チョコが食べたいのじゃ!

楓「ルナよ、今週の日曜日は何の日か知っておるか?」
ル「日曜。2月14日は。バレンタインデー。チョコレートを。貰ったり。食べたり。する日」
楓「その通りじゃ! というわけで、久しぶりに行くとするかのう」
ル「疑問。行くとは。どこへ?」
楓「もちろん、チョコレートを貰う旅じゃ! 行き先は……そうじゃな、またドラゴンズシャフトにでも潜って、パーシィ手作りのチョコケーキなんかを貰うとするかのう」
ル「了解。ならば。転移術式で。直接。ドラゴンズシャフトへ。飛んでいこう」
楓「うりゃあ! 迷宮のなかへとひとっ飛びじゃー!!」

楓「っと、さっそく薄暗い迷宮に到着したわけじゃが」
ルナ「探索。まずは。チョコレートを持っている人が。いないかどうか。探そう」
楓「お? あそこに誰かおるのじゃ! おーい!」

クレオ「ああ? なんだありゃ? 新手の知恵つきか?」
楓「わしらをそんじょそこらの魔物と同じにするでないわ。わしは楓、ナインテイルのマスコットじゃ」
ルナ「紹介。私はルナ。デュアルテイルのマスコット」
クレオ「ちっ、わけのわかんねー連中に絡まれちまったぜ」
楓「そういうおぬしはクレオじゃな? 知っておるぞ、服に仕込んだ糸を使って色々するんじゃろ?」
ルナ「技法。糸で。敵を切り刻んだり。糸を巻きつけて。操ったり。色々と。出来るのだったか」
クレオ「……てめえら、どこで私のことを聞いた? 何が目的だ? あ?」
楓「そう殺気立つでないわ。わしらはチョコレートを貰いに来ただけじゃ」
クレオ「チョコレート……だと?」
ルナ「今日。やや早いけれど。バレンタインの。チョコを。集める旅に。出てきたところ」
クレオ「あっはっは、チョコレート……チョコレートか。そうか、平和に生きている上の連中は、今頃のほほんと甘い菓子を味わってるってわけかよ!」
楓「お?」
ルナ「不穏。なにやら。地雷を。踏んでしまったような」
クレオ「残念だが、この迷宮にはそんな甘いものはねーな。あるのは、もっと凄惨なものだ」
楓「そ、そうか! では残念じゃが、別な場所へ行くとするか!」
ルナ「疑問。クレオは。糸を張り巡らせて。何をしようとしているのか」
クレオ「なんかムカついたから、アンタらを操り人形にしてやるってことだよ! オーガの玩具くらいにはなるだろ」
楓「ル、ルナよ、緊急退避じゃ! 転移術式じゃー!!」
ルナ「術式。緊急転移。迷宮のどこかへ転移!」
楓「ワープじゃーー!!!」

クレオ「ちっ、転移術式かよ……面倒くせえ」

楓「いやはや、もう少しで操り人形にされるところじゃったぞ」
ルナ「位置。どうやら。迷宮の。別な場所へと。紛れ込んでしまった様子」
火槌「おや、何かが飛び出てきたと思ったら、珍しい連中が居るじゃあないか」
楓「おお、人がいたのじゃ!」
ルナ「危険。なにやら。その人物から。血の香りが。漂っている」
火槌「さすが獣は鼻が効くねぇ。丁度先ほど、身の程知らずの探索者グループを寝かしつけてきたところさ」
楓「ぎゃあ! おぬしはたしか、火槌か! 知っておるぞ、迷宮に巣食う人斬りじゃろ!」
ルナ「亡霊。驚くほど。沢山の。怨念が。彼女に絡み付いている」
火槌「ほう? 我のことを知っているのかい? 我も有名になったものだ」
楓「まあ、ヤバい人斬りという情報しか入ってきておらんがな。とりあえず、一応ダメもとで聞いておくかのう」
ルナ「用件。私たちは。ナインテイルと。デュアルテイルの。マスコット。バレンタインの。チョコレートを。貰いにきた」
楓「火槌も何かチョコレートを持っておらんか? わしらが貰ってやるのじゃ」
火槌「おや、我を前にして菓子を強請るとは。初めてさ、そんな連中は。でも残念だねぇ、手持ちにはないよ」
ルナ「残念。では。別な場所へと。向かおう」
火槌「代わりといってはなんだけれど、マスコットとやらの血を固めた菓子でどうだい?」
楓「あわわ……な、なんか首筋に鋭いものが触れておるのじゃが」
ルナ「菓子。楓の血を。食べても。美味しそうじゃないので。遠慮しておこう」
火槌「そうかい? なら、そこらへんの魔物にでも食べさせてやろうじゃないか。マスコットの骨を断つのは初めてだけれど、楽しみだねぇ」
楓「ル、ルナよ! 退避じゃ! 転移じゃああ!!」
ルナ「術式。緊急転移」

