どうもお久しぶりです、内山涼介です。
VBGではサブライターなどを務めさせていただきました。
「など」と申しますのは、今回はシナリオ以外の仕事にもガッツリと関わらせていただいたからです。
シナリオデビュー作である『魔法少女ラヴィリオン』の頃から、結構な頻度で演出スクリプトを手伝っていたのですが、今回はそれまでとは比にならない割合を演出させていただきました。
スタッフクレジットにも名前が載りましたし。
他にも『VBG体験版ver.3』から搭載された、実践チュートリアルの制作にも力を尽くしました。
これまでの弊社作品のチュートリアルは、キャプチャ画像とテキストで制作していたのですが、情報が多く、一度に見せられても覚えきれないとのお声が多数届いておりました。
それらのご意見は、今作VBGでは『体験版ver.2』の時点で、いつもより多めに寄せられていたように思います。
しかしながら、シナリオやシステムをギリギリまで練り込む弊社の製作スタイルにより、より良いチュートリアルの作成は、毎作、ずっと棚上げにされて来ました。
今回もその忙しさから、改善は後回しにされ、結局は誰も手を付けられないままリリースされるところでした。
そもそも、チュートリアルが作れそうなシステム仕様ではないと思われました。
それは、VBGのマスターアップまで一週間も切ったある日のことでした。
朝、目覚めた僕に、なにかが訴えかけてきたのです。
ちょっと待て。本当にこのままでいいのか?
本当に、今より良いチュートリアルは作れないのか?
このまま、不親切と言われ続けてるままで良いのか……?
それは、プレイしてくれるユーザーのことを、本気で考えてはいないのではないのか?
確かに、思い描く理想のチュートリアルは、今のシステム仕様では不可能です。
ところが少し頭を巡らしたところ、理想は無理でも、そこに近づけることくらいなら今の仕様でも無理ではない、と気づきました。
そして、手の空いているスタッフのうち、これが実現可能なのは一人だけでした。
誰かが起たねばならぬ時――
誰かが行かねばならぬ時――
そう感じて僕の、獅子の瞳が輝きました。
その日、早いうちに、ディレクターのけ~まる氏に話を通して、さっそく新しいチュートリアルの制作に入りました。
これが出来上がったのが、マスターアップ当日でした。
チュートリアルが想定されていないシステム仕様でしたので、不便な面も多々あるかと思います。
今、見直してみれば、シナリオライターとしてもっと良いチュートリアルの構成にできたんじゃないかと思うところもあります。
しかし今までに無かった物を作れたことで、次に繋がっていくきっかけとなったかと思います。きっと次回作以降、チュートリアルはより良いものに進化していくはずです。
弊社での最後の務めとして、良い仕事を残せたと自負しております。
そう、遅くなりましたが、この僕、内山涼介は今年11月末日を持ちまして、合同会社スタジオ九尾を円満退社いたしました。
色々と思うところがあり、九尾以外でも仕事をしてみたくなったのです。
シナリオライターとして進化するための武者修行……とでも申しましょうか。
その旨を上司に話したところ、激励の言葉とともに、快く了承をいただき、5年余りもお世話になった九尾から去ることとなりました。
幸い、縁のある方からの誘いもあって、次の働き口はもう決まっております。
もちろん、シナリオライターとしてのお仕事です。
もし、どこかで名前を見かけましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
この5年間、本当にありがとうございました。
そしてninetail、dualtail、tritail――すなわちスタジオ九尾の作品をこれからも、どうぞよろしくお願いいたします。
では、いつか、どこかでまた会う日まで……。