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眷族たちと学ぶVBL講座
第八回:お兄ちゃん、一緒に冒険はじめようね♪

「ティアが産んだ最初の眷属たちは前回で終わりじゃったな。
 今日は特別ゲストが出て来るとのことじゃったが・・・。
 ん? 何か寒くないかのう」

「降雪。そういえば。そろそろクリスマス」

「ほう。となればケーキに、七面鳥に・・・」

「雪ん子アイドルのチカちゃんだよね!!」

「うぉっ!? 空から幼女が・・・!
 いや、雪姫スネグラチカが降ってきおった!」

「みんなー、おっまたせー♪
 今日の解説はぁ、みんなのアイドル、チカちゃんと――!」

「・・・私、死神長の2人でやらせてもらうわ」

「何と! 特別ゲストとはお主たちであったか」

「末妹がこちらの世界に転生したと聞いたから、少し様子を見に来たの。
 そしたらこの子がついて来るって・・・」

「分からない人のために説明するとね。
 前のSLG作品で人気投票をやった時に、わたしが2位!
 そして死神長ちゃんが1位だったんだよ!
 ユニットのトップ2人が出てくれば、読者のお兄ちゃんたちも
 喜んでくれると思って、チカも説明に参加することにしたの!
 お兄ちゃん! お正月は、チカや死神長ちゃんと一緒に
 VBLで過ごそうね!!」

「戦慄。怒涛の営業トーク。これが。アイドルに求められる。会話力・・・」

「・・・ランク外のわしらの心にグサグサと刺さるのじゃ。
 というか、正月休みにわしらは必要ないということか?
 マスコットだというのに・・・」

「残酷。アイドルの世界で。トップ以外に。人権は無い」

「わっ、わーっ! そんなことないよ? 楓ちゃんもルナちゃんも
 一緒に初詣に行ったり、おせちを食べたりしようね!」

「・・・話を進めて良いかしら?
 今日は初心者さんに向けて、まず序盤で押さえておきたい点を解説するわ。
 防御布陣とガーダーについては違う世界で軍師様が説明しているから、
 今回はオミットさせてもらうわね」

「詳しくは、コボルド族さんが残した兵法の書を見てね♪」

ガーダーと誘導
「ということで、早速解説を始めるわ」

「ん? ガーダーについての話はオミットではなかったのか?」

「今から話すのは、さっきの書物に書いてある
 遠隔攻撃や側面攻撃への対処法よ。
 たとえばこのチカちゃん。この儚げな見た目通り、防御力は低いわ。
 でも―― エイッ!」

「あうっ!?」

「こうしてデコピンを当てようとしても、チカちゃんには当たらない。
 代わりにその背後にいる、楓さんに当たってしまうわ」

「それはぁ。
 このわたしが、『標的後逸』ってスキルを持ってるからなんだよ!」

「・・・今の。実演する必要があったのかのう」

「説明。標的後逸とは。自分が狙われた時。自分の一つ後ろのユニットに。
 攻撃を押し付けるスキル。スネグラチカは。初登場した。VBRの。
 デバッグ時代に。これでライバルを消し。アイドルの覇権を。
 握ろうとしたという。噂」

「そ、そんなことないもん!
 あれは、アイドル女神のお姉ちゃんがわたしを守ってくれたの。
 デバッグの後、わたしもたーっくさんごめんなさいしたんだよ!?」

「ふむ。そういうことにしておくかのう・・・」

「逆のスキルで『前進防御』というスキルもあるわ。
 これはガーダーが持つことで、一つ前のユニットを守りに行くスキルよ」

「疑問。2つはとても、似たような力。使い分ける。必要性が。あるのか」

「一番大きい影響は麻痺攻撃かな。
 戦術スキルとかで麻痺しちゃうと、『前進防御』はできなくなっちゃう。
 でも『標的後逸』は自動的なものだから、麻痺していても
 ターゲット肩代わりの効果に影響はないの!」

「ほうほう。
 ということは、『前進防御』よりも『標的後逸』の方が優秀なのか?」

「そうともいえないわね。
 直接的な攻撃はターゲットを逸らすことが出来ても、範囲攻撃の巻き込みや、
 戦術スキルのターゲットになることを防ぐ事はできないの。
 標的後逸を持っているユニットは大抵、耐久力そのものが低いから
 過信しているとすぐに戦闘不能になってしまうわね」

