給安定。魔術回路展開を確認。術式完成。座標固定。最初は。危なくなさそうな。あの場所に行くとしよう」
楓「では出発しようかの! とりっくおあとりーとなのじゃ!」

楓「着いたの。ルナよ、ここはどこじゃ?」
ルナ「解説。南の大陸。ブルクハルトという場所。国土の三分の一を占める湖が。特徴」
楓「さて、何やらさっそく目の前に、角の生えた怪しい人物がおるのう」
シルヴィア「あら、これは可愛らしいお客様ですね。いったい、どちらから?」
ルナ「挨拶。私は。ルナ。そっちの狐は。楓。とある目的のため。異世界から。やってきた」
シルヴィア「まあ、異世界の方々? ようこそお越しくださいました。ジュデッカ、おもてなしの用意をお願いします」
楓「お主がこの国の魔王か! トリックオアトリート! お菓子をくれないと三日三晩夜中に1人でトイレに行けなくなるほどの恐ろしい悪戯をするのじゃ!」
ジュデッカ「あら? なんですのこの方々は。現れるなりシルヴィア様を魔王よばわりした挙句に脅迫とは、ずいぶん不躾ですわね」
楓「こんなでっかい角が生えてる女、魔王に違いないのじゃ!」
ジュデッカ「……ふふ、氷付けになりたいのかしら?」
シルヴィア「まあまあジュデッカ。事実、私は魔王の妹なのですし……」
ルナ「補足。シルヴィアは。帝国皇女ではあるけれど。魔王そのものでは。ないらしい」
楓「そういう情報は先に出すのじゃ! うっかりわしが凍りつくところじゃったぞ」
ジュデッカ「なんにせよ、このような怪しげなものどもをシルヴィア様に近づけるわけには……」
シルヴィア「お菓子ぐらいいいではありませんか。はいこれ、私の手作りですよ」
楓「わーい! ……って、な、なんじゃこのオゾマシイ物体は」
ルナ「困惑。お菓子というより。名状しがたい何かに。見える。食べると。正気を失いそう」
ジュデッカ「シルヴィア様の作ったお菓子は、見た目は確かに凄いですけれど、味はなかなかですわよ」
楓「こっ、これはたしかに! ほっぺたが落ちそうなのじゃ! 見た目はともかく!」
ルナ「美味。たしかに。味は美味しい。見た目はともかく」
シルヴィア「みんなして見た目見た目と連呼しないでください。私は可愛らしいと思いますよ、くすん」
楓「悪魔的美的センスじゃな。ルナよ、腹も膨れたし次の場所へ向かうのじゃ」
ルナ「結論。美的センスは。魔王クラス」

楓「今度はなにやら和風な雰囲気の場所じゃな」
ルナ「場所。ここは東の大陸にある。羅刹国。和風の者たちが。集っている」
楓「お、さっそく何か来おったぞ」
ツバキ「うおおい、なんだこりゃ!? アヤメが2人いるぞ! どうなってやがる!」
アヤメ「ツバキぇ、アンタはまた真っ昼間から幻覚見るほどお酒を飲んで……っておやまぁ、たしかに私とよう似てはりますな」
楓「本当じゃ、こやつもルナと同じく、猫の耳と二本の尻尾が生えておるのう」
ルナ「親交。私は猫又の。ルナ。そちらのアヤメとは。同族」
ツバキ「あっはっは、なるほどねー。てっきりアヤメが変な術で分身したのかと思ったよ!」
アヤメ「同族でも、私と他所の子の区別くらいつけて欲しいところやわ……」
ルナ「用件。今日は。同族のよしみで。お菓子を譲ってほしい」
楓「今日はハロウィンなのじゃ! さあ、さっさとギブミーお菓子なのじゃ!」
ツバキ「はろぅいん? そんな銘柄のお酒あったかなぁ?」
アヤメ「お酒の銘柄やあらへんよ。西洋のお祭りや。お饅頭やお煎餅でよければたしか戸棚にあったな。待っとってな」
ツバキ「んなもんより酒だー! 酒を飲めー! おらおらおらぁっ」
楓「んゴフッ!? い、いきなり何を呑ませ……んぐっ、んんンー!!」
ツバキ「あははっ! 遠慮しなくていいよ。というかアタシの国に来たらまずアタシの酒を飲め! それがルールだ!」
ルナ「壮絶。楓が。お酒で。溺れかけている」
楓「んゴフッ! んぐっぐぐぐ……!!」
アヤメ「ええと、こんなもんでええか……ってどわー! なにしとんねんツバキ! フシャーッ!」
ツバキ「どわあ! なにすんだよアヤメ!」
楓「げほっげほっ、い、今じゃルナ! 早く逃げるのじゃ! この国は危険なのじゃー!」
ルナ「同情。この国の猫又は。苦労人。お菓子をもらって。退散しよう」