火槌「……ま、次の邂逅まで熟成させておくことにするかね」

マウザー「HAHAHA、ようこそ我が小隊へ! 新規入隊の希望者かね?」
楓「いきなり出おったぞ、この軍人」
ルナ「場所。どうやら。マウザーの率いる。部隊の真ん中に。転移してしまった様子」
マウザー「うーむ、しかし転移術式とは、もしや貴様ら魔法ギルドのスパイか? そうだとしたら……」
楓「あわわ、銃口を向けるでないわ! わしらはちゃんと機械を使えるのじゃ! ほら、ツイッターもやっとる!」
ルナ「証拠。私も。ツイッターをやっている。機械が使えるということは。魔法ギルドの。わけがない」
マウザー「なんと!? この私が知らないうちに、こんな庶民にまでネットが普及していたのか。さすがは我らが機械ギルド。素晴らしい技術の発展速度だ」
楓「ま、まあ、機械とか魔法はさておき」
ルナ「要望。今日は。チョコレートを。貰いにきた」
マウザー「チョコレートだと? チョコレートなら、非常食として隊員全員が常備しているが、貴様等は隊員ではないではないか」
楓「まあ、隊員ではないのう」
ルナ「交渉。その。非常食を。半分でいいので。もらえると。嬉しい」
マウザー「……なるほど」
楓「なんじゃ?」
マウザー「非常食を奪い、我が小隊を弱体化させるのが狙いだな! あの牝狐めが!!」
ルナ「?!」
マウザー「力で敵わないからといって、兵糧攻めとは、なかなか小ざかしい! 魔法ギルドの牝狐の考えそうなことだ!!」
楓「いや、牝狐はどっちかというとわしなんじゃが……」
マウザー「黙れい!! 総員、照準をこの小娘に合わせろ!! 3、2、1――」
楓「ぎゃー!!」
ルナ「術式。緊急転移」

マウザー「HAHAHA、やはり魔法ギルドのスパイであったか! 逃げたぞ、我が軍の勝利だ!!」

楓「死ぬかと思ったのじゃー!」
ルナ「場所。迷宮はこりごり」
楓「ここはどうやら地上のようじゃな。これで一安心じゃ!」
ヴァネッサ「騒々しいわね。いきなり人の執務室に現れたと思ったら、不躾じゃなくて?」
楓「あ、魔法ギルドの牝狐じゃ! おぬしのせいで死ぬところじゃったぞ!」
ヴァネッサ「は? 狐は貴女でしょう? なんなのよ」
ルナ「先程。機械ギルドの。マウザー少佐に。銃口を向けられて。死ぬ思いだった」
ヴァネッサ「マウザー? あの、なんでも破壊すればいいと思っている軍人よね。子供にまで銃口を向けて、実に野蛮だわ」
楓「もう軍人はこりごりじゃ。……で、おぬしは確かヴァネッサじゃったか?」
ルナ「記憶。ヴァネッサ・アンブローン。魔法ギルドの重鎮。アンブローン家の。当主だったか」
ヴァネッサ「私のことを知っているのなら、次は貴女がたがどこの誰かを紹介いただいてもよろしくて?」
楓「わしはナインテイルのマスコット、楓じゃ。今日はバレンタインのチョコレートを貰いに来たのじゃ!」
ルナ「紹介。私はルナ。デュアルテイルのマスコット。チョコレートを。貰いにきた」
ヴァネッサ「マスコット……? チョコレートを貰いに、わざわざここへ?」
楓「うむ。ギブミーチョコレートじゃ」
ルナ「菓子。今日は。まだ。1つもお菓子を貰っていないので。甘いものが。食べたい」
ヴァネッサ「おーほっほっほ、気に入りましたわ! クロノスでもエキドナでもなく、まず私のところに来るだなんて、貴女たちは実にわかっていますわね」
楓「いや、ここにきたのは偶然じゃが……まあいいか」
ヴァネッサ「ルフェイ! いらして? 今すぐチョコレートケーキをお出ししなさい、早く!」

ルフェイ「ヴァネッサさま、チョコレートケーキだなんて、いったい何が……あら?」
楓「あ。ルフェイじゃ」
ルナ「以前。迷宮内で。説教をしてきたフェザーリア」
ヴァネッサ「あら、顔見知りなの? まあいいわ、この二人にケーキをお出しして」
ルフェイ「は、はぁ」
楓「いやはや、どこぞの軍人なんか、話も聞かずに銃口を突きつけてきたからのう。やはり魔法貴族は格が違うのじゃー」
ルナ「感服。ヴァネッサは。綺麗で。聡明。きっと。お菓子のセンスも。この上ないのだろう」
ヴァネッサ「ルフェイ、確か頂き物の砂糖菓子があったでしょう? あれを盛り付けたものも出して頂戴」
楓「ヴァネッサは美しいのじゃー」
ルナ「芳香。血なまぐさい探索者たちと違い。いい香りもする」
ヴァネッサ「おほほ。ルフェイ、ワインもあけていいわよ」
ルフェイ「は、はぁ……」