「ふ~む、なるほどのう」

「対して、『前進防御』を持っている事が多い、ガーダーやブレイダーは
 比較的耐久力に優れたユニットが多いわ。
 特にガーダーは攻撃を受け止めるという役柄上、『異常耐性』
 ――麻痺を含む状態異常を無効化するスキルを持っていることもあるし」

「理解。備えあれば。憂い無しとは。まさにこのこと」

「でも『強制異常』という、確率で異常耐性を無効化する能力もあるから。
 これでガーダーが麻痺してしまったら、『前進防御』は発動しないわね」

「そしたらチカは、防御力が無いからあっという間にやられちゃう。
 ガーダーさん以外もボロボロになっちゃう・・・!
 でもチカが『標的後逸』を持っていれば、ガーダーさんが麻痺しても
 攻撃を誘導できるの!」

「なるほどのう。両方ともに、違った長所と短所があるのじゃな」

「不安。前進も。後逸も。敵が狙わなければ。始まらない。
 敵が。都合よく。狙ってくれないと。無意味な能力」

「良い質問ね。
 敵は基本的にこちらの隙、具体的には防御力が低い所を狙ってくるわ。
 だから1師団に1人、囮のユニットを置くことをお勧めするわ」

「チカは見た目通り、防御力が低いよ。
 でも、だからこそ囮として活躍できるの♪」

「魔境。アイドルは。狙われるものだと。理解しているが。
 戦争でも。狙われてしまうとは」

「でも前々回に説明した通り、ユニットの能力は曜日や地形の影響も受けるわ。
 ターンが変わったり、場所を変えたりしたときに、防御力が上がって
 違うユニットが狙われることもあるから、十分注意するのよ」

回復について
「次に説明するのは、ユニットの回復についてね」

「SLGに限らず、どんなゲームでも体力の回復は重要じゃな。
 それは誰でも分かるのではないか?」

「確かにそうだけど、VBシリーズは回復の重要性が特に大きいの。
 複数ユニットの『全体治癒』を組み合わせると、戦力の過半を
 消耗していたはずの部隊が1ターンでHP全回復なんてこともありえるわ」

「樹霊のユニットさんに多いよね。
 VBRのデバッグでも、突破があまりにも厳しすぎて
 解散させられた敵師団があったとか、なかったとか・・・」

「絶望。瀕死の敵が。ターンエンドで。全回復。俗にいう。無理ゲー。
 なにか対策が無いと。勝負にならない」

「一番簡単な対処法は、回復役を叩くことね。
 例え撃破できなくても、HPの回復量は発動者のHP量で決まるから、
 効果を減らすことができるわ」

「わしの持っている「大火炎陣」を含む『大〇〇陣』も有効と聞いておるぞ。
 これはターンが終わった時に、敵全体にダメージを与える力じゃからのう。
 回復を上回るダメージを与えてしまえば、どうということはないな!」

「もしくは敵師団に『呪の一撃』をバラまくという手もあるわ。
 相手の回復や蘇生を阻害する便利なスキルで・・・
 私も似たようなスキルを持っているわ。
 どれだけ回復薬が頑張ろうとも、その力が味方に届くことはなくなる・・・」

「他にも『封印攻撃』っていうスキルなら、
 そのユニットの回復能力そのものを無効化できるんだよ!
 ただどっちも装備や称号で後付けがしにくいから、
 効果的に運用するのは慣れが必要かもしれないかなぁ・・・」

「逆に自分達の回復能力を活用する際には、呪いや封印に気を付けなければ
 ならぬということを、肝に銘じておかないといけぬのう」

「最後の注意として。
 私のように『死』の種族を持つユニットは『全体治癒』では回復しないわ。
 『魔族医療』というスキルじゃないと回復できないから、気を付けてね」

「怒涛。私を置いて。3人だけで。どんどん話が進んでいく」

「うふふ。安心して、ルナちゃん。;  次の説明は、ルナちゃんの持ってるスキルだから!」

トレハンについて
「VBユーザーが何よりも優先しなければならない行為ね。
 これこそがVBの本質と言っても過言ではないわ」

「機械の女王って呼ばれてるアルケフェアリーちゃんが、
 色んな機械師団で活躍できるスキルなのに、
 トレハン値がトップクラスだからトレハン師団に固定配備に
 なっちゃってるくらいだもんね」

「役得。この中では。私が。一番。トレハンの力を。持っている。
 実際。高ランクユニットが出るまでの。つなぎとして。
 トレハン師団に入ることも。ままある」

「わしも一応トレハンは持っておるから内容は知っておる。
 この値が大きいと、拾える装備アイテムの質が大きくなるんじゃろう?
 確かに装備は重要じゃが、それほど優先すべきものなのかのう」