楓「うぐぐ……まだ頭がくらくらするのじゃ。ルナよ、今度の場所はどこじゃ?」
ルナ「位置。ここは。西の大陸にある国。アークロンドにある。翼のない者は立ち入れない。空中都市」
ジュリア「その通りだ無翼者。それを知っていて踏み入るとはずいぶん命知らずな真似をするのだな」
楓「む、お主がこの国の魔王か。トリックオアトリートなのじゃ! お菓子をくれないと出先で鍵をかけたか気になって仕方が無くなる呪いをかけるのじゃ!」
ジュリア「この私に呪いだと……? 無翼者の分際で礼儀知らずな奴め。そんなに私の炎で焼かれたいか」
ルナ「危険。お菓子どころか。このままでは。私たちがこんがりと。焼かれてしまう予感」
リーゼ「まぁまぁお姉様、せっかく尋ねてきてくださったのですから」
ジュリア「リーゼか。下がっていろ、この不届き者を今から焼き尽くす」
リーゼ「お姉さま、そう邪険にせずともよろしいではありませんか。この子たちも、こんなに怖がってしまって……」
楓「おお、何やら天の助けじゃ!! 怖いのじゃ! 助けて欲しいのじゃ! あとお菓子が欲しいのじゃ!」
リーゼ「こんにちは♪ お菓子でしたら、はい、私が作ったパンケーキです。どうぞ」
楓「ありがたくいただくのじゃ。むぐむぐ……なんと! とても美味しいのじゃ!」
ルナ「美味。ふんわり。柔らかくて。甘い。それに見た目も。まとも。同じ妹でも。どこかの帝国皇女とは。雲泥の差」
ジュリア「ほう、リーゼの作った菓子の良さが分かるか。そう、リーゼはどこぞの帝国皇女なぞとは雲泥の差なのだ」
楓「こやつ、いきなり妹賛美が始まったぞ。そんなことよりも、わしらはお菓子を貰いに来たのじゃ」
ジュリア「……ふ、ふん、そうか。ならば私からもこれをくれてやろう」
楓「おおっ、これはなんじゃ?」
ルナ「収穫。イチゴのタルト。甘酸っぱい。いい香りが。漂ってくる」
リーゼ「あらあらお姉様、それはお姉様の好物ではありませんか。ふふ、お姉様もこの方達が気に入ったのですね」
楓「というより妹を褒められて嬉しかったのじゃろうな」
ルナ「記録。西の魔王は。シスコン」
ジュリア「なっ、待て! 誰がシスコンだ貴様ら!」
楓「ではそろそろ次の国に行くとするかのう。ではな、これからも姉妹仲良くやるのじゃ」
リーゼ「はい♪ お姉様、これからもよろしくお願いしますね」
ジュリア「ええいっ、待て! 去る前にシスコンを訂正しろ!」