*************************************

ル「帰還。元の世界へ。戻ってきた」
楓「途中まではピンチの連続じゃったが、最後は満腹じゃー」
ル「結局。ステーキディナーまで。ご馳走になってしまった」
楓「ルフェイがものすっごい渋い顔しておったが、たまにはこういうのもありじゃな」
ル「情報。私は。ヴァネッサと。魔法技術の。交換までしてしまった」
楓「ほほう? 何か有益なことはあったのか?」
ル「猫の。ノミを防ぐ魔法を。教えた代わりに。薔薇の。害虫を防ぐ魔法を。教えてもらった」
楓「それは良かったのう」

楓「さて、と。満腹ついでに、今日は何かお知らせごとなどはあったかのう?」
ル「告知。先日から。引き続き。抱き枕の。紹介など。だろうか」
楓「抱き枕か。現在、楓通販にて受注受付中の、『Venusblood -FRONTIER-』の抱き枕じゃな」
ル「詳細。詳しくは。こちら」
_________________________
商品内容:『Venus Blood -FRONTIER-』 オーディン 両面描き下ろしフルカラー抱き枕カバー
素  材:A&Jライクトロン(2WAYトリコット)160*50
金  額:¥12300(税込み・送料込み) 完全前金制・銀行振り込みのみ
梱  包:無地ダンボールに封入
受注期間:2016/02/01(月)00:00 ~ 2016/02/29(金)23:59
入金〆切:2016/03/03(木)までに確認できた分
発送予定:2016/04/04(月)より順次発送
_________________________
商品内容:『Venus Blood -FRONTIER-』 ヨルム(再販) 両面描き下ろしフルカラー抱き枕カバー
素  材:A&J 2WAYトリコット ライクラ改 160*50160*50
金  額:¥11300(税込み・送料込み) 完全前金制・銀行振り込みのみ
梱  包:無地ダンボールに封入
受注期間:2016/02/01(月)00:00 ~ 2016/02/29(金)23:59
入金〆切:2016/03/03(木)までに確認できた分
発送予定:2016/04/04(月)より順次発送
_________________________

楓「最近はギアドラ2のお知らせばかりじゃったから、オーディンやヨルムが随分懐かしいのう」
ル「寝具。そういえば。ギアドラ2も。人気投票。1位のキャラは。抱き枕化。されるのだろうか」
楓「予定としてはそうなるのではないかのう? 果たしていったい誰が一番人気なんじゃろうか」
ル「投票。恒例の。人気投票兼。ネットアンケートサイトは。近いうちに。公開予定とのこと」
楓「インターネット環境があるものは、葉書を送らなくともそちらのサイトから投票なりご意見なりを送ってくれて構わんのじゃ」
ル「期待。皆の。熱い思いを。叩きつけてほしい」

楓「というわけで、今日の日記はこんなところじゃな」
ル「終了。今日は。カルナスで。バレンタインを堪能したので。明日と明後日は。別な場所でも。行ってみようか」
楓「甘いもの食べたらちゃんと歯を磨くのじゃぞ?」
ル「面倒。でも。仕方ない。寝る前に。歯磨きを。しておこう」
楓「うむ。では、ユーザー諸君は、チョコを貰えた者も、チョコと無縁なものも、チョコをあげた側も、寝る前にきちんと歯を磨くんじゃぞ! ではの!!」

“チョコが食べたいのじゃ!” への3件の返信

  1. ライオネル・マウザー少佐、流石です。
    チョコレート、それは夢の食材!
    疲労回復効果、集中力・記憶力の上昇、動脈硬化防止、ガン予防、歯周病予防、認知症予防
    様々な効果が期待できます。
    少佐、女性隊員から貰い過ぎても食べ過ぎないようにしましょう。

    ただし、軍用チョコレートの道は「茹でジャガイモよりマシな程度」不味く茨の道です。
    健闘をお祈り致します。

  2. ヴァネッサw本編でもバラにこだわってるなぁと思ったらそんな魔法も開発してたんかいww

    クレオちゃんが意識が残る(ここ重要)洗脳されて「チョコレート肌の私がバレンタインチョコだよ(ハート)」って裸リボンで胸元に両手を使ってハートマーク作ってる絵を何時までも待ってます。

コメントは受け付けていません。