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眷族たちと学ぶVBL講座
第五回:魔竜族の方を紹介しますね。ふぅ〜っ。

「うぅ、お腹が減ったのじゃ・・・。
 前々回にお金を巻き上げられたせいで、貯金を崩す生活なのじゃ。
 一日に、玄米四合と味噌と少しの野菜しか食べられぬとは・・・」

「強欲。それだけ食べて。満足しないとは。
 雨にも。風にも。負けてしまいそう」

「負けても良いのじゃ。そのかわり雨風に怯えながら、暖房をガンガンに
 効かせた部屋で、アイスを貪る日々をすごしたいのじゃ」

「納得。それはとても。甘美な屈辱。
 そんな敗北なら。私も知ってみたい」

「はぁ、それにしても腹が・・・。
 おっ、あそこの木に林檎がなっているではないか。一つもらうのじゃ!」

「オホホホホホッ♪ さぁお食べ。さぁお食べぇぇぇ〜〜〜っ」

「ひぃいいっ!? り、林檎が喋ったのじゃ!」

「恐怖。林檎に。口が。ついていて。歌いだした」

「ふぅ〜っ。驚かせてすみません。」

「うおぉっ!? 幹の部分に人がおったのじゃ!」

「今回の解説役、メリアスのアイシャと申します・・・
 あ・・・この林檎・・・お近づきの印にどうぞ・・・」

「うぇっ!? そ、その林檎・・・食べられるのか!?」

「オホホホホ♪ 頭からぁ〜〜ッ♪ バリバリとぉぉ〜〜♪
 食べられますとも〜〜〜っ♪」

「美声。ソプラノと。アルトが。見事なハーモニーを。作っている」

「こ、心使いは嬉しいが・・・。
 動いたり喋ったりするモノを食べるのは、ちょっと怖いのじゃ・・・」

「ふぅ〜っ。そうですかぁ・・・。まぁ良いです。
 慣れない方は、大体同じリアクションですから・・・」

「驚嘆。慣れている人が。存在するとは」

「ふぅ〜っ。さて、ご挨拶も済んだことですし・・・。
 解説を始めましょう・・・。今日は魔竜族の紹介をしますよ。
 まずはこの方・・・じゃじゃーん」

「体験版でもチラッと話が出てきたテュポーンさん。
 魔竜族の最前線、機国デルピュネの王様です」

「いかにもメカメカしい恰好をしておるのう。
 武器もSFチックでイカしたデザインじゃな!」

「ホームページの説明にもありますが、
 彼女自身が古代文明メル・ザハーカのロストテクノロジーですね。
 機竜という、生物と機械を融合させた兵器の生き残りです」

「疑問。この巨大な。大砲は。普段どこに。収容しているのか」

「ふぅ〜っ。それがですね。その場で地面の石とか砂から、生み出して
 いるらしいのですよ・・・。分子変換とか、言っていました・・・。
 彼女と同じ、ロストテクノロジーの一つですね」

「脅威。そのような力。すぐに神竜を。叩きのめせるのでは?」

「ふぅ〜っ。あそこまで強力な遺物が発見されるのは、
 本当に稀なものですから・・・。それにテュポーンさんは、
 ヴァジェトさんに命じられた通りに古代遺物の発掘を重視しているので、
 最前線にありながら積極的な侵攻は行っていません・・・。
 ですがこれまで何度かあった、神竜族の遠征軍を全て撃退していますね・・・」

「ほほう。前回紹介された強そうな連中を押し返しておるのか。
 流石は太古の技術じゃな!
 こやつを味方に付けられれば、ティアも心強いのう」

「それなんですが・・・機械だから疲れ知らずで合理的らしいのですが。
 それが徹底されすぎていて、部下や国民には慕われていないとのことです」

「むむむ。それはそれで面倒な奴じゃな」

「真理。綺麗すぎる水には。魚は住めない。仕事ばかりじゃ。
 人生は。つまらない」

「うむ。わしも一日5度の食事と3度の昼寝を禁止されたら、
 暴動を起こしてしまうのじゃ!」

「一方でもう一つ、神竜と国境を接しているバシュトラは、
 何度もクシナダへと侵攻を行っています・・・。
 そのバシュトラを率いているのが、魔将ヴェリトールさんです・・・。
 お互いに領土を取ったり取られたり、このあたりは勢力図が盛んに
 変わるらしいですねぇ。ふぅ〜っ」