楓「今度はやけに寒い場所じゃの。鉄とオイルの匂い。いったいここはなんなのじゃ?」
ルナ「解説。ネクログラード。北にある大陸で。研究施設が。多く設置されている」
楓「成程、だからそこらへんに妙な機械やら何やらがあるのじゃな。……ん? そこに誰かおるぞ」
エレア「うふふ-、うふふふふー。これは可愛らしい実験た……もとい方々ですねー」
楓「トリックオアトリートなのじゃ! お菓子をくれないと一日中自分の舌の位置が気になる呪いをかけるのじゃ!」
ルナ「要久。お菓子をくれねば。背中が痒くなっても。痒いポイントが特定できなくなる。呪いをかける」
エレア「お菓子ですか? ええ良いですよ。ではこちらへどうぞ」
楓「お、何やらあっけなくお菓子がもらえそうじゃな」
エレア「はいどうぞ。たくさんあるので好きなだけ持っていってくださいねー」
ルナ「菓子。色とりどりの。沢山の珍しいお菓子が出てきた」
エレア「ほーら、まだまだありますよー? どんどん出てきますよー?」
楓「ぬおおっ!? なんたる大量! 入り口が見えぬほど大量であるぞ!」
ルナ「警戒。出口を封じられた。のではないだろうか」
エレア「ひと聞きの悪い事言わないでくださいー。さあゆっくりとお菓子を召し上がってください。決して色々な薬や劇物が入ったりなんてしませんから!」
ルナ「豪勢。このたくさんの。お菓子を。自由に食べても良いとは。ここは。楽園かなにかでは? このチョコレートも。美味しそうな香り」
楓「待て待て! ルナよ、この菓子から漂う怪しげな香りに気づかんか! これは思った以上に儂らはピンチかもしれんぞ」
テトラ「マスター、やめてください。初対面の人を実験体にするのはよくないです」
エレア「テトラ! 放してください! 私の血が騒いでいるんです! この方々を研究すれば新たな兵器開発も夢ではないと」
テトラ「マスターは本気なんですね。私が時間を稼ぎますから逃げてください……あうっ!」
エレア「ぎゃぁぁーっ! 転んだテトラの下敷きにー! 換装パーツと愛が重いですー!」
楓「い、今じゃ! 早く逃げるのじゃー!」
ルナ「撤退。この国の魔王は。マッドサイエンティスト」

楓「ふぅ、あやうく実験体にされるところじゃった。さて、今度はどこじゃ。なにやら禍々しい魔力が溢れておるの」
ルナ「場所。ヴァルガニア帝国。全ての魔王達の上に立つとされる。魔帝カルヴィアが。治めている国」
楓「なるほどのう。ということは、この先に魔王が居座っておるのかのう」
セリアス「何だ貴様らは? 階級と所属を言え」
楓「ナインテイルのマスコットの楓と申す! トリックオアトリートなのじゃ! お菓子を寄越すのじゃー!」
ルナ「要望。デュアルテイルのマスコット。ルナ。ハロウィンの。お菓子を。貰いにやってきた」
セリアス「マスコット……? カルヴィア様、こやつらを如何に致しましょう」
カルヴィア「ほう、マスコットか。なにやら不思議な力を感じるな」
楓「お、あの偉そうなのが魔王じゃな?」
カルヴィア「こやつらをタクティカの素体とするのはどうだハムド」
ハムド「それもよろしいかと存じます。ではお二方。お菓子を提供しますのでどうぞこちらへ」
楓「今の話を聞いて騙されるかこのじじい! いいからこの場でお菓子を寄越すのじゃ!」
ルナ「同意。さすがに。タクティカの素体に。なる気はない」
ハムド「ふむ、どうやら聞かれてしまいましたか」
ルナ「聴覚。私たちは。並の魔族よりも。耳が良い。特に。お菓子に関わる会話は。聞き逃さない」
楓「そこの魔王おばさんとチョロそうな騎士は何かお菓子を持っておらぬのか?」
カルヴィア「お、おば……?」
セリアス「チョロそうな騎士……だと」
ハムド「…………」
ルナ「悪寒。体感気温が急速に。下がっている。さっきのネクログラードよりも。寒い」
楓「て、てててて撤退じゃー! この国は危険すぎるのじゃーッ!」
ルナ「逃走。カルヴィアとセリアスが。ショックで硬直している隙に。脱走」
ハムド「おや、捕らえそこねましたか。今度来た時は逃がしませんよ」

