【樹里】
「あッ、くぅぅぅぅ〜〜〜〜っっ」

直腸を掻き分けて進む肉棒の刺激に、樹里は歯を食いし
ばった。先程の淫具とはまた違った、力強い衝撃を感じ
る。

雅也も雅也で、前の穴とは違う狭く熱い尻穴の感触に、
余裕なくうめいているのだが……。

それでも事が『その程度』で済んでいるのは、やはり
直前までこの腸内に収まっていた数珠型淫具のおかげに
他ならない。

【樹里】
「ふあっ、雅兄のっ、奥まで……っ! って、うああっ
  急に抜かないでってばぁ……っ!?」

淫具の時には無かった前後の動きに、樹里は露骨な反応
を見せた。

直腸の奥まで侵入した肉棒が、抜かれていく時の動作に
括約筋が一斉に収縮する。

ただでさえ狭い尻穴のそんな反応に、雅也は肉棒をしゃ
ぶり尽くされる思いだった。

【雅也】
「うぁ……、樹里、そんなに締め付けては、すぐに出て
  しまいますよ……!」

【樹里】
「あ、あたし、そんな事してないっ! んんあっ、はぁ
  ……っ、やだっ、お尻が勝手にぃ……!」

彼女の意志の預かり知らぬところで、直腸が雅也の肉棒
に絡みつく。

その鮮やかな蠕動運動は、あたかも肛門での性交に馴れ
た者のそれのようだった。
もちろんそんな事は、樹里はもちろん雅也も預かり知ら
ぬ事ではあるが。

【樹里】
「あン、はああっ、お尻熱くて……っ、止まらないよぉ
  ……! やだ、癖になっちゃうかもっ、はあっ、ふあ
  あ……っ!」

【雅也】
「……っ、だから樹里、そんなに締め付けては……!
  く……っ」

【樹里】
「嘘ぉ、まだ大きくなるの……!? はぁはっ、ンン、
  ふぅう〜〜っ、これ、太すぎるぅ〜〜っっ!」

未知ゆえにその快楽に抗う術を持たない二人。
秘所のように潤ったその肛門での抽送を、腰を浮かせて
は徐々に早めていく。

【樹里】
「はウッ!? んくぁ、あッあッあああ……ッ!?
  やっ、すごいかも……! んきゃううぅっ!」

一際奥までの突き入れに、樹里は背中を仰け反らせた。
肌の表面には幾つもの艶やかな玉汗が浮かんでいる。

そんな電灯に濡れ光る汗粒が、リアルタイムに増えてい
く光景を眺めながら、雅也は自分の興奮が、抑えがたい
衝動として膨れ上がっていくのを感じていた。

【雅也】
(く、うう……、狭い、のに……っ、こんなに締め付け
  て……!)

先程から、肉棒の射精衝動に悲鳴をあげているにも関わ
らず、雅也は片時も腰の動きを休めようとしない。

それは本来、成功とは関係ない穴での行為に、男として
は不可避の、獣たる征服欲を感じているからかもしれな
かった。

【樹里】
「んああ〜〜〜っ、やっ、めてっ、雅兄ぃ、そんな乱暴
  にぃ……っ、お尻、壊れちゃうよぉ……っ!」

【樹里】
「んあっ、あっ、はああっあう! ひゃっ!? んくう
  ううンン……!! はっ、あぐう……っ!」

樹里の一時の抗議の声も、すぐに彼女自身の官能の喘ぎ
に呑み込まれていく。

暴走状態の雅也は、そんな樹里の姿態を見下ろし、刻一
刻と迫る、自分の欲望を解き放つ瞬間を見計らってい
た。

【雅也】
「樹里……っ、そろそろ、いいですか……っ?」

【樹里】
「えぇ……っ!? 雅兄……、はぁっ、うぁあ!
  だめぇ、待ってぇ……!」

【雅也】
「し、しかしこんなに締め付けられては……!」

【樹里】
「やだっ、待ってよぉ! んうっ、もうちょっと、これ
  動かしていて欲しいの! あぁっ、あンン……!」

【雅也】
「じゅ、樹里……!?」

恐怖からの制止ではない。
快楽をもっと感じていたいという理由で、延長を頼む
樹里に、雅也は目を丸くした。

こうまで言われては、男としては我慢してでも長引かせ
るしかない。雅也は歯を食いしばって、律動する。

【樹里】
「あああ〜〜っ、雅兄ぃ、それっ、いいよぉ……っ!
  んうっ、はああっ、お尻で暴れてるの……! あぁっ
  ふぁあンン〜〜!!」

樹里は歓喜に鳴いた。
彼女のリクエストに従って、雅也は前の穴と変わらぬ
勢いで、何度も何度も肉棒を打ち出しつづける。

【樹里】
「はっ、あぁ……! うぁあ〜〜、飛んじゃうっ、雅兄
  飛んじゃうよぉ……っ! ひん、んくうぅっっ」

ガクガクと震え、何も挿入していない前の穴から愛液が
跳ねた。

切羽詰った樹里の様子に、雅也は尻穴でイかせてやれる
ことを確信する。
今にも精液を吐き出そうとせっつくペニスを苦労して
制御し、ラストスパートを繰り出した。

【樹里】
「はぁっ、あっあっあっあ……っ!! もう、もう!
  ふぁああっ、すごっ、頭真っ白になっちゃうよぉ!
  雅兄、もう、もう〜〜っ、あはぁあっっ!!」

【雅也】
「くっ……! 樹里、いいですか!?」

【樹里】
「うんっ、うんっ! 雅兄、いいよぉ……!
  出してっ、お尻に熱いの、出してぇ……っ!!」

【雅也】
「うぁ……!」

樹里の了承の声と同時に、きゅっと肛門が締められた。
これまで辛うじて耐えていた射精衝動が、その締め付け
であっけなく臨界を迎える。

雅也はその精の迸りを最奥に解き放とうと、本能的に
腰を繰り出し――

直腸の奥の奥で、マグマを吐き出した――。

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