「ええ、その通り。一応素材アイテムを使って武器を作ることも可能だけど、
 必要な素材の数や、かかる金額を考えると現実的じゃないわ。
 基本的に高ランクの超強力な装備は、トレハンで拾いに行くことになるわね」

「漠然としておるのう。超強力とは、具体的にどれほど強力なのじゃ?」

「情報によるとね。最初期に雇えるユニットでも、称号と装備を組み合で、
 高難易度のラスボスに健闘できるって言われてるよ!」

「なんと! 夢のある下剋上の世界じゃな!!」

「それは装備や称号を知り尽くした者だけが到達できる境地よ。
 でも強力な武器さえあれば、低ランクであっても自分の好きなユニットを
 第一線で活躍させられるのは事実ね」

「疑問。能力の低いユニットを。なぜ。使い続けるのか。
 強いユニットに。強い装備を持たせるのが。一番ではないのか」

「それはね、ルナちゃん・・・。愛、だよっ!」

「赤面もせず、ウィンクしながら、恥ずかしいセリフを言いおった・・・。
 これがアイドル力というものか・・・」

「羨望。私たちにも。愛が。欲しい」

「勤勉ね。つまり積極的に戦場に出たいということかしら?」

「あ。それなら愛など要らぬのじゃ!
 わしは兵舎でごろ寝しながら、皆の帰りを待ちたいのじゃ」

「同意。愛よりも。こたつと。みかんを。所望する」

「うーっ。楓ちゃんやルナちゃんは、ナマケモノさんなんだからぁ・・・」

「他に装備を集める理由として、強いユニットの出撃報酬の問題があるわ。
 精鋭部隊以外にも、2軍師団に強い武器を持たせて出撃させれば
 報酬の節約につながって戦略に幅が持たせられるわね」

「そんなわけで。
 最後に説明するのは、高報酬ユニットを使いこなすために必要なスキル
 『資源工面』だよっ!」

報酬と資源工面について
「物語後半や周回プレイに入ると、ユニットが消費する魔力や資源の量が
 莫大になっていくわ。毎作ぶっ壊れキャラと呼ばれるユニットが
 雇用できるようになるけど、その報酬は洒落にならないし・・・。
 しかも称号をつければ、さらに報酬額が高まってしまうわね」

「確かにすごい勢いで消耗していくと聞いたことがあるのじゃ。
 強いとはいえ、そんなユニットばかりだと数回出撃しただけで
 破産してしまうのう」

「士気というパラメーターが上がれば、ある程度は割引してもらえるわ。
 でも、それでも高い。何より士気を上げるためには、
 出撃をしなければならない・・・」

「無常。折角手に入れたのに。出撃させられず。
 体育座りをさせ続けるのは。悲しい」

「『資源工面』はね、最大で75%、報酬を抑えることができるんだよ!
 つまり1/4! とーってもお得に戦えるの!」

「有能。一体。どんな交渉を。したのか。気になる所。
 何か大切なものを。差し出して。いなければ良いが・・・」

「支配した陣地が少なくて、生産力の少ない序盤とか、
 高報酬のユニットが増えて来る終盤や周回にはとても重要なスキルよ。
 特にマナと資源の残量は、常に見守っておくことをお勧めするわ」

「・・・あれっ? 食料は?」

「序盤を支えることも多くある人間ユニットには、それほど高額の報酬が
 必要になるユニットは殆どいないから・・・。
 むしろ大体余って扱いに困って
 『魔族もメシを食べればいいのに』とか思うことになるわ」

「縮図。VB世界の。人間の立場を。よく現している」

「諸行無常じゃな」

「以上でVBLの説明コーナーは全て終了よ。
 この場を借りて、最後に私とチカちゃんを呼んでくれた近衛の皆さんに
 感謝の意を表させてもらうわ」

「みんなーっ! VBLの人気投票でも、
 チカと死神長ちゃんと近衛さんたちをよろしくねぇ~っ!」

「・・・またわしらのことを抜いておるのじゃ」

「腹黒。きっと新規追加のライバル以外に。興味を持っていない。
 私も楓も。眼中に無いと言う。無意識の表れ」

「ふぇぇぇぇん。 チカのこと悪く言わないでよぉ~っ!」

「それじゃあ今度はゲーム本編でお会いしましょう。
 私を解放するのはちょっと、手間がかかるけど・・・
 仲間にしてくれた暁には、全身全霊をかけて貴方の覇権に協力するわ」