楓「ま、またしても命の危機だったのじゃ。どうやらこの世界を治める連中は危険でいっぱいなのじゃ」
ルナ「確認。魔王とは。恐ろしい存在」
楓「んで、魔王から逃げ切ったのは良いが、ここはどこじゃ?」
ノエル「んあ? なんすかこの方々は。アノーラ様、お客さんっすよー?」
アノーラ「あら、どこから迷い込んだのかしら。まあいいわ。何の用か聞いてみましょうか」
(キュピーン)
ルナ「朦朧。なにやら。意識が……遠く……」
楓「ルナー! なにやら目から光が消えているのじゃ! しっかりするのじゃー!」

 *  *  *  *  *

アノーラ「……ふむふむ。ハロゥインでお菓子をもらって回っていると。それは素敵ね♪ 今まで集めたお菓子を差し出してもらおうかしら」
ルナ「承諾。お菓子は。これで全部」
楓「わ、わしらの集めたお菓子をー!? やめろーやめるのじゃー!」
ノエル「アノーラ様それはダメっすよー。それに、隊長にあげるつもりなら手作りの方が喜ばれると思うっすよ」
アノーラ「それもそうね。ではお菓子作りを手伝いなさいノエル。そいつらをつまみ出したら私の部屋に来て」
楓「ほっ、お菓子を奪われるのはどうにか阻止できたようじゃな」
ルナ「覚醒。私は正気に。戻った」
ノエル「運が良かったっすねー。隊長がいたら二人とももっと大変な目にあってたっすよー」
楓「お帰りなのじゃルナよ。ふぅ、お菓子も取られずに済んだようじゃし、なんとかなったのじゃ」
ノエル「出口に案内するっすよー。あまり悪く思わないで欲しいっすよ。ああ見えてアノーラ様は普段はとっても優しい方なんすよ」
ルナ「感謝。この犬のおかげで。命を拾った」
楓「それに主人思いだしのう。躾の行き届いた忠犬じゃ」
ノエル「自分は狼っすよー!」

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楓「いやはや、去年にも増して命がけだったのう。やはりハロウィンとは血で血を争うお祭りではなかろうか」
ル「収穫。シルヴィア手製の。不気味な見た目のお菓子と。リーゼのパンケーキ。ジュリアの好物。イチゴのタルト。羅刹国の。和菓子と。お酒。エレアの。謎の薬入りチョコレート」
楓「後半はまともにお菓子がもらえなくて残念じゃったな。しかし、このカオスなお菓子、どのように分配するかじゃが……」
ル「分配。お酒と和菓子は。楓。私は。パンケーキとイチゴのタルトを。この不気味な何かと。チョコレートは。ハヤテたちカマイタチに押し付けよう」
楓「うむ。きっと泣いて喜ぶじゃろうな」
ル「号泣。泣いてから。喜ぶ。何も。問題はない。どちらも味は。問題ないだろうし」
楓「謎の薬が気になるところじゃが、名状しがたい何かと一緒に食えば中和されるかもしれんしな」
ル「解決」
楓「解決じゃ。さて、今日は何かお知らせとかそういうのはあったかの?」
ル「予約。楓通販での。『VenusBlood -HYONO-』公式予約は。絶賛受付中。数量がなくなり次第終了なので。注意」
楓「数量が残っていても、10日の月曜日が予約締切日となっておる。気になる場合は早めの判断をお勧めするぞ」
ル「連絡。それくらいだと。思う」
楓「では、本日の日記はこれくらいにしておこうかの!」
ル「終了。明日からは。いよいよ11月。VBH。発売予定月」
楓「わしらもスタッフも完成まで頑張るので、ユーザー諸君も発売まで首を長くして待っていてくれると嬉しいのじゃ! ではの!!」

“今年もはろうぃんの季節じゃ!” への1件の返信

  1. 無理矢理酒を呑まされる楓さま…ハイライトなくなったルナ様…エロス…!なのじゃーっ

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