「浅黒い肌。入れ墨に額の傷。露骨なまでの悪人面じゃな」

「疑問。彼は。何という。種族か」

「100年以上前から歴史に登場していますから、少なくとも人間では
 ないでしょう・・・。公的には、魔族だといわれいますね・・・ふぅ〜っ」

「次に紹介するのは、マキュリア=ヴァーレさんですね。
 彼女は人間と死者の自治領、ガンダルファの領主です」

「むむ? 人間がアンデッドを率いておるのか?」

「第一回でアーミラさんが、魔神側についた人間もいた、
 という話をしたのを覚えてます?
 彼らは罪人として神竜族からは迫害され、さりとて魔族よりも体が弱くて、
 環境の厳しい辺境では生きていくのに苦労したそうです」

「そこで彼らは土着の不死族と協力することにしました・・・。ふぅ〜っ。
 不死族は眷属を増やしていくのに、死体を必要とします。
 人間達は自分達の死体を提供する代わり、弱肉強食の魔族の世界で、
 不死族に守ってもらう・・・。そんな共存体勢を作り上げたのが
 マキュリアさんの先祖だと言われています・・・」

「ふぅ〜っ。そして次に紹介するのが・・・
 魔竜王の娘であるレヴィアさんですねぇ・・・。
 彼女は魔竜族の将軍なんですが、実は一兵卒からのたたき上げなんです。
 それも、自分から志願して軍人になったとか・・・」

「王の娘なのじゃから、態々危険に身を置く必要も無いじゃろうに。
 わしじゃったら、王の権力で毎日ゴロ寝るするのじゃ」

「暗君。楓が王様なら。国は立ちいかなくなると。思われる」

「恐らく戦場に出た回数では、キャラクター紹介の中にいる人の中で、
 誰よりも多いのではないでしょうか・・・。
 死にかけた回数も、両手足じゃ数えられないらしいですが、
 未だに最前線に立って戦う人ですね。ふぅ〜・・・」

「良い所の生まれであるのに、自らハードモードの人生を選ぶとは・・・。
 中々奇特な奴じゃのう」

「疑問。平兵士から。将軍に。それだけの出世。何年かかったのか」

「ふぅぅ〜っ。乙女に歳を尋ねるのは、野暮だと思いますよ・・・」

「最後は魔竜王ヴァジェトさんですねぇ・・・。
 神竜族に排斥されていた魔族や人間を、その腕っ節だけで糾合した人です。
 そのカリスマ性は一部の竜族をも裏切らせるほどです。ふぅ〜っ」

「ところで、ヴァジェトは竜族なのじゃろう?
 なぜエデンと戦っておるのじゃ?」

「ふぅ〜っ。神竜族の中にも、先祖の罪のために魔族や異端の排斥する、
 というのを望まない人はいたのです・・・。ヴァジェトさんはその中で、
 最初に魔族たちについた竜族と言われていますね・・・」

「旧世界を滅ぼした魔神の末裔とはいえ、その者らに罪は無いからのう。
 とはいえ滅ぼされかけた方も、心情的には許しづらいであろうな」

「無常。戦争で。正義は。一つではない。だからこそ。歩み寄りが。難しい」

「ヴァジェトさんに感化される形で、少数ですが、竜族からも魔族に
 味方する人たちが現れました・・・。そういう人たちを束ねたので、
 魔王ではなく、魔竜王と呼ばれるようになりました・・・。ふぅ〜っ」

「ほほう。これだけ聞いておると、結構良い人に見えて来るのう」

「情報。キャラ紹介でも。情に厚いと。書かれている。ティアのことも。
 事情を知れば。何か手助けを。してくれるかも。しれない」

「ふぅ〜っ。以上で魔竜族の方々の説明は終わりですね・・・。
 次からは戦闘システムの説明に入るみたいです・・・」

「おおう、いよいよゲーム本編の流れが見れるのか!」

「復習。過去作の。SLGをやった人も。おさらいのために。
 見ることを。おすすめする」

「そのとおりじゃ! ・・・ん? 何やら良い匂いがするのう」

「解説が終わったら御馳走しようと、アップルパイを焼いていたのです・・・。
 時間ぴったりですね・・・。ふぅ〜っ」

「予測。その材料の林檎は・・・」

「ラララララ〜〜♪ わたしたちの〜兄弟〜〜っ♪
 真赤に熟した〜〜〜♪ おしゃべ林檎〜〜〜っ♪♪」

「安心してください・・・。焼いた林檎は、しゃべりませんよ。ふぅ〜っ」

「いや、そうなのかもしれんが・・・」

「誘惑。狐色の表面。甘いシナモンと。酸っぱい林檎。
 こうばしい小麦の香り。ほのかに立つ湯気。・・・音。サクッとした。
 切り分ける音。添えられる。生クリーム・・・。
 唾液が。溢れて。止まらない」

「・・・一つ。もらうとするかの」

「賛同。飢えては。いないが。この匂いは。抗えない香り」

「たーんと召し上がってください・・・。ふぅ〜っ」