樹里が完成した淫具を持って、雅也の部屋を訪れたのは
夜も更けてのことだった。

数珠のようなアイテムを手渡され、雅也はそれを繁々と
眺める。

解読した設計図上では仔細を知っていても、完成した
実物を見ればまた違った感慨が湧き上がってくる。

そして、そんな感慨が早く使ってみたいという好奇心に
置き換わる早さも、雅也ならではであった。

【雅也】
「では始めましょうか。樹里、準備を」

【樹里】
「え? 始めるって……、なにを、雅兄……?」

【雅也】
「樹里、今さらとぼけないで下さい。
  こんな時間に、1人で来たのですから覚悟はできて
  いるんでしょう?」

【樹里】
「う、うん……、そうだよね。あはは、分かった。
  準備するー」

硬い表情のまま、誤魔化すように笑う樹里。
その様子からは戸惑いと緊張がありありと伝わってく
る。

雅也からしてみれば、少しでもそれを和らげるための
事務口調だったのだが、果たして功を奏したのかどうか
……。

こういう事に関してはとことん朴念仁なのが、この男で
ある。

【雅也】
「大丈夫ですか、樹里? まだ慣れていないのでしたら
  今夜は――」

【樹里】
「ううん! 大丈夫だよ、だからそんな顔しないでった
  ら……っ」

さも心外なように、樹里は雅也の言葉を遮る。

――そう、元々は樹里が自分で決め、言い出した事なの
だ。それを余計な気遣いで否定されたとあっては、確か
に彼女としては不満だろう。

雅也は自分の失言を反省し、今度こそ事務的に樹里を
促す。

【雅也】
「分かりました。ではそこに横になって……。
  何に使う道具かは、分かっていますね?」

【樹里】
「うん、その……お尻、でするんだよね?」

ツナギの下の白い肌を露わにした樹里は、恥じらい、
どもりつつも今夜の主旨を口にした。

雅也は頷き、手の平に乗せられた長大な数珠――アナル
ビーズを転がした。

 

【樹里】
「はぁああ……っ、入ってくるっ! お尻ィ!
  おっき、っくううぅぅ〜〜、あっ、アア――っ!」

異物の侵入する感覚に、樹里は左右に尻を振りたくりっ
た。慣れぬ感覚に慄いている。

ついこの前まで処女だった樹里が、後ろでの経験など
あろうはずもない。
だが、この『B−108』は仮にも真・本間技巧書に
載っていた代物だ。

その程度の問題など軽くクリアする性能を有して、あま
りある性能を持っていた。

【樹里】
「何これ!? また、入ってくる……っ! どんどん
  勝手に沈んでくよ……、あぅンン〜っ!」

【樹里】
「はあっ!! またひとつ、入ったぁ……っ!?
  ひゃっ、ンンン……、あうあああ〜〜〜ンンっ!!」

【雅也】
「ふむ、順調に機能を発揮しているようですね」

先程から雅也は一切、その手を煩わせていない。
全てが樹里の尻穴からぶら下がっている淫具の、自律稼
動による成果だった。

この淫具は、使用者の肛門の微細な収縮運動を感知して
対象の粘膜を一切、傷つけることなく侵入する機能を
持ったアナルビーズなのだ。

そして――

【樹里】
「ああっ、あっあっ! やっ、雅兄ィ……、見ないでっ
  ……! あぅぅううンンっ! ふあ、っはああ!」

――尻穴を穿られている樹里の表情には、苦しさや痛み
などの、負の感情は全く見受けられなかった。
むしろ、快感を得ている節がある。

無論、これも淫具の機能の一つだ。
もっとも樹里は、後ろの穴で感じていることに恥ずかし
さを覚えているようだったが。

【樹里】
「ふああっ、やらっ、止まらない、どんどん身体っ、奥
  までぇ〜〜っ! うぁンン……っ!」

またひとつ、ビーズが肛門の中を通った。

【樹里】
「はぁうううう〜〜っっ!! 大きっ、アウ!
  んっ、んああううう〜〜っっ!」

これまでよりサイズの大きいビーズに侵入され、樹里は
悶絶した。

――逆にいえば、そんなサイズでも受け入れてしまうほ
ど、樹里のアナルの頑固さを解いている、淫具の性能の
証左でもあるのだが。

【雅也】
「すごい……!」

雅也の口から、自然とそんな言葉が漏れた。
それを聞いて、樹里はますます顔を赤らめる。

【樹里】
「いやぁ〜〜っ、雅兄、言わないで……! 恥ずかし、
  んああっ! お尻、なのにィィ〜〜〜っっ」

羞恥から身体を捩らせる樹里。
それだけで、お尻からグチュリという水音が鳴った。
ほとんど前の穴と同じ具合の濡れ具合だ。

【樹里】
「くっ、ううぅ……! やぁ、音してる。ぐちゅって
  お尻のが、どんどん沈んでくよぉ……!」

淫らに分泌した腸液が、潤滑油となってビーズとの摩擦
を緩和していく。自らの痴態を恥じて、樹里は尻穴を隠
そうともがく。

しかし、リアルタイムで沈下するアナルビーズの感触に
力を奪われ、樹里はそんな簡単な動作もできないでい
た。

【樹里】
「うぅうう〜〜〜、そんな、じっとなんて見ないでよ。
  雅兄ィ〜〜〜っ。音、聞かないでぇ〜〜」

【雅也】
「す、すみません。樹里……」

謝りながらも、雅也は樹里のアナルから目を離すことが
できなかった。

瞬きすら忘れて、ひとつまたひとつと、腸内に呑み込ま
れていくビーズをじっと観察する。

【樹里】
「くっ、うぅう……! だから見ないでって……!
  ひううぅっ!? おっきいのが沈んで……っ!?」

赤褐色の大き目の石が尻穴を通過した。
反動で盛り上がった入り口が、咀嚼するように蠢く。

【雅也】
「……ゴクリ」

唾を飲み込む音が、いやに大きく聞こえた。

【樹里】
「はぁっ、はぁっ、ンン! すごっ、こんな……!?」

大き目のビーズの沈下が契機になったのか、樹里の直腸
は、ますます活発に長大な数珠を呑み込み始めた。

いやらしく蠕動し、ビーズを呑み込む度に収縮する。
その様はまるで自分から受け入れているようだ。。

【樹里】
「ああ〜〜っ、入ってく、入ってくよぉ……っ!
  全部、全部入っちゃううぅ〜〜〜っ!!」

ビーズが尻穴に消えるたびに、数珠繋ぎになった残りが
くねくねと淫猥に踊る。
樹里は尻を高く掲げた体勢のまま、その悦感に浸ってい
た。

やがて――

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